人権の尊重
人権啓発活動の推進
IHIでは、「人材こそが最大かつ唯一の財産である」という経営理念に基づき、人権問題への取り組みを推進しています。IHIの人権啓発活動の始まりは、1981(S56)年に全社同和推進委員会を発足させたときにさかのぼります。このとき、「企業の社会的責任の自覚のうえにたって、企業活動の重要な課題の一つとして、差別のない明るい社会づくりを目指し、同和問題の解決に積極的に取組む」という基本方針を策定しました。それ以来、全社委員会において決定された方針・計画に基づき、各事業所に「地区同和推進委員会」を設置し、人権研修リーダーの養成や各地区に合わせた人権教育・啓発などの具体的な活動を展開しています。
これらの活動は全社同和推進委員会で計画・報告されるとともに、経営幹部にも報告を行ない、全社をあげて推進することの重要性を常に確認しています。
また、人権をめぐる国内外の潮流・社会環境の変化を認識し、東京をはじめ各地の人権団体への加盟や行政などの主催する社外の研修への参加を通じて得られた人権情報を活用しています。また、更なる公正な採用選考への取り組み、セクシュアル・ハラスメントおよびパワー・ハラスメントの防止などをはじめ幅広いテーマにより人権意識の啓発に取り組んできています。
2010(H22)年度は全社教育として、グループ全体を対象とした階層別研修や事業所研修、外部講習会に3,168名が参加しました。また、各事業所独自の取り組みとして、人権週間にあわせて「人権啓発標語」の募集を行なうなど、地域に合わせた人権啓発活動を展開しています。
人権問題への対応は、IHIが今後グローバル化を進める上では欠くことのできない取り組みであると考えています。2010年に改訂した「IHIグループ基本行動指針」にも「人権の尊重」をより明確に表明し、グループ全体の取り組みとして今後も継続していくこととしています。
多様性の尊重
新卒採用制度の充実
IHIでは、多様な人材を採用することを目的として、国籍、性別、年齢を問わず採用活動を実施しています。今年から既卒3年以内も募集対象としました。
新卒採用ではグローバルに活躍できる多様な人材を採用するために、応募の機会を幅広く設けています。アメリカ、イギリス、韓国、ベトナムでも会社説明会を実施しました。採用ホームページには、グローバル採用の専用サイトを立ち上げました。過去の外国人採用実績は2007年3名、2008年3名、2009年15名、2010年7名、2011年8名です。配属された外国人従業員は各職場で優秀との高い評価を受けています。
また、若者の就業体験と地域密着型の社会貢献に向けて、2週間のインターンシップも実施しました。
2011年度 新卒採用実績
| 技術系 | 163名(うち女性14名) |
|---|---|
| 事務系 | 45名(うち女性17名) |
| 海外留学生 | 1名 |
| 外国人 | 8名 |
| 合計 | 217名 |
積極的なキャリア採用
IHIでは、積極的なキャリア採用に取り組んでいます。2010(H22)年度は25名が入社しました。また、キャリア採用者が会社の制度を知り、社内にネットワークを構築することを目的として、2010年7月に座談会を開催しました。参加者からも好評の声が届いており、今後は年に1回開催していく予定です。
また、派遣社員の正社員登用として、期間従業員制度を導入しています。これは、6ヵ月契約を通算3年を上限として更新し、正社員に登用していくという制度です。2010年度は、19名が正社員に登用されました。
障がい者の雇用促進
IHIでは、誰もが働きやすい職場環境づくりを行ない、障がい者の雇用を推進しています。2010(H22)年12月時点で、障がいを持つ従業員は194名在籍しており、障がい者雇用率は1.85%です。
定年後の再雇用
IHIでは定年後の再雇用制度を導入し、高齢者の雇用を拡充しています。2011(H23)年3月末時点で499名の再雇用者がおり、ベテラン社員の持つ豊富な経験、知識を生かし、技術の伝承、後継者の育成、指導に努めています。また、グループ会社でも積極的に高齢者の雇用を促進しており、グループ会社における再雇用者の人数は2010(H22)年10月時点で1,314名です。
労働力の内訳
IHI単体の従業員の内訳(2011年3月末時点)

働きやすい職場づくり
従業員の健康管理とメンタルヘルスケア
IHIグループでは、従業員1人ひとりが働きがい・生きがいを持って働ける環境をつくることが、個人の生産性の向上や職場の活性化につながるものと考え、健康管理やメンタルヘルスケアに注力しています。
2010(H22)年度の全社産業医・保健師によるメンタルヘルスプロジェクトの検討をふまえ、従来実施してきたメンタルヘルス不調者ケアを維持・拡充するとともに、ストレスよるメンタルヘルスの不調になることがないように従業員への啓発教育や、管理監督者への教育を新たに導入し、メンタルヘルス不調者予防対策にも積極的に取り組んでいきます。
また、従業員の健康確保が重要であることから、健康診断結果に基づく面談による指導で、メタボリック症候群対策や偏った生活習慣の改善、禁煙対策にも継続して取り組んでいきます。
従業員の意識調査
2004(H16)年から従業員の声を聞き組織文化を診断する取り組みの1つとして、従業員アンケートを実施しています。アンケート集計結果の部門別分析により、職場の実態や課題を把握し、部門方針に反映させ、さらに各職場でのミーティングの実施により職場内課題の共有化を図り、職場の活性化を進めています。
グローバル採用への取り組み ~人材でグローバル化を加速する!~

韓国での採用ポスター
IHIでは、さまざまな国籍の人がいて自由な議論を交わすことのできる職場を目指して、グローバルな採用活動を推進しています。
外国人留学生の採用は以前から行なっておりましたが、事業のグローバル化が加速する中で、日本の大手企業として初の試みとなる韓国での採用活動を2008(H19)年9月から始め、今年で5年目となります。
現地では会社概要説明と個別相談会を行なっており、日本の企業で働くことの不安を払拭してもらうために、現地出身の先輩社員が同行します。そして自分の仕事内容や日本での生活について話してもらっています。また、内定者に対しては、内定者の父母との懇談会を実施し、異国での生活に不安を抱く父母との懇親を図っています。
2010(H22)年は韓国に引き続きイギリスでも採用活動を実施しています。外国人留学生の採用も継続して積極的に行なっており、現在、IHIで働く外国人従業員は41名となります。今後、ますますグローバル化が進んでいく中で、IHIでは、より多様な人材を採用していきます。
安全衛生管理の徹底と労働災害の撲滅
IHIグループでは、安全衛生管理に注力し、労働災害の撲滅に取り組んでいます。過去の災害事例の分析結果にもとづき、災害発生のリスク低減対策を重点課題として設定し、各工場や工事現場での労働災害撲滅に努めています。定期的な活動としては、月1回、労使による安全衛生委員会を実施し、重点課題や各工場の管理状況を話し合っています。また、年1回役員と本部セクターのトップが集まり、安全衛生に関わる年度方針を決定し、全社で展開しています。
休業災害度数率

※ 日本標準産業分類の改正にともない、2007年度以前と2008年度以降の集計基準が異なります。
ワーク・ライフ・バランスの推進
IHIでは、従業員1人ひとりが働きやすい職場環境を実現する環境整備を推進しています。
仕事と家庭の両立支援
IHIでは、従業員が仕事と家庭をバランスよく両立させながら働くことを目的として、ワーク・ライフ・バランス実現を支援する制度を充実させています。2010(H22)年には労使で話し合い、子どもの看護休暇を子どもの人数にかかわらず年10日、介護休暇を被介護者の人数にかかわらず年10日付与する制度にするなど、育児や介護に関する休暇・休業制度を拡充しました。育児関連諸制度に関しては、2010年度に73名が育児休業を取得し、小学校卒業までの子どもがいる従業員を対象とした短時間勤務制度は104名が取得しました。また、小学校入学までの子どもを養育する従業員に、子1人につき通算20日を付与するチャイルドケア休暇制度を2008(H20)年に導入しました。2010年度には304名が利用しており、男性従業員の取得も増加しています。
介護関連諸制度に関しては、2010年度に2名が介護休業を取得し、介護のための短時間勤務制度は、1名が取得しました。
育児休業の取得状況
| 2007年 | 69名 |
|---|---|
| 2008年 | 64名 |
| 2009年 | 68名 |
| 2010年 | 73名 |
女性が活躍できる採用と登用
IHIでは、女性の採用を推進しています。2011(H23)年度新卒社員の女性採用者数は、技術系で15名(2010(H22)年度は7名)、事務系で16名(同15名)となっています。2007(H19)年に引き続き2011年度も、次世代育成支援対策推進法の"次世代認証マーク(愛称「くるみん」)"も取得しました。また、女性管理職を対象とした外部研修への派遣も継続的に実施しています。部長以上の役職にある女性は4名います。
労使のパートナーシップ
日常の諸問題を迅速に解決するための労働協議会、経営方針や決算について話し合うための経営協議会、工場部門の生産を維持向上するための生産協議会など、労働協約に沿って労使で諸協議会を開催し、働きやすい職場環境づくりのため、協力し合っています。
悠悠連休制度の設置
年次休暇取得促進の活動として、2009(H21)年度より「悠悠年休取得推進」という計画年休取得制度を導入しています。計画的な長期連休取得を目的としたこの制度は、約半数の従業員が取得に向けた計画を立てました。
時間外労働の削減に向けた取り組み
毎年、「労働時間管理方針」を定め、所定内労働時間の効率的な業務遂行や業務の平準化へ取り組むことで不要不急の時間外労働を抑制し、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指しています。また、労働時間を適正に把握するための取り組みとして、パソコンのログオン・オフ時刻と始終業の申告時刻がかい離している場合には、状況を調査し、適宜指導を行なっています。また、時間外労働削減に向けて、週1回の一斉定時退場日を設けています。
人材育成
人材育成
IHIでは、従業員が必要とする能力を身につけ、能力を発揮していきいきと働けるよう、さまざまな取り組みを行なっています。人材の採用から育成に至るまで従業員1人ひとりを尊重し、グローバル展開を含む多様な制度を整えています。
従業員を尊重した人材育成の仕組み
IHIでは、IHIグループ基本行動指針に「ともに働く人びとに対する責任」を掲げています。従業員が自らの希望をふまえながら、必要とする能力を身につけられるように、さまざまな教育・研修制度を充実させています。教育制度は、主として人事部が主催する、新入社員や新任管理職などを対象とした階層別教育や、各事業本部、セクター、部、課で実施する部門別教育があります。個々人の専門性育成を目的とした、技術や語学、パソコン教育など300種類を超える公開講座など、各種研修を整備しています。また、経営リーダー育成のための研修や外部機関派遣や国内外留学を含む特別研修も整えています。
能力開発や育成において、従業員1人ひとりのキャリア形成意欲に応えるため、社内公募制や社内FA制を実施しています。
人材育成体系

技能伝承の取り組み |
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IHIでは、ものづくり技術を支える拠点である各工場において、将来にわたりコアな技能を伝承していく必要性を明確にした上で、その技能分野において専門性の高い技能を有し、後進育成に取り組む役割を担う従業員を「匠」と認定し、計画的な技能伝承を推進する「匠制度」を2007( H19 )年よりスタートさせています。2011(H23)年度は48名が認定されました。 |
「匠」認定者数(2011年4月)
匠認定者に交付するバッジ |
従業員の活躍を紹介

『ひと。』
IHIグループでは、従業員の活力を最大限に引き出すことを目的とした活動に取り組んでいます。2010(H22)年度は前々年度・前年度に引き続き、社内向け冊子の『ひと。』(第6号 宇宙開発プロジェクト編)を発行しました。"チームで働く"ことにスポットをあて、プロジェクトに携わったチームの取り組みを紹介しました。










