【DO!BOOK・ページリンク】
gihou_54_3   42 / 84

BOOKをみる

10秒後にBOOKのページに移動します


38 IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) 株式会社 アイ・エヌ・シー・エンジニアリング 微生物入りスポンジが やさしく排水処理 溶接工場の難分解性排水を少ない廃棄物で 効率的にバイオ処理 INC バイオリアクタ 溶接工場の探傷検査工程で発生する有機排水は,従来,凝集沈殿と生物処理の組み 合わせで処理されてきた.新開発のバイオリアクタによって沈殿処理が不要になった ことから余剰汚泥のない高効率な処理が実現した. 蛍光浸透探傷剤洗浄排水とは 地球環境を保全・保護するために産業排水処理の重 要性が高まっている.排水中の有機物は通常,生物処 理によって分解・除去されてから外部環境に放出され る.しかし,有機物の中には生物処理が難しい「難 分解性」のものがあり技術課題となっていた.難分 解性排水の一つが溶接工場から排出される「蛍光浸 透探傷剤洗浄排水」である. 蛍光浸透探傷剤は機械部品の溶接部などに発生する 微細な傷の非破壊検査でしばしば用いられる.鉱物 油,蛍光染料,界面活性剤などの有機物を含むので着 色・蛍光の性質があり発泡性もあることから代表的な 難分解性排水の元になる. 従来,この排水は生物処理のみでは処理できなかっ たので,凝集沈殿を生物処理で補う形で処理されてき た.しかし,沈殿過程で発生する余剰汚泥が産業廃棄 物となるため改善が待望されていた.そこで株式会社 アイ・エヌ・シー・エンジニアリング ( INC ) はこの 難分解性排水を生物分解のみで処理するシステムの開 発に取り組み,この度完成に至った. INC の排水処理システム 新しい排水処理システムは@ 原水タンク,A INC INC の排水処理システム