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IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) 45 への対応要求が増加している.この0.1 μg/m3 とはどの位 のレベルかを例えると,東京ドームの空間に0.124 g の物 質をまき散らすことと同じで,極めて僅かな量であること が分かる. 3. 封じ込め設備の紹介 封じ込め対応は,一次封じ込め,二次封じ込めによって 行われる.一次封じ込めは,粉じんの発生する可能性があ る箇所から作業者を分離・隔離することを目的にアイソ レータなどの封じ込め機器が使用される.二次封じ込め は,一次封じ込めの機器の外側にある空間や建物を外部環 境から分離・隔離する方法である. 以下,封じ込め対応として使用される代表機器を紹介す る. 3. 1 一次封じ込め 3. 1. 1 アイソレータ アイソレータは危険・有害性のあるハザード物質から作 業者を保護するため,気密性のある箱状の本体と内部作業 用のゴム製グローブで構成される.医薬品の品質維持のた めの無菌アイソレータの場合は陽圧下で使用されるが,ハ ザード物質を取り扱うためのアイソレータの場合は周囲へ の漏えいを考慮し陰圧下で使用される. ( 1 ) リジッドアイソレータ( 第1 図) 開閉可能な扉が操作面にありグローブが取り付け られ,内部を見ながらグローブ越しに操作を行う. ハザード物質が内部から漏えいしないように給排気 ラインにはHEPA ( High Efficiency Particulate Air ) フィルタ( 0.3 μm の粒子を99.97%以上捕集可能) が取り付けられている.特に高ハザード物質を取り 扱う場合,排気HEPA フィルタの破損によって外部 にハザード物質が飛散することを防止するため, バックアップ用としてフィルタを2 段設ける( ダブ ルHEPA フィルタ).粉体取扱い後は内部の洗浄を 行う必要があり,付属している洗浄ノズルやガンに よる洗浄は,交叉汚染を防ぐうえでも重要となる. ( 2 ) フレキシブルアイソレータ( 第2 図) フレキシブルアイソレータは,ポリエチレンなど のフィルムから作成されたテント状のバッグのため, 操作が行いやすく腕の可動範囲も広くなる.またリ ジッドアイソレータと異なり,使い捨て( ディス ポーザブル)タイプとして使用され,洗浄が不要で ある点から取扱数が増えてきている. ( 3 ) BI/BO( バグイン/バグアウト)ポート,パス ボックス アイソレータの側面には,BI/BO ポート,パス ボックスが付属し,アイソレータ内で使用する道具, 原料などの出し入れを行う. 3. 1. 2 スプリットバタフライバルブ ( SBV )( 第3 図) SBV は,開閉レバー付きの駆動機構側をアクティブバ 排気フィルタ ユニット パスボックス 給気フィルタ ユニット グローブポート 第1 図 リジッドアイソレータ Fig. 1 Rigid isolator BI/BO( バグイン/バグアウト )ポート 第2 図 フレキシブルアイソレータ Fig. 2 Flexible isolator パッシブ バルブ アクティブ バルブ 第3 図 スプリットバタフライバルブ Fig. 3 Split Butterfly Valve ( SBV )