化学系 香取 孝太郎

入社3年。世界最大のLPGプラントの構想を任される。

1980年代初頭より、世界有数の天然ガス輸出国であるアルジェリアでのLPG(液化石油ガス)精製プラント建設をIHIは手がけてきました。2007年には年間300万トンのLPGを生産・貯蔵する設備の第3期増設工事も約1200億円で受注し、これにより年産900万トンという世界最大のLPGプラントが誕生することになります。
LPG精製プラントはサハラ砂漠から送られてくる原料LPGをプロパンとブタンに分離し、マイナス40℃ほどに冷却、液化させタンクに貯蔵するプロセスです。こうしたプロセスフローを構築し、コンプレッサー・ポンプ・塔槽・熱交換器ほか各種機器の構成や運転条件を決定。さらには配管・電気計装の基本条件も決定するなど、プラントの基本仕様を決めることが私の任務となりました。ポンプだけで80台、空冷式熱交換器が200台、構成する機器も膨大な数にのぼります。入社して3年のエンジニアにとって、かなり荷の重い作業でした。しかし、私が設計をミスすれば、場合によっては数億円単位の損失にもつながりかねません。化学工学専攻の私にとって、プロセス計算といった基本設計までは得意分野でしたが、機器設計における強度計算、材料力学などは、必死になって1から勉強したものです。

アルジェリアでの据付・試運転業務も経験。

アルジェリアに渡る前に、半年ほど韓国にいました。韓国のベンダーに発注していた熱交換器と圧力容器計100台、物量2000トンの製作が遅れていたのでベンダーの工場に常駐し工程管理を行いました。無事納期通りに出荷するというミッションから帰ってきた2008年の年末のことです。上司から「次はアルジェリアの建設現場へ行ってくれないか」と願ってもないチャンスを頂きました。かつて自分が設計したものも含め様々な機器の据付を担うことになったのです。
しかし、全てが未体験ゾーンの建設現場の作業はトラブルの連続。たとえば、製品ガス冷却用のコンプレッサーに付属する空冷式熱交換器の内部が、予想外に腐食していたことが判明したのです。しかし、機器を作り直したら丸1年はかかってしまう。工期が2ヶ月しかない中、24時間体制で内部洗浄する方法を選択しました。あの時、プラントエンジニアリングとは現場も知って初めて一人前であることを実感したのです。同時に、中国人・フィリピン人・アルジェリア人など数千人ものワーカー達と協力しながら困難を乗り越えるためには、指揮官である私が信念をもって自ら解決策を切り拓く姿勢が大切であることも学びました。それだけに、不具合を何とか解決させ、試運転でコンプレッサーが「ドーン」と大きな音をたてて無事に動いた瞬間は喜びもひとしおでした。基本設計から 引渡しまで、一連の工程を若いうちに経験できたのは、これからのキャリアにとってとても貴重な財産になると思います。

Career Step

2004年 環境プラント事業部・プロセスグループで、化学プラントの基本設計業務、試験設備の基本設計および試運転業務などを担当。
2007年 アルジェリアにおけるLPG精製プラントの基本設計実施後、IHIプラントエンジニアリング機器部に出向。同プロジェクトにて、機器設計~現地での機器据付フィールドエンジニアリング業務を担当。
2010年 現部署に出向復帰。アルジェリア建設現場にて、試運転業務を担当。

My Pleasure

今回のプロジェクトでは、基本設計、機器設計、機器の製造管理、機器の据付指導、試運転とプロジェクトの最初から最後まで経験しました。今後はコアとなるプロセス設計の技術を高めるとともに、機械、スタッフマネジメント、顧客折衝も熟知した、プロジェクトマネージャーとして成長していきたいと考えています。先輩社員の中にも、30代でプロジェクトマネージャーを任されている人も少なくありません。やる気があれば、いま持っている能力のさらに上のフィールドを与えてくれる。これがIHIの良さなのではないでしょうか。

「職」選びアドバイス

就職活動を始めるに際しては「自分が仕事に何を求めているのか。何に喜びや価値を感じているのか」をしっかり確認しておいたほうがいいと思います。そして希望する業種・職種がハッキリしたら、その企業で働く若手社員やベテラン社員と話をして、自分が思い描く5年後・20年後のキャリアイメージと比較してみてはいかがでしょう。そうすれば、入社後のイメージギャップは少ないはずです。

関連事業 エネルギー・プラント
関連事業所 豊洲本社ビル
関連社員[部門] 高橋 啓馬場 健行久布白 圭司
  菅原 航中村 竜太新藤 達也
  小林 光彦
関連社員[専攻] 佐々木 雄基山上 泰弘初谷 智美
関連社員[同期] 青山 茂一