IMOのNOx2次規制対応、舶用中速ディーゼルエンジンの
鑑定書を国内初となる3サイクル同時取得

 IHIの関係会社である新潟原動機(以下NPS、社長:馬場五郎、本社:東京都中央区)は、2011年から適用される、国際海事機関(IMO)のNOx2次規制対応エンジンの鑑定書を日本海事協会(NK)から取得しました。今回、舶用中速ディーゼルエンジンの「6L(MG)28HX」(*1)にて、現行のNOx規制に対して15~22%のNOx削減が義務付けられているNOx2次規制をクリアし、国内では初となる3種類のテストサイクル(*2)で同時に鑑定書を取得しました。なお、2011年以降、船舶の航行には本鑑定書の取得が必須となります。

 NPSは、2008年にIMOのNOx2次規制に対応した中速舶用ディーゼルエンジン「28AHX」を開発しました。今回、既存の「6L(MG)28HX」に、「28AHX」で採用した燃料噴射システムの最適化や過給機システムの最適化などのNOx排出低減技術を適用し、日本海事協会からの鑑定書を取得しました。

 NPSは、1970年代からディーゼル機関のNOx排出低減の研究を行っており、発電などに使われる陸用ディーゼルエンジンでは、大気汚染防止法や地方自治体が独自に制定している規制はもちろんのこと、各国のNOx規制に対応しています。これらの技術を舶用ディーゼルエンジンにも活かし、大幅なNOx排出量の削減を可能としています。

 NPSでは、現在、他の機種においても、次期NOx規制に対応すべくシミュレーション等にて性能確認を行っております。今後、NPSの全機種でIMOのNOx2次規制対応の鑑定書を取得し、環境に配慮した舶用ディーゼルエンジンの製造に取り組んでいきます。

(*1)6L(MG)28HX: 6L28HXは6気筒シリンダ径:280mmの舶用ディーゼルエンジンで出力は1,562kW~1,838kW。主機関、発電用補助機関などに使用することができる。6MG28HXは減速機、減速逆転機付き主機関。
(*2)テストサイクル: IMOのNOx排出基準(テクニカルコード)で定められている4種類のエンジン使用形態。

以  上

【お問い合わせ先】 新潟原動機株式会社 企業情報グループ 鈴木・佐藤(TEL:03-6214-2812)
株式会社IHI   広報・IR室      山本(TEL:03-6204-7030)

【参考資料】
 ○ IMOテクニカルコード概要
  IMOが定めるNOx排出基準の詳細。エンジンの使用形態については、以下の通り分類される。
  ・ E2:可変ピッチプロペラ等、一定の回転速度で運転される主機関。
  ・ E3:固定ピッチプロペラを有する主機で、出力が回転速度の三乗に比例した状態で運転される主機関。
  ・ D2:発電機等、一定回転速度で運転される補助機関。
  ・ C1:作業機械を駆動するための補助機関。
   *なお、今回NPSでは、E2、E3、D2にて鑑定書を取得。
 
 ○ 舶用中速機関「6MG28HX」写真