INTERVIEW転職者インタビュー

論理思考で挑む、
空の安全を守る部品の開発

航空・宇宙・防衛事業領域 技術開発センター
材料技術部 材料プロセスグループA.M.

機械工学と樹脂複合材の
知見を活かせる唯一のフィールドがIHI

大学院で高分子化学を専攻し、歯科材料のメーカーに就職しました。削った歯の穴に充填するための合成樹脂の開発に約4年従事。会社自体は居心地が良く、仕事も充実していたと思います。その一方で、さらに高い技術レベルの会社で行われている開発を知りたいという思いが徐々に強くなり、転職を決意。樹脂複合材を扱う会社を探す中で、真っ先に候補に挙げたのがIHIでした。

IHIに興味を持った理由は2つありました。まずは非常に技術レベルが高いであろうと考えたのがひとつ。もうひとつは、大学の機械工学科を卒業していたこともあり、大型機械の開発を行っているという点でもIHIに強い興味を持っていたからです。転職先の候補は何社か調べはしましたが、機械工学を専攻した経験と樹脂複合材を扱ってきた経験の両方を活かせるのはIHIだけでしたので、まさに渡りに船でした。

現在は技術開発領域の技術開発センター・材料技術部に所属し、航空機のファンケース用CFRPの開発に携わっています。エンジンのファンに鳥がぶつかるなど、何らかの理由で破損したファンの破片がエンジンの外に飛散しないよう、受け止める役割を担うのがファンケースという部品です。

化学的知見を持つ技術者として、
未知の問題解決へ挑む

ファンケースには、CFRPという樹脂複合材が使用されています。CFRPは複数の層でできており、飛散した破片を受け止めるたびに層が剥離してしまいます。この剥離の面積が広くなると、それだけ多額の修理費用が必要になるため、破片を受け止めても剥離しにくいCFRPを開発するのが現在取り組んでいるミッションです。

衝撃を受けたCFRPの層がどういったメカニズムで剥離するのか、現時点では完全に判明していません。そうした課題の解決には化学の知見を持った技術者の存在が必要不可欠です。現在社内の空領域には非常に限られた人数しかそうした技術者はいないため、化学的見地から問題解決に取り組める存在として、非常に重宝していただいています。

IHIの技術レベルの高さは入社前に想像した通りで、非常に刺激的な毎日を過ごしています。CFRPの試験片が高価だということもありますが、試験計画を立てても論理性が無いと誰も納得してくれず、試験遂行すらできません。一方で、慎重に慎重を重ねて立案した試験は後戻りも非常に少なめです。結果的に試験コストの削減と開発のスピードアップを実現できている環境は、まさに私が理想としていた環境そのもの。いきあたりばったりではなく、徹底して論理的に開発を進められる環境に、非常に満足しています。

論理の積み重ねに
支えられる技術。
目標は理想のファンケースの開発

CFRPは、非常に軽量で耐久性も高い優秀な素材です。しかし製造コストが非常に高く、航空機への適用が進みきっていないのが現状です。そのコスト高騰の原因に成形方法の問題がありますが、私は化学的な見地からまだまだ改善の余地はあると考えています。現在私が開発に携わっているファンケースは、飛散した破片をすべて受け止めても剥離しない状態となるのが理想です。そうした要求を満足させるファンケースは、現時点では世の中にありません。この理想のファンケースの実現に企画から携わり、アイディアを提案していくのが現在の目標です。いずれ優れたファンケースを開発し、IHIを他社の追随を許さない存在に押し上げていきたいと思っています。

こうした目標を持てるのも、IHIだからこそだと考えています。論理の積み重ねで築き上げられた高い技術力があってこそ、理想を追い求められます。質問に対する回答もキチンと論理的。足りない知識はいくらでも身につけられる環境です。何かを作り上げたいという高い理想を実現したい人ほど、IHIの環境で心置きなく挑戦して欲しいと思っています。

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