IHI

株式会社IHI



プレスリリース

2012年度

送電端最大出力20kWの小型バイナリー発電装置を開発 ~設置が容易なパッケージタイプで、系統連系も可能~

-2012年9月19日-

 IHIは、発電した電力を商用電源に接続可能な系統連系機能を有する送電端最大出力20kWのパッケージタイプ小型バイナリー発電装置を開発してきましたが、このたび、70℃~90℃程度の温水から所定通りの発電が行えることを確認し、商品化への目途が立ちました。

 バイナリー発電装置は、100℃未満の工場排水や地熱などで沸点の低い媒体を蒸発させてタービン発電機を作動させるものです。これまで未利用であったエネルギーを活用し、低位熱からのエネルギー回収および有効利用による“省エネ”、または再生可能エネルギーから発電することによる“創エネ”への適用が期待されています。

 当社が開発した小型バイナリー発電装置『ヒートリカバリー“HRシリーズ”』は、従来のバイナリー発電装置にはない、20kWという小型タイプで、発電に必要な温水量が少ないため、これまで熱エネルギーの回収が難しいとされてきた、工場などで分散して排出されている100℃未満の温水を、集約せずに少量のまま発電に利用することを可能にした、画期的な装置です。
 まとまった温水が排出される工場では、本装置を複数台設置し、温水を各装置に分散させて発電することも可能で、メンテナンス時には一台ずつ停止して他の装置で発電することにより、発電装置の稼働ロスを最低限に抑えることができ、効率の良い運用を可能とします。
 また、商用電源に接続可能な系統連系機能を標準装備することで、発電した電力の品質を上げ、工場の一部で使用するだけでなく、電力の用途を広げるとともに、将来、制度が整備された場合においては、余剰電力の売電にも対応可能な仕様になっています。

 バイナリー発電には必須となる、本装置の心臓部であるタービン発電機には、当社の自動車用・舶用ターボチャージャや産業用コンプレッサ事業を通じて培ったターボ機械技術と、増速機等を使用せず直接動力を伝達するダイレクトドライブ技術を融合し、高効率化の実現による発電性能の向上を図っています。

 今後、当社では、送電端最大出力20kWのバイナリー発電装置として、様々な業種の工場などに向け、2013年度からの販売開始を目指すとともに、更なるラインナップの拡充を図り、お客様の様々な省エネ・発電のニーズに対応していきます。

<小型バイナリー発電装置の概略構成>
1. 発電方式:オーガニックランキンサイクル(*1)により100℃未満の温水からの発電が可能
2. 作動媒体:オゾン破壊係数ゼロで、地球温暖化係数が低く、安全性の高いフッ素系媒体(*2)を使用
3. タービン発電機:ラジアルタービンと高速発電機を直結したダイレクトドライブ構造
4. パッケージ:バイナリー発電のシステムをワンパッケージに収め、さらに商用電源への接続を可能にする系統連系機能を標準装備

<小型バイナリー発電装置の特長>
1. 小規模・小型:幅:約2m、奥行き:約1.4m、高さ:約1.6mとコンパクト(プロトタイプ機)
2. 容易な取付け:温水出入口と冷却水出入口配管、電源系統の接続だけで非常に簡単
3. 静粛・低振動:タービン発電機は直結構造であるため騒音も少なく、装置の振動もほとんど無い
4. 操作性、起動性:タッチパネルですべての操作と内部状態の確認が可能。温水と冷却水を流して起動するだけで、自動で発電開始

*1 オーガニックランキンサイクル:沸点の低い有機媒体を作動媒体として用い、蒸発/液化のサイクルを繰り返し、蒸発した作動媒体でタービン発電機を作動させるもので、低位熱からのエネルギー回収に有効な手法です。

*2 作動媒体については、電気事業法の小型バイナリー発電設備の更なる規制緩和が期待されていますが、現在の規制緩和対象であるか否かに関わらず、最も環境にやさしく、安全と考えられる媒体を採用していく予定です。

小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」プロトタイプ外観

小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」
プロトタイプ外観

タービン発電機外観

     タービン発電機外観




・IHI小型バイナリー発電装置“HRシリーズ”