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航空・宇宙・防衛 機械・航空系

周藤由香里

航空宇宙事業本部 技術開発センター
要素技術部 空力技術グループ
2009年入社
システムデザイン研究科
システムデザイン専攻 修了

周藤由香里

世界の最先端技術に挑む、空の翼の設計エンジニア

周藤由香里

次世代航空機A320neoの新型エンジン開発に参画。

現在、世界トップメーカーのPratt & Whitney社やMTU社との国際共同開発事業「PW1100G-JMエンジン」開発プロジェクトに参画しています。これはIHI初の民間エンジンV2500の後継機種で、150席・中型クラスの次期主力機種A320neoに搭載されるもの。私が担当しているのは、エンジンの最前に位置するファンの空力設計です。この設計で重要な点は圧力損失(流体が機械を通過する際のエネルギー損失)を低減させること。ファン部分に入ってきた空気が剥離(空気の流れが翼の形状についていけなくなる現象で、大きな空気抵抗をもたらす)せず、効率良く下流へ流れるように最適な翼形状を目指して設計しています。
私たち空力設計の役割は、目に見えない空気の流れをいかにコントロールするか。CFD(コンピューターで流体の流れを観察する数値解析・シミュレーション手法)や風洞実験を入念に繰り返すことで最適な形状が予測できたら、目標性能に到達できるかを試験で確認し、それをクリアしたら実物を製作して試験を行うという一連の流れを繰り返すことで設計精度を高めていきます。非常に時間がかかり、根気の要る作業ですが、自分が解析に携わった設計技術が実際に運用されるエンジンに適用されると思うと、とてもやりがいを感じます。

目標は15%の燃費改善。私たちの技術が航空業界を変える。

今回の新型エンジン開発における最大のミッションは、従来機種に対して15%の燃費改善です。これを達成することで1機あたり最大で年間3600tのCO2を削減でき、エンジンの低騒音化も実現。さらに航続距離を最大950km延長できるので、運用コストも抑えることができます。数字にすると15%ですが、航空業界や社会に対する影響力は非常に大きいと感じています。
ジェットエンジンは世界中の技術者が力を合わせて開発する最先端技術の結晶といえるもの。私はPW1100G-JMのSGV(ストラットを兼ねた出口静翼)の空力設計にも関わり、その解析・評価の結果がPratt & Whitney社に認められた経験は大きな自信になっています。自分の技術が航空業界の発展に少しでも貢献できたと思うとうれしいですね。

周藤由香里

周藤由香里

IHI製のジェット機を、いつかは実現させたい。

ジェットエンジンにおいて、IHIは国内トップシェアを誇る企業ですが、世界のトップ3(GE社/Pratt & Whitney社/Rolls-Royce社)から技術面で学べることはたくさんあると思います。高度化・複雑化した技術や開発費用などの問題から、ジェットエンジンの開発には国際共同開発事業として複数社が関わっています。IHIもその一部を担っているわけですが、いつかはIHIが独自に民間航空機用エンジンの開発ができるようになれば、もっともっと面白くなると思います。課題はたくさんありますが、言い換えれば、私たちにできることがまだたくさんあるということ。今回の貴重な経験を活かして少しでも世界の技術に追いつき・追い越し、自分が設計に関わった飛行機が世界中の空を飛びまわる姿を目にする日が訪れることを楽しみにしています。

就活中の学生へのメッセージ

就職活動の時期は説明会や面接の日程に追われてバタバタしがちですが、一度立ち止まり、じっくり自己分析することで、目的に合った就職ができると思います。将来どんな人になりたいか、その実現にはどんなスキルや経験が必要か、どんな仕事であればそれが身につくか。就職活動は自分を見つめ直す良い機会です。私の場合、就職説明会などに積極的に参加することで人事部の方に顔を覚えてもらえ、すごく話しやすくなった経験があります。興味を持った会社には積極的にアプローチすることをお勧めします。

周藤由香里

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