出力5,000kWの大型ガスエンジン商用機が完成

  当社は、マイクロパイロット着火型ガスエンジンAGシリーズの最上位機種となる出力5,000kW級の高効率大型ガスエンジン「18V28AG」の商用機を完成させ、性能試験を開始しました。

 AG(アドバンスト・ガスエンジン)シリーズは、新潟原動機独自技術のマイクロパイロット着火方式※1により、従来の点火プラグ着火方式※2に比べて5,000倍以上の着火力で発電効率を10%以上高めたガスエンジンです。

 当社は、2002年に28AGシリーズの6シリンダーの試験機(出力1,700kW級)を開発し、新潟内燃機工場(新潟県新潟市)で性能確認・耐久試験を行ってきましたが、更に18シリンダーの実証試験によるデータを取得することを目的に、2003年11月末に同工場において商用機を完成させたものです。

 1ヶ月余の確認運転で既に6シリンダーを上回る熱効率が確認されています。引き続き本年6月まで実証試験を継続し、その後市場へ本格投入の予定です。

 「18V28AG」は、出力1,000~3,000kW級の22AGシリーズの実績を基に5,000kW市場への参入を図ったものです。発電効率は44%の高効率発電が可能であり、実証試験を通して更なる効率向上を目指していきます。また、自社開発の「G-MACS」(ガスエンジン制御監視装置)、「NECOMOS」(ノッキング検出装置)および、電子燃料噴射機構※3の装備により高い熱効率に基づく経済性とNOx低減技術を実現しています。

 開発にあたっては石川島播磨重工業株式会社(IHI)の解析技術を導入し、共同で性能改善、低NOx化などを実現しています。

 当社の主力ガスエンジンである22AGシリーズの受注実績は、2001年7月の初受注以来2003年末までに28台に達していますが、2002年の1年間だけで22台(42,000kW)受注しており、1,000~3,000kW級ガスエンジン市場の急速な拡大を象徴しています。ユーザーは、NEDOや地方自治体の補助金助成を背景にクリーンなガスエンジン採用を進めており、2004年にはこの流れが一層強まるものと予想されています。

 当社では、今後5,000kW級ガスエンジン市場においても、高効率の18シリンダーガスエンジンを投入し、初年度10台を目標に一層受注活動を加速させていきます。

<主要目>
機関型式 ニイガタ18V28AG
出力 5,000/5,200kW
回転数 720/750 min-1
重量 57,000kg
発電効率 44%(NOx排出量600ppm、O2=0%換算)   (燃料性状による)

※1 マイクロパイロット着火方式とはガスエンジンの着火方式の中で最も着火エネルギーが強く(従来の点火プラグ方式と比較して5,000~10,000倍)、より確実で素早い燃焼を実現する着火方式。定格出力の熱当量比約1%に相当する重油もしくは軽油を、燃焼室または予燃焼室に噴射する。
※2 点火プラグ着火方式とは燃料ガスの着火源として、点火プラグを用いた方式
※3 電子燃料噴射機構とは各シリンダに装備された電磁弁により、燃料供給量や供給時期を電気的にコントロールするシステム


18V28AG試験機正面

18V28AG試験機俯瞰

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