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IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) 41 我が社の看板娘 に優れ,種々の場所への設置要求に対応できる. ファイバーでレーザエネルギーを送給するため,遠 隔操作性にも優れており,手の入らない狭あい部や人 間の入れない危険な場所での作業を可能とした.溶接 工程など他工程で使用するロボットに「レーザクリ ア20 」を搭載することで,インラインプロセスが容 易にできる. 現在,高速度カメラにより各種溶接現象の撮影・評 価を行う可視化技術,豊富な検査計測技術を基に最適 なクリーニング施工条件の選定を手助けするととも に,これらの技術を組み込んだ新しいレーザクリーニ ング装置システムの開発・供給を進めている. この「レーザクリア20 」は,2014 年4 月に開催 された国際ウェルディングショーにおいて,新製品と して発表し好評をいただいた. 「レーザクリア20 」の用途として注目されているの は,塗装,めっき層の除去,溶接前の油膜・酸化膜・ 表面層除去処理,溶接後のクリーニング処理,金型・ 金属製品のさび取りなどであるが,さらなる展開とし て,食品や医療品関連の滅菌,放射線物質の除染,有 毒物質の洗浄などの分野への展開が考えられる. IIC は,今後もお客さまが求める洗浄技術を提供す るとともに,目的に合った適正性能のレーザクリーニ ングシステムを供給していく. 問い合わせ先 株式会社IHI 検査計測 営業統括部 電話( 03 )6404 - 6033 URL:www.iic-hq.co.jp/ うことも可能である.特に,レーザエネルギーの吸収 率の大きく異なる塗装被膜については,母材を傷つけ ない選択的除去ができる. 化学洗浄では,通常マスキングなどで非施工部の保 護を行うが,レーザクリーニングではマスキングを使 用しなくても,施工したい部分だけに照射することが でき,非施工部に影響を与えることなく洗浄を行える 利点があり,マスキング工程( 材料の調製,塗布, 剥離処理)の省略に伴い,大幅な生産性向上,コス トダウンが可能である. 株式会社IHI 検査計測 ( IIC ) は,レーザ溶接,ハ イブリッド溶接,切断,クラッディングなどの豊富な レーザ施工技術や,各種レーザ加工システムの開発で 蓄積した制御・システム化技術を基盤として「レー ザクリア20 」を開発した. 「レーザクリア20 」は,レーザ発振器に平均出力 20 W のファイバーレーザを用いている.平均出力を 小さくすることにより,材料への熱変性を最小限にし ているのである.また,レーザ光を100 mm の範囲 でスキャニングできる機能を備えている.さらに, AC100 V の空冷電源であるため,小型軽量で可搬性 レーザクリーニングの概念 レーザ光 材料蒸気 プラズマ 表面層 母 材 国際ウェルディングショーの展示風景 レーザクリーニング実施例 洗浄前洗浄後