IHI 技報　Vol.54 No.3 ( 2014 ) 7 社長が語る ングをご提供できます． これからも「お客さまの満足度向上」のために 医薬業界は，今後も開発，設備投資の拡大基調にあ る分野です．IPEC がそのスピードに後れを取るよう なことは許されません．先端技術をつねに取り入れな がら，新しい領域へのチャレンジを続け，人々の健康 にさらに貢献して参ります． IPEC の原点であるプラントは，より安全で，より 効率的な設備が求められていくでしょう．すでに取り 組んでいるバイオ技術などの強みを活かして，環境に 配慮したプラント技術の提供に全力を注いで参りま す． これからもIPEC の技術，サービス，品質，人材， そのすべてに誇りと自信をもって，お客さまが要望す るアウトプットをご提供していきたいと考え，社員に は日ごろから「プロフェッショナルたれ」と呼びか けています．「IPEC に頼んでよかった」と，一人で も多くのお客さまに実感していただくことがIPEC の 最終目標です．ナンバー・ワンよりオンリー・ワンの パートナーを目指して，お客さまの満足度向上のため に邁 まい 進していく決意です． 医薬・ファインケミカルプラントへの取り組み 医薬事業は，IPEC の単独事業であり，売上の半分 ほどを占めるまでに成長しました．合成原薬・中間体 プラントや，動植物の細胞を培養するバイオプラント など，プラント構築という立場で，医薬に関わるすべ ての事業に取り組んでおります． 最近では，インフルエンザやがんの抗体医薬の研究 やバイオ素材の開発のようにバイオ分野に力を入れて います．IHI 横浜事業所内に実験設備を作り，製品化 に向けてのスケールアップ技術や，滅菌・殺菌技術の 研究などを，製薬会社の皆さまとの技術交流を通して 進めてゆく「開発型エンジニアリング」を推進して おります． また，医薬は人々の命に直接関わるものですので， 安全性に対する厳格な管理が求められます．IPEC で は，業務提携先であるフォスターウィーラー社（ イギ リス）との強固なネットワークを常時活用し，GMP （ アメリカ食品医薬品局の品質管理基準）などの国内 外の規約を踏まえた適切な生産工程のご提案も行って おります． 近年，毒性や変異原性，過敏症などを発現する物質 を用いた医薬製造プロセスが増えていますが，これら の物質の漏洩 えい ・拡散による災害を予防し，より安全な 作業環境を提供することもIPEC の使命です．そのた めの高度なケミカルハザード技術も，IPEC のストロ ングポイントとしてアピールしていくつもりです．国 際的な標準手法を用いたバリデーションについても， 高い評価をいただいております． プラント設計技術で“ つなぐ” エンジニアリング事業部では，機器，配管，土建， 電気計装など各分野のプロフェッショナル集団が， IHI グループの技術力を駆使して経験や実績に裏付け られた確かな設計技術をご提供しております． また，IPEC はIHI の手掛けたプラント事業・設備 の一部を移管されていますので，IHI 製既設プラント の改修工事はもちろんのこと，他社製のプラント設備 についても改修を承っております．三次元CAD をは じめ耐震設計，熱応力解析，高温・極低温配管設計な ど高度解析技術にも対応できるトータルエンジニアリ 東亜石油株式会社 フレキシコーカー装置の主要機器更新工事