2010年07月16日
CIMAC Congress 2010 Bergenで当社が発表した論文抄録を掲載しました。
去る6月14日から17日にかけて、CIMAC(国際燃焼機関会議)の会合がノルウェーのベルゲンで行われました。ベルゲンはノルウェー沿岸部に位置し、欧州各国との海上交通を通じて豊かな海運の伝統を育んできた都市です。
以下に当社が発表した論文の抄録を掲載します。
| アブレシブ摩耗危険度評価方法およびキットの開発 |
| カスタマーサポート部 新事業開発グループ 山田尚宏 |
舶用ディーゼルエンジンの燃料油(C重油)中にはFCC触媒粒子のような硬質異物が混入しており、これらはエンジンに様々な悪影響を与えます。
現在、燃料油中の硬質異物を検出する方法としてICP分析法を用い、FCC触媒粒子の主成分であるAlとSiの元素成分の濃度(mg/kg)を調べます。
たとえ、AlとSiの濃度が低くてもリングライナの摺動に悪影響を与えたケースもあり、我々は現方法では燃料の危険度を評価するには不十分であると考えます。
さらに、本方法は専門の検査会社に燃料油を送付しなければならず、タイムリーな評価を得るのが難しい状況です。
上記の問題点をクリアした新しい評価方法を提案しました。
②実験方法
本方法は燃料油中で鉄製のテストピースを回転摺動させ、発生した摩耗鉄粉を我々が開発した摩耗鉄粉計測装置(TF-Detector)で計測します。
③実験結果
| A. |
正常な燃料油で実験を行なった。
結果、摩耗鉄粉濃度は非常に低値であった。 |
| B. |
硬質異物によるアブレシブ摩耗が原因で全筒のシリンダーライナがスカッフィングした燃料油にて実験を行なった。
結果、摩耗鉄粉濃度が高い値を示した。 |
| C. |
AlとSiの濃度が低値であるにも関わらず、実機にてピストンリングに硬質異物による傷が確認された燃料にて実験を行なった。
結果、摩耗鉄粉濃度は正常値よりも高い値を示した。 さらに、この燃料油中の異物を調査したところ、FCC触媒粒子以外の硬質異物を確認した。 |
| D. |
異物の大きさによる影響を確認する為、清浄機を通る前で採取した燃料油にて実験を行なった。
結果、非常に高い摩耗鉄粉濃度を示した。 これにより、大きい異物が少量でも入り込むとアブレシブ摩耗の危険度が高まる事がわかった。 |
④結言
本実験結果による燃料油の危険度判定結果と実機のリングライナの状態には相関性があり、現方法よりも適正に燃料の危険度を評価できる。
さらに船内で検査が可能である為、早い段階で燃料の危険度を判定できます。
我々は本検査方法が船の安全運航に寄与できると確信しています。
CIMAC Congress 2010 Bergenのプレゼン資料は、以下を参照ください。
プレゼン資料 (PDF:543KB)
