CIMAC2010ベルゲン大会報告

 第26回CIMAC大会が、2010年6月14日から17日の4日間、ノルウェー国ベルゲン市において開催され、当社の商品開発および技術開発の成果を発表しました。

 CIMAC(国際燃焼機関会議、Conseil International des Machines a Combustion)は、1951年に設立された世界的な内燃機関のメーカーとユーザーの集まりです。3年に1回開催される大会では、舶用、陸用、鉄道車両用の内燃機関に関するあらゆる技術情報が報告、議論され、その活発さから産業用機関の進路をリードする役割を果たしています。第26回となる今大会も、39ヶ国、約900人が参加し、約180編の論文発表と約40編のポスターセッション、展示会が行われる大きな会議となりました。

 また、今大会において当社の常務取締役伊藤恭裕が、第20代CIMAC会長に就任いたしました(任期3年)。日本企業からの会長職選出は、60年のCIMACの歴史の中で2回目(前回は1985年の第10代 柴田氏)のことであり大変な名誉です。当社は1985年のオスロ大会から本格的に参加し続けており、20年以上にわたる積極的な貢献が実を結ぶ形となりました。

 IMO NOx II次規制への対応が落ち着きつつあり、各社ともIII次規制や更に厳しい排出ガス規制への対応技術について報告をされていました。ディーゼル機関では過給機や排気後処理等の外部装置が担う役割が今後益々大きくなる一方、それらを制御する技術が商品価値を決定する鍵となります。当社は、機関本体から推進装置の末端まで一気通貫でお客様に商品を提供できる企業です。ディーゼル機関、ガス機関、ガスタービン、Zペラ、監視装置、制御装置、燃料噴射装置のそれぞれで培った技術を相互に利用して、他社が真似できない方法でお客様の信頼にお応えします。

 

 本大会ではディーゼルエンジン、ガスエンジンおよびガスタービンに関する4件の発表を行いました。

1.「新開発中速機関28AHXの開発」(Paper No. 165)
IMO NOx II次規制に対応する新型中速機関28AHXの開発を発表。
NOx低減と燃費改善の同時達成を可能とする高度な技術の紹介と耐久性やメンテナンス性向上を報告。

2.「1-6MW級マイクロパイロットガス機関のフィールド実績」(Paper No. 125)
100台を超える納入成果から得られたAGシリーズガス機関のフィールド実績を報告。
機関構成部品の十分な耐久性を示しつつ、大気条件による性能変化等、60000時間におよぶ長期の運転から得られた知見を発表。また、過酷で知られる日本国内独特の運用に対応することを示し、要求負荷に対する柔軟性をアピール。

3.「新潟原動機の排気エミッション低減技術」(Paper No. 136)
2011年に発効されるIMO NOx II次規制、および、その後に続くIII次規制に対応する当社の排気エミッション低減技術について、性能シミュレーションと実機試験の結果を交えて有効性を発表。
開発された低減技術は、機関速度に区別されること無く、当社の高速、中速、低速、全ての機関に適用できる。

4.「大型非常用ガスタービン機関NGT3Bの開発」(Paper No. 79)
業界初となる単機3000kVAのCNT-3000EA、ツイン機6000kVAのCNT-6000EN型非常用発電装置に搭載されるNGT3Bガスタービンの開発を報告。
近年大容量化が進むデータセンター、上下水道、インテリジェントビル等の重要基盤設備へ電力を安定供給するという社会的ニーズに応えるもので、当社の非常用ガスタービンの存在価値をアピール。

※各論文は、CIMACの許諾を得て掲載しています。