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30 IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) 株式会社 IHI IHI 発電プラントの進化する ロングセラー制御装置 高速制御,高信頼性を追求する航空機転用形 ガスタービン発電プラント制御装置 ( CSI ) 26 年の歴史を有しているIHI のガスタービン制御装置CSI は,コージェネレーションプラントの統合制 御を可能とする.運転監視の充実,遠隔監視による予防保全の実現に向けて取り組みを強化している. ガスタービンは,病院,ビルが停電した時の非常用 発電機として,大量の電気を使うプラントの発電装置 などさまざまに利用されている. 従来,プラントの発電装置では,ガスタービンとプラ ントの制御は個別に行われていたが,ガスタービンと熱 を回収するボイラと組み合わせて,電気と蒸気を提供 するコージェネレーション設備において,さらに,蒸気 タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電設備 へと展開が拡大するにつれ,発電プラントとガスタービ ンの制御を統合する必要性が生まれた. このため,ガスタービンの制御装置Control System of IHI ( CSI ) を発展させ,発電プラント全体の制御装 置を開発した. CSI は発電設備用航空機転用形ガスタービン ( GT ) の制御装置であり,IHI が独自開発した. 航空機転用形ガスタービンの特徴である高速応答を 実現するために,制御装置には高速処理が求められ, 発電設備用としての高信頼性を確保するために冗長化 システム,光通信を採用している.CSI はGE 社( ア メリカ)からGE 社製航空機転用形ガスタービン制 御装置として認定されている.ここではCSI の歴史, 特徴,そして,将来像について紹介する. CSI の歴史 1988 年にIM5000 用のGT 制御装置として,3 重 系多数決演算を適用したCSI7500 を開発.その後, 1996 年には,光ケーブル通信/リモートIO システ ムを採用し,演算能力を強化したCSI7500-II に進歩 した.そして,2004 年には冗長化システムのCSI-III を新たに開発し,リアルタイムトレンド機能,リモー トモニタリング機能を装備した. コージェネレーション設備としての受注が増えると ともに,GT の枠を超えて排熱ボイラ,補機など付帯 設備を同時に制御したいという要求が強くなり,2008 CSI-III+ の監視装置