IHI

株式会社IHI



プレスリリース

2014年度

世界最小・最軽量を実現した高層気象観測機器 GPSラジオゾンデ「iMS-100」を販売開始

-2014年8月18日-

 IHIの子会社である明星電気株式会社は,このたび,世界最小・最軽量を実現した高層気象観測機器GPSラジオゾンデ「iMS-100」の販売を開始します。
 本製品では,幅53mm,高さ131mm,奥行き55mm,重量38gという画期的な小型・軽量化を実現し,従来の世界最軽量機種である明星電気製「RS-11G」に対して1/2以下と大幅な軽量化が図られており,この結果,様々な新たな価値をお客様に提供可能となっています。

 GPSラジオゾンデは,上空30~35kmの大気の温度・湿度・気圧・風向・風速を計測し,その観測データをリアルタイムに地上に送信する機器で,ヘリウムや水素ガスを充填した気球によって飛揚されます。機器が直接上空の現場に行って計測するため,非常に高精度な計測が可能であり,天気予報や気候監視の基礎データとして重要な役割を果たしています。明星電気では1938年の創業以来,このラジオゾンデの製造販売に携わっており,現在では国内唯一の製造メーカとなっています。

 「iMS-100」は,世界トップレベルの精度・性能を実現した上で,大幅な小型・軽量化を達成したことにより,以下2点の大きなメリットがあります。

①対他社製品比で最大30%の運用コスト削減
 ラジオゾンデは,気球によって飛揚されるため,小型・軽量化により,飛揚に関連する器材の小型化,省資源化が同時に実現でき,運用コスト面において大きなメリットがあります。
②安全性向上
 ラジオゾンデは,上空での気圧低下に伴い,気球が膨張し最終的には破裂することにより観測使命を終え,その後,地上・海上に落下するため,地上に落下した場合の事故リスクが課題となっていました。「iMS-100」は,小型・軽量のため,落下事故リスクの大幅な低減を実現しました。

 明星電気では,2014年7月にロシアのサンクトペテルブルグで開催されたWMO主催の気象観測機器および観測法に関する学会ならびに展示会「TECO/METEOREX2014」に参加するなど,今後,ラジオゾンデの世界シェアの拡大を目指して営業活動を加速していきます。

 

【参考資料】
1.写真

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左から①「iMS-100」製品写真,②「TECO/METEOREX2014」でのプレゼンの様子,③「TECO/METEOREX2014」展示ブースの様子

2.開発の経緯と狙い
 GPSラジオゾンデによって得られる高精度なデータは,天気予報や気候監視など,様々な社会的ニーズに対して極めて重要な役割を担ってきました。世界気象機関(WMO)の指導の下,各国気象機関が協力しあい,世界850箇所の観測所で1日2回の観測が実施されてきましたが,予算的理由を含む様々な事情により,運用を停止する観測所もあり,現在アフリカや南米などを中心に200箇所ほどの休止観測所が存在しています。しかし,気候変動等の問題が顕在化する昨今において,この全地球規模の観測を維持することは今後の極めて重要な課題です。
 明星電気では,この課題を解決する為に,ラジオゾンデ本体を含むすべての運用コストの低減が重要と考え,その実現手段として「Smallest and Lightest」をコンセプトに掲げ,超小型GPSラジオゾンデ「iMS-100」の開発を推進してきました。
 また,この「Smallest and Lightest」というコンセプトは観測後の落下事故リスクを低減することにも効果的であり,従来製品のパラシュート付での落下衝撃と比較し,パラシュート無しでもその衝撃が1/10程度という極めて高い安全性を実現しました。

3.その他の主な特長
 ①温度センサの配置,取付け手法最適化により,高精度の温度計測を実現
 ②高応答特性を持つ新型湿度センサの採用により,高精度の湿度計測を実現
 ③小型・軽量化により,製品ライフサイクル(製造~使命終了)全体の環境負荷を低減