金属・材料系 久布白 圭司

材料研究・開発で、IHIのものづくりを進化させる挑戦。

IHI唯一の研究所として、金属材料全般の材料・特性の評価、新素材の開発、不具合の起きた材料の原因究明を担うのが、材料研究部 材料評価グループの役割です。ナノレベルの現象を探求・解明することで、IHIのものづくりをトータルに支える専門研究機関といったところでしょうか。この部署において、私が手がけている次世代・石炭火力発電ボイラの開発における、新材料の溶接性・加工性に関する技術開発・評価もまさにその好例といえるでしょう。国内の大手重電メーカーが全て参画している国家プロジェクトで、IHIはボイラや配管の開発・製造を託されました。日本の石炭発電ボイラの最高蒸気温度600度を700度まで上昇させることで、46%近い発電効率を達成し、約20%のCO2の排出量削減を目指すという環境にやさしい発電を可能にします。そのため、これまで使われていた鉄鋼ではなく、高温強度に優れるNi基合金を採用する、という技術課題に挑戦しなければなりません。材料のコストが高くなる分、経済性を考慮した設計と接合自体が難しい材料のため、溶接方法自体も考案する必要があります。

特に、Ni基合金の溶接については、どれ程の熱を加えるとどの程度の残留応力が発生するか、これまで誰も解き明かした人はいないのです。確立された知見・理論がまだ発見されていないため、電子顕微鏡やX線の検査を繰り返しています。ことごとくわからないことだらけで、トライ&エラーの連続。だから頭をフル回転させますし、そこがまた面白いのです。こういった 知見を活用し、久布白評価法というような新しい評価方法も確立させていきたいですね。さらに、こういう重要な役目を若手にどんどん任せるのもIHIならでは、ではないでしょうか。このような開発は、大学で学んだ材料の知識だけでは太刀打ちできません。設計、生産の技術者と一体になって取り組んでいます。大学とは異なり、材料だけの研究で何かを成し遂げるということは、IHIのような会社ではほとんどなく、幅広い知識が必要となります。
また、私はIHI製品の不具合原因を材料面から定量的・学術的・多角的に調査・分析・評価する、というミッションを担っています。「不具合調査」と言葉にすると、ひょっとすると単調な作業と勘違いされるかもしれませんが、対応するのはIHIグループで製造されるあらゆる製品の、あらゆる金属。しかも、対峙するのは従来の知見では解明できない現象ばかりです。そのため、原因究明と対策技術の開発に1年以上を要することも少なくありません。まさしく「未知の現象とのあくなき闘い」を日夜、繰り広げています。
とにかく未解明のことばかり。だから面白い。

Career Step

2003年 現部署で、次世代・火力発電ボイラ向け新材料の溶接性・加工性などの開発・評価を担当。IHI内で使用される製品を材料面から調査・分析する業務。

My Pleasure

入社6年目にして、社会人コースで工学博士の学位を取得しました。名刺にも工学博士と入れることができ、さらに海外に行った時も研究職として認められます。研究所に在籍しているので、是非欲しいと思っていました。社員の「こんなことがしたい」という声に、まっすぐ応えてくれる。支援してくれる。それが IHIの風土です。

「職」選びアドバイス

「ここに入社したい」と決めたら、その判断を信じて、全力で就職活動に取り組むことが大切だと思います。「どうしてもこの会社に入りたい」という情熱は、必ず伝わるはずですから。また、とびきり優秀な人以外は、みんなそれほど大きな差はありません。したがって、あまり背伸びせず、臆することなく、面接の場ではありのままの自分を表現したほうが良いのではないでしょうか。

関連事業 エネルギー・プラント
関連事業所 横浜事業所
関連社員[部門] 高橋 啓馬場 健行香取 孝太郎
  菅原 航中村 竜太新藤 達也
  小林 光彦
関連社員[専攻] 大寺 一生遠藤 剛坂元 理絵
関連社員[同期] 南 大基大熊 まなみ秋山 雄一郎
  馬場 健行新藤 達也小林 光彦
  高濱 真理子