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芝生のプロフェッショナル

肥料の葉面散布

植物は根から栄養分を吸収する・・・・・・当たり前のことですよね!?

でも、植物が養分を吸収できるのは根からだけではありません。実は葉や茎からも少量ながら栄養分を吸収することができるのです。

ティフトン系の芝草(別名:バミューダグラス)は、踏圧に強く、葉立ちが良く、猛暑にも耐えることができるため、多くの学校の校庭で使われています。そんなティフトンも必ずしも万能ではありません。その唯一の弱点は肥料要求性が高く、肥料が足りなくなるとすぐにティフトン特有の美しい葉がグリーンから黄色っぽく変色してしまうことです。

そんなときに利用できるのがこの葉面散布の方法で窒素源の供給法としては芝生以外にも様々な場面で使われています。葉の勢いを回復するために尿素を水に1%程度の濃度になるように溶解した液を植物細胞の代謝の活発な午前中に撒きます。朝露や雨は散布効果が落ちるので注意してください。散布量は1m²あたり1L(1a(アール)あたり100L)が適当でしょう。

肥料の葉面散布のイメージイラスト
水に1%程度の濃度になるように溶解した尿素を散布して葉の勢いを回復!

これからの時期は多雨および多湿により菌が動き出すため、1年中で最も芝生が病気にかかりやすい時期です。葉面散布により活力を与えられた芝草は、病虫害に対する抵抗性をも向上することが期待できます。

最初に書きましたように葉面散布による吸収量は、根から吸収できる量よりもごく少なく、養分の種類によってはそれほど高い効果が得られないこともあります。従って、日常の施肥などの管理をしっかりと行った上でこれを補助するように、言わば栄養剤による栄養補給のような予備的な方法と考えて使って戴きたいと思います。

エクメア(アナナスの仲間)

グズマニア(アナナスの仲間)

希なケースですが、根から養分を与えるよりも葉面散布を行った方が、良好な管理を行うことができる植物もあります。
例:観葉植物のアナナスの仲間(写真左:エクメア 写真右:グズマニア)


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校庭芝生への薬剤散布の是非