化学系 坂元 理絵

研究成果がIHIの業績に直結する、という自負。

部署名が示す通り、溶接技術部はIHIが製品を製造する際に用いる溶接・接合技術を総合的に研究開発するセクション。ジェットエンジンに車両用過給機・LNGタンク・橋梁ほか、まさしくIHIの「全製品」が対象となります。例えば、先日トルコでの国際溶接学会で私が発表したLNGタンクの立向きサブマージドアーク溶接技術も、我々が開発したものの一つ。直径約80m、高さも数10mに達するLNGタンクの壁面を垂直方向に自動溶接する技術です。従来の立向き溶接は、大勢の溶接士の人海戦術で行なっていたため、時間・コストがかかり品質も安定しないという問題を抱えていました。その経営的な問題を解決する手段がサブマージドアーク溶接による自動化でした。サブマージドアーク溶接は、効率は良いものの、金属の酸化を防ぐ粒状フラックスを使用するため、水平な面しか溶接できない技術でした。しかし、新しいアイデアで技術開発に着手。立向き状態で、フラックスがこぼれないように保持する構造を確立し、さらに溶接装置及び溶接材料の独自開発も進め、垂直方向のサブマージドアーク溶接自動化に成功したのです。

開発にあたり、溶接士の方の意見を聞いたり、タンク建設現場に足を運ぶことで、研究開発が「ものづくり」の進化に直結するという緊張感を感じました。それと同時に、自分の研究が社会基盤の整備に役立っていることも再認識できました。

革新的なものづくりを実現させる研究職。

現在、私は主に固相接合技術を担当しています。固相接合は、摩擦による発熱を利用した「摩擦接合」など、母材を溶かさずに接合する技術です。従来からある溶接とは違い、熱による母材の変形が小さく、接合強度の低下が生じにくく、かつ、投入するエネルギーも低減できるため、いずれはIHIのあらゆる「ものづくり」を根底から変えるポテンシャルを秘めた次世代接合技術です。適用製品を広げていくために、接合現象を明らかにすることからそれぞれの製品に合わせた 接合条件の確立やプロセス全体の開発など、広い視野で研究をしなければなりません。地道にではありますが、将来に向けて極めて重要な使命を担っている…そんな責任感を意識しながら、日々の研究に取り組んでいます。

Career Step

2002年 現部署で、GXロケットアルミタンクライナ・ターボチャージャー・LNGタンクなどの生産に適用される溶接・接合技術の研究開発を担当。

My Pleasure

固相接合技術を研究開発する一方で、接合装置自体の開発にも携わっています。新しい装置の立ち上げには何かと苦労が伴いますが、プロジェクトを通じて電気や機械、あるいはロボットなどの専門外の技術と触れ合えることも、研究者にとってはとても刺激的で楽しいことです。色々な分野のエキスパートと連携しつつ、お互いに切磋琢磨できる。そんな時、IHIの総合力を感じます。

「職」選びアドバイス

私の部署では、学生時代に溶接を学んだという人の方が少ないです。しかし、その人たちも溶接を勉強し、新しい知識・経験を積んで活躍しています。製品分野が幅広いため、加工工程において電気や機械の知識を必要とすることもあり、学生時代に身につけた学問も活きているケースが多いですね。今までの経験を活かしつつ、入社後に新たな分野を勉強するというのも、就職する時の選択肢としていいのではないでしょうか。

関連事業 研究開発
関連事業所 横浜事業所
関連社員[部門] 青山 茂一林 俊寛初谷 智美
関連社員[専攻] 大寺 一生久布白 圭司遠藤 剛
関連社員[同期] 大寺 一生山上 泰弘