事業活動を通した環境負荷低減

マテリアルバランス

2016年度におけるIHIグループのマテリアルバランスは、以下のとおりです。
わたしたちは、事業活動による環境負荷を低減するために、資源使用量や各種排出物の低減活動に積極的に取り組んでいます。

マテリアルバランス

気候変動対策への貢献

エネルギー消費量・温室効果ガス排出量の低減

IHIグループでは、エネルギーを効率よく使用し、CO2排出量を削減するための省エネ活動を推進しています。2018年度に向けての活動目標は、売上高当たりのエネルギー使用量(エネルギー消費原単位)を、2015年度に比べて3%以上低減することとしています。この目標を達成するために、省エネ型設備の導入、外部専門家による省エネ研修などを実施しています。省エネ研修では、設備ごとに管理標準を見直し、エネルギー管理レベルの向上を図っています。
IHIグループの2016年度のエネルギー消費原単位は10.4(原油換算kL/億円)となり、2015年度と比べて4.0%増加となりました。2016年度のCO2排出量は31.7万トンで、前年度に比べて2.7%低減しました。CO2排出原単位は21.3(t-CO2/億円)で、前年度に比べて0.9%増加となりました。2017年度はエネルギー使用量、CO2排出量ともに、目標を達成するための取り組みを積極的に進めていきます。

※電力消費によるCO2排出量の計算に、電気事業者別排出係数を使用しました。

IHIグループ エネルギー使用量

IHIグループ エネルギー使用量

IHIグループ CO2排出量

IHIグループ CO2排出量

輸送時のエネルギー消費量の低減

IHIグループは「グループ環境活動計画2016」のなかで、製品などの輸送時のエネルギー消費量を、前年度と比べて原単位で1%以上削減するという目標をたてて活動しています。
輸送時のエネルギー消費量を削減するために、内航船や船台の積極的な使用によるモーダルシフトを推進しています。船舶を使用できない製品などの場合にはトラックを使用し、輸送効率を高めるために最大積載率のより大きなトラックの使用、積載率の向上に取り組んでいます。

資源循環型社会への貢献

廃棄物排出量の低減

IHIでは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進するとともに、廃棄物の適正な処理に努めています。2012年度よりIHIのすべての事業所に電子マニフェストを導入し、廃棄物処理法の関係法令の遵守に努めています。
2015年度は独自の「廃棄物取組要領」を作成し、要領に沿った管理を徹底したことにより、廃棄物管理レベルの向上を図りました。2016年度は本社と各地区事業所とで廃棄物に関する意見交換会を実施し、廃棄物リスクに関する課題を共有しました。
また、IHIグループでは、事業活動における廃棄物を分別して再資源化や有価物化を行なうなど、廃棄物排出量の低減に向けて取り組んでいます。2018年度に向けての目標は、売上高あたりの廃棄物排出量(廃棄物排出量原単位)を、2015年度比で3%以上低減することとしています。2016年度の廃棄物排出量は30,531tでした。2016年度の廃棄物排出原単位は2.05(t/億円)で、2015年度に比べて0.5%増加しました。廃棄物排出原単位の目標達成に向けて、2017年度以降も取り組みを進めていきます。

IHIグループ 廃棄物排出量

IHIグループ 廃棄物排出量

有害廃棄物の適切な管理

高濃度PCB使用電気機器については、2009年度より無害化処理を開始しており、現在約98%の処理が完了しています。
低濃度PCBは55%の処理が完了、安定器は56%の処理が完了しており、2018年度末には処理困難物以外は処理を完了する予定です。

水資源使用量の低減

IHIグループは、上水管、工業用水配管および排水管の漏水対策に取り組んでいます。
これらの配管は、工場内に埋設管として敷設されていることが多く、経年変化による老朽化が進んでいます。老朽化した埋設配管を対象に、工場ごとに複数年度にわたる更新計画をたてて、更新しています。更新に際しては、漏水を早急に発見できるよう地上敷設、埋設したボックス内に敷設する方式、配管サポートによる架空配管などの対策を講じています。
また、水資源使用量の低減にも取り組んでいます。2018年度に向けての目標は、売上高あたりの水資源使用量(水資源使用量原単位)を、2015年比で3%低減することとしています。2016年度の水資源使用量は4,169千m3でした。2016年度の水資源使用量原単位は0.280(千m3/億円)で、2015年度と比べて4.1%増加しました。

IHIグループ 水資源使用量

IHIグループ 水資源使用量

環境リスク低減の推進

事業所周辺環境への配慮

水質汚濁防止対策の取り組み

IHIグループは、工場から出る排水処理の水質を常時監視し、放流先である公共水域(海域、河川など)の環境保全に取り組んでいます。そのために、工場内の排水処理設備の日々のメンテナンスを通じて老朽化した処理設備・機器や計測器などを洗い出し、更新時期の優先順位づけをする環境リスク診断を行なっています。
わたしたちはリスク診断の結果を、環境リスク低減計画書として見える化をしています。翌年度の更新工事に対し、毎年本社が環境関連特別枠予算として取りまとめ、社内協議後に予算編成することで、工場担当部門が確実に更新工事を実施できる仕組みをとっています。環境関連特別枠予算の対象は、環境リスク対策だけでなく、使用中のPCB含有機器の撤去、更新(処分は含まない)を行なうPCB対策、省エネ対策、温暖化対策が対象です。
2016年度は、水質汚濁防止対策として、相生事業所と相馬事業所で排水処理施設の設備更新検討を行ない、2017年度に排水処理設備を更新する予定です。

土壌汚染に対する取り組み

土壌汚染により有害物質を直接または間接的に摂取することで、人の健康や生物に影響をおよぼす恐れがあります。
IHIグループでは、事業所内の定期的なパトロールや老朽設備の更新などにより、有害物質の漏えいを防止しています。また、2013年度までに、工場跡地などを含む68の生産拠点で使用されてきた特定有害物質や油脂類の使用履歴調査を完了し、その情報をデータベース管理しています。

※土壌汚染対策法第2条に規定される25物質(鉛、六価クロム、水銀など)

化学物質情報管理の推進

製品含有化学物質の適切な管理

IHIグループの製品含有化学物質管理に取り組む考え方を、以下のように定めました。

IHIグループ製品含有化学物質管理基本方針

IHIグループは、お客さまへ提供する製品・サービスの競争力を向上させるために、ここに製品含有化学物質管理基本方針を定める。

〔活動の基本〕
IHIグループは、製品・サービスを上市する国、地域の化学物質に関する法令等およびお客さまの要求事項で規制された「禁止物質」や「管理物質」を特定し、サプライチェーンを通じて適切に製品含有化学物質を把握、管理する。

わたしたちは、サプライチェーンを通じて製品に含まれる化学物質情報を把握し、お客さまへ適切に情報伝達する仕組みの構築に取り組んでいます。
外部専門家のアドバイスのもと、農業機械分野を対象に含有化学物質の情報伝達スキームとしてchemSHERPAを導入しました。
今後、グループ内の他の製品についても、お客さまからの要望に応じて同様の仕組みの拡大を図っていきます。

化学物質の排出量と移動量

IHIグループでは、PRTR制度で指定され、生産活動で使用される化学物質の使用状況の把握に努めています。そして工場ごとに該当する化学物質の排出量(大気、公共水域、土壌)と移動量(下水道、廃棄物)を集計し、国へ届け出ています。
2016年度の第一種指定化学物質の排出量および移動量は次のとおりです。

IHIグループ PRTR法 第一種指定化学物質 排出量および移動量

【単位:t】

政令番号 第一種指定化学物質
物質名
排出量
(大気・水域・土壌への合計)
移動量
(下水道・廃棄物への合計)
37 4、4'-イソプロピリデンジフェノール 0.0 1.2
53 エチルベンゼン 37.9 6.4
80 キシレン 82.3 14.5
87 クロム及び三価クロム化合物 0.0 47.6
186 ジクロロメタン 2.2 1.9
300 トルエン 51.5 3.0
308 ニッケル 0.0 1.6
374 ふっ化水素及びその水溶性塩 0.0 6.3
384 1-ブロモプロパン 4.0 0.7
小計 177.9 83.2
合計 261.1

2016年度は、IHIグループにおける「特定第一種指定化学物質」の取り扱い実績はありませんでした。

生物多様性保全の取り組み

取り組み方針

生物多様性に関する国内外の動向

国際生物多様性年とされる2010年、愛知県で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されました。COP10で採択された「新戦略計画・愛知ターゲット」では、企業を含むあらゆるレベルの関係者が持続可能な生産および消費に向けた計画を達成するために行動することが明記され、具体的行動を求める考え方が示されました。また、日本国内においても、1995年の「生物多様性国家戦略」策定に続き、2008年には「生物多様性基本法」が制定され、政府としても企業の自発的な取り組みを促す状況となっています。
近年では、2010年に採択された愛知目標を達成するために「生物多様性国家戦略2012-2020」が2012年9月に閣議決定されました。「生物多様性国家戦略2012-2020」では「愛知目標の達成に向けた我が国のロードマップ」が提示されると共に、2020年度までに重点的に取り組むべき施策の方向性として「5つの基本戦略」(※)が設定されています。

  • (※)5つの基本戦略
  • (1)生物多様性を社会に浸透させる
  • (2)地域における人と自然の関係を見直し・再構築する
  • (3)森・里・川・海のつながりを確保する
  • (4)地球規模の視野を持って行動する
  • (5)科学的基盤を強化し、政策に結びつける

IHIグループの生物多様性保全活動

生物多様性に関する国内外の動向を踏まえ、わたしたちは、生物多様性保全を進める取り組みを行っています。

■生物多様性の位置づけ
IHIグループでは「グループ環境基本方針」に基づき、環境保全に取り組んでいます。この活動を通じて生物多様性に影響を及ぼしていることを認識し、環境負荷低減と生物多様性保全を推進しています。また事業所周辺においては、地域と連携した活動によって生物多様性保全に貢献しています。
今後は、生物多様性に関する役員・従業員の啓発に努め、事業活動や社会貢献活動を通じて生物多様性の保全や持続可能な地球・社会の実現に取り組んでいきます。

■生物多様性保全の取り組み事例
・事業所内緑地の外来種の在来種への転換
・事業所内にビオトープ設置・管理
・事業所内緑地見学会の実施
・森林保全活動

愛知事業所の取り組み

IHI愛知事業所のある愛知県知多市は、農地や村林地を中心に市全体の54%が緑に覆われ、臨海工業地帯の「グリーンベルト」や市街地の公園緑地など、多くの緑があふれています。愛知事業所でも、産業道路沿いに長さ約230m、幅約100mのグリーンベルト(緩衝緑地)を中心に68,613m2の緑地を保有しています。
愛知事業所では、事業所内の緑地を整備して地域住民の自然観察会や、地元大学生による在来種の植樹会など生物多様性に配慮した活動を進めています。
詳細な活動は以下をご覧ください。

過去の活動(2010~2012年度)

2010年度、愛知事業所の広大な緑地を生物多様性の保全という観点で活用できないか検討するために、現状分析を行ないました。その結果、愛知事業所の緑地はグリーンベルトの緑地を中核として、背後の里山の緑と海とをつなぐ生態系ネットワークの中に位置していることが分かりました。また、哺乳類のタヌキ、鳥類のカワセミやコゲラ、昆虫類ではコクワガタやモンキチョウなど33種もの生物の存在を確認することができ、生物多様性を保全する機能があることが分かりました。このことから、今後の緑地整備をするにあたっての方針と作業の優先順位を検討し、周囲の生態系の一部としてさまざまな動物が生息、往来できるように、緑地の活性化を開始しました。

愛知事業所の半径3km圏内の緑地面積率

愛知事業所の半径3km圏内の緑地面積率
[写真提供/エコアセットコンソーシアム(株式会社インターリスク総研、 住友林業緑化株式会社、株式会社地域環境計画、住友林業株式会社)]

タヌキため糞

タヌキため糞

コクワガタ

コクワガタ

ベニシジミ

ベニシジミ

[写真提供/エコアセットコンソーシアム (株式会社インターリスク総研、 住友林業緑化株式会社、株式会社地域環境計画、住友林業株式会社)]

2011年以降、愛知事業所内緑地にて植物の観察会や虫取りなどを通じて、多様な動植物とふれあいながら自然の大切さを学ぶことを目的としたイベントを定期的に開催しています。
2011年12月には愛知事業所の緑地において、「命をつなぐPROJECT」の大学生ワークショップが行なわれました。このプロジェクトでは、知多半島臨海部(東海市・知多市)に立地する企業群が持つ緑地を結び、生態系ネットワーク形成するとともに、その緑地内でフォーラムを開催したり、実験区を設定してモデル的な整備を行なったりすることで、その担い手を育成することを目的としています。愛知事業所はこのプロジェクトに活動の場となる緑地を提供することによって、近隣企業や大学、行政などと連携し、活動を支援しています。
ワークショップには、このプロジェクトの取りまとめを行なっているNPO法人 日本エコロジスト支援協会の引率のもと、愛知県や三重県の大学生など23名が参加し、愛知事業所の緑地で野鳥の観察や緑地の整備作業体験などを行ないました。その後、参加した大学生の皆さんは「知多半島に豊かな生態系を形成するための企業緑地のあるべき姿」を検討し、企業緑地を題材としたフリーペーパーや生態系MAPの作成を行ないました。
本プロジェクトによる自然環境保全や普及啓発活動、次世代の担い手育成などの取り組みは高く評価されており、愛知環境賞「優秀賞」や環境省主催のグッドライフアワードにて審査委員特別賞を受賞しています。

「命をつなぐPROJECT」に参加された皆様

「命をつなぐPROJECT」に参加された皆様

ワークショップの様子

ワークショップの様子

最近の活動(2013~2016年度)

愛知事業所では敷地内の樹木を外来種から在来種へ転換する活動の一環として、在来種の苗を生育させるための種苗園を設置しています。この種苗園で苗から樹木に生育した在来種を敷地内の緑地に戻すことによって、在来種への転換を図っています。2014年度には種苗園にて敷地内の在来種の苗を植える植樹会を開催しました。植樹会には、「命をつなぐPROJECT」の学生実行委員会メンバーが参加し、在来種と外来種について一通り知識を共有した後、実際の作業を行ないました。
また、愛知事業所では「命をつなぐPROJECT」を取りまとめているNPO法人 日本エコロジスト支援協会主催のイベントである「LOVE! GREEN DAY」を2012年度より毎年開催しています。このイベントは、知多半島臨海部の企業緑地を一斉に一般公開するものです。愛知事業所ではカミネッコンと呼ばれる再生紙段ボールでつくられた植栽用ポットを使って在来種であるエノキやケヤキの植樹を行なう活動や、ビオトープでヌマチチブやヤゴ、ゲンゴロウといった水辺の生き物を観察する活動を行ってきました。参加者の方より「事業所のなかにさまざまな生き物がいることを初めて知った」「もっといろいろな生き物を見たい」といった喜びの声をお寄せいただいています。 今後もこの構内緑地(グリーンベルト)が一般市民や従業員の憩いの場・勉強の場となるよう、活動を続けていきます。

植樹会の様子

植樹会の様子

LOVE! GREEN DAY 2016に参加された皆様

LOVE! GREEN DAY 2016に参加された皆様

サイトデータ

武蔵・相馬地区

集計範囲:相馬事業所、瑞穂工場

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

横浜事業所

集計範囲:横浜工場、車両過給機SBU 技術統括センター 実験評価部、技術開発本部、横浜総務部

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

愛知事業所

集計範囲:愛知工場

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

相生事業所

集計範囲:相生工場、鋳造部、相生総務部

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

呉事業所

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

本社地区

集計範囲:豊洲センタービル、豊洲センタービルアネックス、豊洲IHIビル

エネルギー使用量

エネルギー使用量

CO2排出量

CO2排出量

廃棄物排出量

廃棄物排出量

水資源使用量

水資源使用量

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