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事業等のリスク

事業等のリスク

 事業の状況,設備の状況,経理の状況に記載した事項のうち,当社グループの経営成績,株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお,文中における将来に関する事項は,当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。当社グループは,以下のリスクを認識した上で,必要なリスク管理体制を整え,リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に最大限努めています。
 

(1)競争環境と事業戦略

 今後の日本経済については,全体として回復傾向が継続するとみられるものの,急激な為替変動もあり依然として不透明な状況が続くと予想しています。また,世界経済については,全体として緩やかに回復していくと予想されるものの,米国における新大統領の政策動向や金融政策正常化の影響,中国を始めアジア新興国等の経済の先行きや政策に関する不確実性による影響,世界的な地政学的リスクの動向など,世界経済を下押しするリスクが懸念されます。
 当社グループは,事業の集中と選択,経営資源の集中投入を進めるとともに,グローバルな事業運営を加速しています。しかし,国内市場における厳しい競争環境の継続や世界経済の成長鈍化,さらには業界再編に伴う競争環境の急激な変化などのリスクが顕在化し,競合企業との間で当社グループの製品・サービスが性能・品質・価格面で十分な競争優位性を得られなくなり,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)他社との連携・M&A,事業統合

 当社グループは営業協力,技術協力,生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また,成長市場への事業展開の加速,要素技術の補完,シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし,経済環境の変化,法的規制,予期せぬ費用増加等の影響により,当初期待された効果を出せない可能性があります。また,当初期待した効果を享受できないと判断された場合は,他社との連携による事業統合の中断,解消を決断する可能性があり,その結果として業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 当社は,株式会社UMNファーマ(以下,「UMNファーマ」という。)と平成22年1月に締結したインフルエンザワクチン原薬の製造事業に関する基本協定に基づき,バイオ医薬品原薬製造会社である株式会社UNIGEN(UMNファーマ連結子会社,以下,「UNIGEN」という。)を設立し,アステラス製薬株式会社(以下,「アステラス製薬」という。)とUMNファーマが共同で開発を進める昆虫細胞培養による季節性インフルエンザワクチンの原薬製造に向け,準備を進めてまいりました。
 しかしながら,アステラス製薬及びUMNファーマから同ワクチンの製造販売承認申請を取り下げるとの発表を受け,UMNファーマと今後のインフルエンザワクチン原薬製造事業のあり方について検討を重ねた結果,当社及びUMNファーマは,UNIGENのスポンサーとなることを希望するアピ株式会社に対して,両社が保有するUNIGENの全株式を,平成29年1月31日付で譲渡しました。

(3)カントリーリスク

 当社グループの調達・生産・輸出・販売・建設等の諸活動は,米州やヨーロッパ,アジア・オセアニア地域等グローバルに展開されていますが,それぞれの地域・国において政治・経済の混乱並びにそれに起因する為替取引の凍結・債務不履行・投資資産の接収,想定していなかったテロ・労働争議の発生等のカントリーリスクが存在します。また,政情不安やデフォルト等により事業の継続や拠点経営が困難になる可能性があります。貿易保険の付保徹底やカントリーリスクに関する情報の収集とグループ内の啓蒙に努めてはいますが,リスクが顕在化した場合は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)資材調達

 当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で,複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日常から情報収集して安定調達に努めるとともに,調達先の品質・納期等の管理を徹底し,特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進め,リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら,原油・鋼材価格等の急激な変化,あるいは国際情勢の急激な変化による供給不足等の問題が生じた場合,コストアップ,品質管理上の問題,納期遅延等の問題が生じる可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。

(5)保証債務等

 当社グループは,事業活動を営む上で必要かつ合法的と確認したものについて,債務の保証等を行なっていますが,経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財務状態が悪化した場合,保証の履行を債権者より求められる可能性があります。保証債務等に係る情報は第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」の「注記事項」(連結貸借対照表関係)に記載しています。

(6)受注契約

 当社グループは,個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く,請負金の大きい工事については受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし,契約締結後に当初想定できなかった経済環境の変化や検討不足,予期しないトラブル,JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生,お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い,追加費用の発生等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また,お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは,受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの,必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があります。

(7)技術契約

 当社グループは,国内外において多岐にわたる機種・技術分野を取り扱うため,他社との間に技術供与・受領に関する契約を締結する場合があります。締結前には,当社グループに不利若しくは履行不能な条件が無いか,必要条件の欠落が無いか等,十分な社内審査を行なっています。しかし,事前の検討不足や契約条件の理解不足等により過大な保証・補填・ペナルティーが発生する,あるいは事業上の制約を受ける等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。

(8)生産・製造

 当社グループは第3「設備の状況」の2「主要な設備の状況」にあるとおり,各地に生産拠点を有しますが,生産施設に影響を及ぼす自然災害,停電,あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難,電力制限が,事業継続計画(BCP)の想定範囲を超える可能性があります。また,生産量が当社グループの想定以上に急激に変動した場合,生産能力調整が十分にできない可能性もあります。これらの結果,業績の悪化を招くおそれがあります。
 当社は,F-LNG・海洋構造物事業について,平成26年度以降の大幅な採算悪化を踏まえ,アルミSPBタンクを軸とした事業構造への変革の検討及びオフショア市場の見通しを踏まえた抜本的な対策の必要性の検討を重ねてまいりました。
 足元のオフショア市場は,原油価格の下落などにより,低迷が継続しており,需要回復の見通しが立たない状況にあります。このような環境のもと,主力工場である愛知工場においては,平成30年度以降の操業の目途が立たず,当社グループにおける他事業での活用も含め,継続的かつ安定的な工事投入による採算性の確保が困難との結論に至りました。したがいまして,愛知工場については,受注済案件の完工後,生産拠点としての機能を終了することとしました。
 今後の方針としましては,
 ① 現在建造中のSPBカーゴタンク及びFPSO(浮体式原油生産・貯蔵・積出設備)船体建造工事は,当社グループの総力を挙げて完工する。
 ② 納入後のアフターサービスについては,早期に専門組織を設置し,経験と高度な専門性を有する人材を配置することにより,責任をもって対応するとともに,これまで培った製造技術・技能もノウハウとして保持・活用していく。
 ③ 愛知工場の従業員は,グループ内での最適配置により雇用を維持するとともに,愛知地区の新しい活用については今後検討を進める。
 なお,今後の当社グループにおける海洋開発分野への取り組みについては,社会的要請も踏まえて,検討を継続していきます。

(9)品質保証

 当社グループは,製品の品質確保に努めるとともに,お客さまに安全に使っていただくため,製品安全・機械安全を確保するための設計時のリスクアセスメントの徹底及びお客さまへの注意喚起と情報提供に努めています。また,当社グループの製品は,品質や安全に関するさまざまな法的規制による制約を受けているため,これらの規制の遵守に努めるとともに,製造物責任賠償保険(P/L保険)に加入する等の対策を講じています。しかし,大規模な事故やクレームの発生及び製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は,多額のコストに加えて当社グループの社会的評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ,これによって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(10)知的財産

 当社グループは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・先使用権の取得)に努めています。しかし,機種や技術分野は多岐にわたるため,第三者による当社グループ製品・技術の模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。
また,当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が,意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や,従業員の発明に対して適切な対応を行なわない場合に損害賠償等を求められ,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(11)研究開発

 当社グループの研究開発活動に係る情報は第2「事業の状況」の6「研究開発活動」に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上,多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため,実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(12)法令・規制

 当社グループは,グローバルに事業の展開を進める上で,日本のみならず各国・各地域の各種法令,行政による許認可や規制の制約を受けており,その遵守に努めています。しかし,法律・規制に対する理解が不十分,又は予期せぬ変更への対応が適切でない場合等に各種法令等に違反したと判定され,過料や課徴金による損失や営業停止等の行政処分によって機会逸失を被る,あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 係争中の訴訟案件のうち,当社グループの経営に重大な悪影響を及ぼす可能性のある訴訟は存在しないものと認識しています。しかしながら,現時点で認識していない想定外の訴訟が発生した場合,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)情報システム

 当社グループは,技術情報及び事務管理情報のデータ処理のために多額の投資を行なっています。これらシステムの運用並びに導入・更新に際しては,システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じていますが,外部からのコンピュータウィルスの感染やハッキングの被害,ホストコンピュータ・サーバ・ネットワーク機器の障害や紛失・盗難,ソフトウエアの不備等によるシステム障害の発生と業務停止,情報の外部漏洩等の事態が発生する可能性があり,それに伴い当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14)安全衛生

 当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理には万全の対策を講じていますが,万一不測の事故・災害等が発生した場合には,生産活動に支障をきたし,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは,各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが,大規模な事故や災害が生じた場合,損害の全てを保険求償できない可能性があります。

(15)環境保全

 当社グループには,製造工程で,大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い,万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら,想定外の事態が発生した場合には,社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16)災害・システム不全

 当社グループは,伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック),地震・洪水等の大規模災害,テロ等の犯罪行為,情報システムの機能不全等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても,その影響を最小限に抑えるべく,事業継続計画(BCP)の整備,非常時を想定した訓練等を実施しています。しかし,想定規模を超える災害やシステム不全が発生した際には事業を適切に遂行できず,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(17)為替動向

 外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし,下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等,業績に及ぼす影響が大きくなります。そのため,外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して,一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが,想定以上の為替変動が発生した場合には,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(18)金利動向

 金利が上昇した場合,当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また,財務活動において借入金,又は社債の発行条件が悪化する可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(19)資金調達・格付

 当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており,自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合,同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じるおそれがあり,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また,格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合,当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない,あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(20)税務

 繰延税金資産の計算は,将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが,将来の課税所得の予測・仮定が変更され,繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合,当社グループの繰延税金資産は減額され,その結果,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(21)与信管理

 当社グループは,世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており,その多くが掛売り又は手形取引となっています。当社はこれに対し,グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの,重要なお客さまが破綻し,その債権が回収できない場合には,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(22)人材育成

 当社グループの将来の成長,技能の伝承は有能な従業員による部分が大きく,高い技術力と技量を有する従業員の確保及び技能の伝承は,当社グループの経営課題のひとつです。このようなキーパーソンとなりうる人員を確保あるいは育成できなかった場合には,当社グループの将来の成長,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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