機械・航空系 大寺 一生

航空エンジンの性能UPを実現させる、新生産技術を開発

航空宇宙事業本部の生産技術を統括的に取りまとめる部署にあって、私が主に担当しているのは「新生産技術の開発および導入の推進、加工条件およびプロセスデータの標準化」「社内外特殊工程の審査・認定・管理」といった業務です。前者におけるメインテーマは、PVDによる遮熱コーティングの航空部品への適用開発。PVDとは真空中で金属またはセラミックスを蒸発させ、対象物に付着・堆積させる技術であり、すでに様々な分野で実用化がされているものなのですが、それを航空部品へも適用するべく各種試験の実施・評価をしています(下の1番左の写真参照:HPT NZL (高圧タービン静翼)の翼面(矢印部分)の白く見える部分全部がPVDという技術を使って施工された遮熱コーティングです。遮熱コーティング自体はHPT NZLに施工されていますが、現在は溶射という技術を使っています)。
また、後者については重要部品の機械加工(孔あけ・旋削など)を行っています。航空エンジンの世界では、お客様や航空局の許可なく勝手にモノをつくることは許されません。その中でも重要部品の機械加工は「特殊工程」として厳しく管理しています。
感動した仕事で思い出すのが、最初に所属した材料技術部で携わったMSCoating(下2番目の写真参照:LPT Blade (低圧タービンの動翼) のZノッチと呼ばれる、お互いに組み付く部分に耐摩耗用のMSCoatingが施工されています。(矢印部分))というIHIと三菱電機の共同開発したコーディング技術です。

航空部品への新規技術の適用というのはハードルが高く、良い性能だけではなく、性能に対する信頼性も求められます。何度も何度も評価試験を繰り返し、良い結果が得られ喜んだと思ったら、次は悪い結果となり落胆する、という経験を何度も味わい、この部分にMSCoatingを適用するのに、GE(General Electric)のreviewを受けてから、FAA(連邦航空局)の承認まで5年かかりました。しかし、高性能と高信頼性の両方を得られ、最終的に航空部品への適用が決まった時は非常に感動したことを覚えています。

ものづくりをするうえで何より大切なのはチームワーク。

日々の仕事に取り組むにあたって、私は4つのことをいつも大切にしています。それは「他人への依頼はできるだけわかりやすく、丁寧にする」「頼んだ仕事をやってもらった時は心から感謝する」「頼まれた仕事は可能な限り引き受ける。頼まれなくても、知っていることなら協力する」「他人の気分を害した時はすぐに謝り、二度とやらないようにする」こと。ものづくりとは、一人だけで完結できるものでは決してありません。とりわけ、IHIのように精密かつ誤作動が許 されないような機械を開発・製造するメーカーでは、チームワークが非常に重要なのです。多くの技術者が協力しあい、ありったけの技術・知識・経験を注ぎ込む。これこそ良いものづくりだと思います。

Career Step

2002年 航空宇宙事業本部 材料技術部で各種試験を用いた材料評価を担当。
2008年 人事部 採用グループで技術系学生・海外留学生・韓国人学生採用を担当。
2009年 現部署でPVD技術の開発や機械加工に関する審査・認定・管理を担当。

My Pleasure

やりたいと手をあげればチャンスを与えてくれるし、失敗してもすぐには否定せずに温かく見守ってくれる。また、上下関係があまり厳しくなく、若手の意見もいちエンジニアの声としてまっすぐに耳を傾けてくれる。これがIHIのカルチャーなのではないでしょうか。そして、仕事を続けるうちに、楽しさだけでなく苦労も共にした仲間が増えてきました。こうした、かけがえのない仲間に恵まれるのも、IHIの良いところです。

「職」選びアドバイス

会社を選ぶ際は、なぜその会社なのか、その会社で自分は何をしたいのか、いままで自分がやってきたこととどうつながるのか、といった自己分析をしっかり深く行ってください。就職対策本などでもよくいわれていることですが、実際に有効ですし、特に面接においては自己分析が重要になってきます。ただし、通りいっぺんの自己分析では表面的で、結局みんなと同じことを言っているだけになりがちなので、くれぐれもご注意を。

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