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芝生のプロフェッショナル

一番大切なのは芝刈り!

「たった一週間でしょ?」の軽い気持ちが命取りに...

一週間水やりを怠っても芝生を元通りにすることはそれほど難しくありません。しかし、一週間芝刈りを怠った場合には美しい芝生に回復するのは困難です。

芝刈りは芝生管理において芝草を芝生らしく維持するための最も重要な作業です。この作業を定期的に行うことによって雑草の侵入・生長を防ぐこともできます。

芝刈りを怠って草丈が5cm以上に伸びた芝生は、高い刈り高でしか管理できず、美しい滑らかな芝、子どもたちが走り、転がることのできる状態に回復することは難しく、軸刈りでもしてしまえば芝草が枯れてしまうことさえあります。

軸刈りのイメージイラスト
成長点を刈り取ってしまう「軸刈り」は絶対ダメ!

軸刈り

草丈が伸び、成長点の高くなった芝草を低い刈り高で刈り込むと、芝面に芝草の茎が暴露し、芝生が一面白っぽくなってしまいます。これは緑葉を伸ばす成長点を刈ってしまったためで、軸刈りをしてしまうと芝草を再生することも難しくなります。

校庭緑化の方法 日常管理の方法「芝刈り」

英国ケンブリッジ トリニティ・カレッジの芝生に関する逸話

冬も緑鮮やかな街の芝生は英国人の数多い自慢の一つです。芝生を美しく管理することは彼らにとって大きな楽しみなのです。

以下の芝生を美しく維持するには芝刈りがたいへん重要なことを示す古くから英国に伝わる逸話をご紹介します。

ケンブリッジ大学のトリニティー・カレッジの庭を見学していたアメリカ人の大富豪がいました。彼はその庭の中で芝刈り機を押しているイギリス人庭師と思われる男に10ドル紙幣を渡し、芝生の手入れの秘訣を尋ねると、庭師はこう答えました。

「水をかけなさい、そして芝刈りをしなさい。」

10ドルでは口を割らないと悟ったアメリカ人大富豪は、庭師にさらに一枚10ドル札を渡しました。すると庭師はさらにこう続けました。

「水をかけなさい、そして芝刈りをしなさい。」

大富豪はそんなことは分かっていると言って、さらに10ドル札をもう一枚庭師に渡すと、庭師はさらにこう続けました。

「水をかけなさい、そして芝刈りをしなさい。これを500年間繰り返したらこんなに美しい芝生ができるのです。」

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実は大富豪が庭師と思ったのは当時のトリニティー・カレッジ学長で、ノーベル物理学賞受賞者であるJ. J. トムソン卿でした。彼は後々にこの時のことを振り返ってこう言いました。
「あの30ドルこそが、私の人生で正当に稼いだ唯一の金である」と。