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「IHIグループの社会的責任-いま、そしてこれからの社会の安全と安心のために」

2010(H22)年度も終わろうとしていた3月11日に発生した東日本大震災では、多くの尊い人命が失われました。犠牲となられた方々に衷心から哀悼の意を表します。また、生活の基盤を失い、今もなお困難な状況に置かれている方も大勢いらっしゃいます。被災されたすべての皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

東日本大震災の対応

今回の被災地域には、IHIグループが納入した、エネルギー供給や工業生産、農林水産業や物流などに関わる設備・機器が多数稼動していました。私たちのお客さまが被られた被害や地域社会が受けた深刻な打撃を目の当たりにするとき、それらが市民生活や生産・物流を支える基盤であったことを思い、復旧のための私たちの一つひとつの作業が社会システム全体の回復につながるものと確信し、IHIグループの全力を挙げてお客さまの支援に取り組んでまいりました。

また、福島県相馬市にある工場をはじめとして、IHIグループのいくつかの事業拠点でも大きな被害を受けました。多くの皆さまのお力添えをいただきながら復旧に努めた結果、生産設備に関してはほぼ震災前の能力を回復することができました。ご支援をいただいた皆さまに改めて御礼申し上げます。

早期の操業再開に向け全社をあげた努力を続ける中で、国内外のステークホルダーの皆さまからたいへん勇気づけられる励ましのお言葉をいただきました。このことはIHIグループへの期待の証しであり、この期待に応えることこそが私たちの社会的責任であるのだと改めて思いました。

このように、大震災は図らずも私たちの事業や提供する製品・サービスが直接のお客さまだけでなく、社会の多くの人びとと関係を有するものであることを改めて強く認識する機会となりました。そして、私たちの本来の事業が社会的な性質を強く持つということから、日々の業務遂行そのものにIHIグループの社会的責任の多くが存するということを身を持って理解することができました。

事業を通じたCSR活動

昨年からスタートした「グループ経営方針2010」では、近時の外部環境の急速な変化に対応するために「パラダイムシフト」を掲げています。そして、これまで前提条件として考えていた環境がさらに早く大きく変わりつつあるとの認識を強め、その変化に対応するために事業体制の変革を実行している矢先に、私たちの世代では経験したことのないような惨事に直面することとなりました。

この結果、日本だけでなく、全世界で社会の仕組みを大きく変えざるを得ない新たな動きが出てくるかもしれません。そうした変化にともなって、私たちに期待されることも当然に変化するだろうと予想することができます。しかしながら、どのような変化を求められることになろうとも、社会の期待の根底には「サステナビリティ(持続可能性)」という視点が必ず存在します。私はこの視点に基づいて、単なる復旧にとどまらない、将来に向けた新たな社会の仕組みづくりを提案することができると考えています。まずは「IHIグループビジョン」で掲げた「安全・安心を提供する」という目標のもとに、エネルギー効率のよい社会づくりや農林水産業の復興に関して、IHIグループの持つ製品・技術・サービスを活用して貢献していく所存です。

復興の道は始まったばかりですが、私はもちろん、IHIグループ全員が社会のためにという強い思いと、これまで培ってきた技術・スキルを持って、新しい社会づくりのための責任を果たしていく決意を新たにしています。

「パラダイムシフト」

成長軌道の確立のため、従業員1人1人のスピード感ある意識改革「パラダイムシフト」を推進します。「保守・運用サービスの充実などライフサイクル重視のビジネスモデルの確立」「お客さまのニーズを重視した製品開発の促進」「グローバルな事業展開の加速」という3つのパラダイムのもと、常に変化する経営環境の中で着実にお客さまに貢献していきます。

*パラダイム…環境や組織に関する認識や思考の枠組み、世界観、組織観

昨年から社内で行なっているIHIグループのそれぞれの事業領域におけるCSRを明確にするための議論の中でも、震災後の社会に対して私たちが負うべき責任について改めて確認していくことになります。そのうえで、IHIグループとしてのCSRの全体方針を示したいと思います。

最後に

私たちIHIグループが日々変化する社会の期待に的確に応えていくためにも、この報告をお読みいただく皆さまには、ぜひ忌憚のないご意見をお寄せくださいますようお願い申し上げます。

(2011年6月)

代表取締役社長 釡和明

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