ホーム » 芝生のプロフェッショナル » オーバーシードの本当の理由

芝生のプロフェッショナル

オーバーシードの本当の理由

オーバーシードとは、冬場に枯れてしまう夏芝の芝生に、冬季でも生長する冬芝の種子を蒔き、一年中緑の芝生を維持する管理方法のことです。
校庭緑化の方法 日常管理の方法「オーバーシード」

  • 校庭は、冬でも青々としていなければならないのですか?

そうですね、まずは考えてみてください。

夏芝は秋口から徐々に枯れ始めますが、一面枯れた芝生の光景もきれいなものですよ。子どもたちの心に季節感を養うためにも、一面白くなった冬の芝生もお勧めします。

でも、せっかく緑化した校庭です。いつでも緑のじゅうたんの上を子どもたちに走り回ってもらいたいと思う方が大半ではないでしょうか。

しかし、オーバーシードは通年で緑の芝生を保つ目的のためだけに行うのではありません。

オーバーシードを行う本当の理由

冬芝の種子を蒔くことにより、急速に形成する冬芝ランナー(茎)が、秋~冬に生長の止まる夏芝の根部をがっちりとガードしてくれます。

さらに秋~冬の間、緻密な芝生を形成することにより雑草の侵入を防いでもくれます。

だから夏芝は翌春の生長に備えることができるのです

夏芝を守る冬芝のイラスト

冬芝の種子をオーバーシードしても、養生期間を十分に設けないと冬芝が生えてこず、一見してグラウンドの使用頻度の高い場所が裸地化したように見え、オーバーシードが無意味に思われることがあるかもしれません。

冬芝は冬季に青々と生長することも大事ですが、むしろ土の中でランナーを伸ばし、夏芝の根をしっかりガードするという、十分な役割を果たしているのです。


←前のページへ
目土をかける理由

次のページへ→
根も呼吸しています