日本初のデュアルフューエル機関を搭載した内航貨物船が竣工

 2020年12月10日,株式会社IHI原動機(所在地:東京都千代田区,社長:矢矧 浩二)の舶用中速デュアルフューエルエンジン8MG28AHX-DF(2,161kW・750min⁻¹)を搭載した総トン数6,455トン内航貨物船(1機1軸船)の命名・竣工式を,檜垣造船株式会社(所在地:愛媛県今治市,社長:檜垣 宏彰)で挙行され「いせ みらい」と命名されました。
 12月下旬に船主へ引き渡しされ,就航される予定です。

 本船は,共有船主であられる株式会社商船三井内航(所在地:東京都港区,社長:中島 正歳)株式会社テクノ中部(所在地:愛知県名古屋市,社長:深澤 元喜),協同海運株式会社(所在地:三重県四日市市,社長:西村 譲治)の3社で建造され,株式会社JERA向けの貨物を輸送します。

 本船に採用された主機関は,当社のニイガタブランドにおけるLNGを主燃料とするデュアルフューエルエンジンで,内航貨物船への採用は日本初となります。
 同機は,2015年8月に竣工した日本初のLNG燃料タグボートへ採用され,海外でも多くの稼働実績を持つ,実船での技術を培った信頼性の高いデュアルフューエルエンジンのシリーズ機です。

 当社は,1919年にディーゼルエンジンを自社開発,販売開始以来,高効率エンジンの開発と共に環境負荷低減を可能とするため,LNG燃料の高い環境適合性(※1)に着目し舶用向けにデュアルフューエルエンジンを開発してきました。

 ニイガタ舶用中速デュアルフューエルエンジンの特徴は,LNGとA重油の二種類の燃料の使用を可能としたこと,また,負荷変動の激しい船舶においてもガス運転モードで100%負荷運転を可能としたことです。デュアルフューエルとすることで,万が一燃料ガス系統に異常が発生した場合でもガス運転モードからディーゼル運転モードへ瞬時の切り替えを全負荷領域で可能とし,高い冗長性を確保しております。

 当社では,100年に渡り培ったレシプロエンジン開発ノウハウを活かし,確かな技術と高い品質で,今後も環境負荷低減に貢献する製品をお客様へお届けしてまいります。

※1:LNG燃料は一般的な舶用燃料油に比べ,CO2(二酸化炭素)排出量を約24%削減,NOx(窒素酸化物)を約43%削減,SOx(硫黄酸化物)を100%削減することが可能な環境に優しい燃料です。

28AHX-DF機関
28AHX-DF機関

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