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28 IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) IHI 運搬機械 株式会社 クレーンの操作性改善で 超高層建築物の建設工期短縮 さらなる高速 ( Speedy ) ・高機能 ( Smart ) ・ 高い安全性 ( Safe ) を実現したクライミング式ジブクレーン 短工期と安全性が問われる昨今の建築現場.生産性を向上させる新型高機能クライ ミング式ジブクレーンが活躍する.@ 巻き上げの高速化,A クライミング時間の 短縮,B 高強度マスト,などの工夫によって施工効率改善と工期短縮を実現した. 超高層建築物の建設には大型のクライミング式ジブ クレーン( 以下タワークレーン)が活躍している. タワークレーンは高層建築物の建設や,鋼材ブロッ ク類の運搬に使われる.旋回部の運転室から巻き上 げ・起伏・旋回の電動機付ウインチを操作する.ま た,油圧昇降装置によって旋回部分の昇降と固定部の 昇降( マスト昇降)が連続的にできる. 最近の超高層建築物では高さ634 m の東京スカイ ツリーや,高さ300 m の日本一超高層ビルあべのハ ルカス( 大阪)の建設にIHI 運搬機械株式会社 ( IUK ) 製のタワークレーンが活躍した. 昨今の建築現場においては,作業のさらなる効率化 と工期の短縮が求められるようになった.当然,安全 は最優先である.そんなニーズに応えるために開発し たのが新型タワークレーン( JCC-TS シリーズ)であ る.試算では約30%の工期短縮が期待される.TS シ リーズのTS とは「Three S( 三つのS )」および 「Time Shortening( 短工期)」を表している.以下の 特長を活かすことで,お客さまの現場工期短縮を実現 する. (1) さらなる高速化 ( Speedy ) 巻上作業の高効率化のため,使用頻度の高い中間 荷重( TS500 形の場合10 tf )の部材に対する巻上 速度を約20%高速化した.クレーンが作業階まで 昇っていくクライミング時間中は作業できないの で,クライミング時間を短縮することによって休止 新型クライミング式ジブクレーン( JCC-TS500 形)