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72 IHI 技報 Vol.54 No.3 ( 2014 ) DN t N p A v V bin t ODRbin rel ( ) = ( ) .             0 1 exp          ………………………… ( 6 ) 軌道1 周回分のデブリ除去個数 DNtotal は, DN DN total bin bin =  ………………………… ( 7 ) で求められる. ここで,第22 図に示すような軌道の物体の検査体積内 の存在確率pbin は,検査体積内への進入時,および退出 時の平均近点離角M を用いて, p dM M M bin in out = = . 2p 2p ………………… ( 8 ) で求められる.ここでM は離心近点角E と離心率e を 用いて, M = E . e sin E ……………………………… ( 9 ) で求められる.さらにE はe と真近点離角f を用いて, E e e f = . +       2 . 1 1 2 tan 1 tan ………………( 10 ) で求められる.検査要素内への進入時,および退出時のf を求める方法は,それぞれでどの面から進退出するかに よって異なる.第22 図中の軌道の進入時のように赤経方 向に垂直な面から進退出する場合は,進退出の赤経a, 昇交点赤経W,軌道傾斜角i,近地点引数w を用いて, f i =  ( . )      tan. . tan cos 1 a w W ……………… ( 11 ) で求める.第22 図中の軌道の退出時のように,赤緯方向 に垂直な面から進退出する場合は,進退出時のd,W,i を用いて球面三角法から, a d =     sin. + tan tan 1 i W ……………………… ( 12 ) でa を求め,( 11 ) 式を用いてf を求める.さらに,軌 道半径方向に垂直な面から進退出する場合は,進退出時の r,軌道長半径a,離心率e を用いて, f a e r r e = ( . ).        cos.1 1 2 …………………… ( 13 ) で求める.したがって,( 8 ) 〜 ( 13 ) 式を用いて観測機お よびデブリの存在確率p を求めることができる. 一方,検査要素の体積Vbin は幾何学的に, Vbin r r r = + ( )         2 3 3 1 4 2 2 2 D cos d sin Dd DaD          ………………………… ( 14 ) である. 最後に,検査要素を通過する時のデブリ除去衛星とデブ リの相対速度vrel は,デブリ除去衛星とデブリのそれぞれ の速度ベクトル ・vODR, ・vlを用いて, vrel vrel vODR vl = ・ = ・ . ・ ……………………… ( 15 ) で求めることができ,さらに検査要素内の各速度ベクトル は,その検査要素に進入する際の速度ベクトルと退出する 際の速度ベクトルの平均をとって, ・ ・ ・ v = vin + vout 2 ……………………………… ( 16 ) とする.したがって,( 15 ) 式と ( 16 ) 式を用いてデブリ 除去衛星とデブリの相対速度を求めることができる. 球形有限要素モデルによる計算では,結果が空間を区切 る分解能に依存する.分解能を高くとるほど,より詳細な 計算結果となるが,その分計算時間が増大する.第4 表 に計算で設定したモデルの計算条件を示す.第4 表に記 したように,赤経,赤緯の分解能は1.0 度,軌道高度の 分解能は20 km としている.同じ低軌道領域における破 片デブリを解析する際の,MASTER の分解能は赤経が 20 度,赤緯が5 度,軌道高度が20 km である.計算を 行った分解がMASTER と比べて,十分高いことが分か る. 4. 3 デブリ除去衛星による除去の考慮 デブリ除去対象としているデブリは,1 年以内に自然浄 化されるものを除いているが,次のタイムステップに移る 時ごとに,デブリ除去衛星によって除去されたものも除い ていくことが望ましい.デブリ除去衛星による除去を考慮 せずとも,除去個数はほとんど変わらないことが計算から 分かっているが,次章から述べる計算結果は,すべて,デ ブリ除去衛星による除去を考慮したものである. 5. 計 算 結 果 5. 1 除去効果 計算では1 年間で自然浄化するものを省きその期間で 自然浄化しないデブリをどの程度除去できるかの検証を 行った. 除去効果の検証はロール型デブリ除去衛星を想定し, 第4 表 球形有限要素モデルの計算条件 Table 4 Calculation conditions for spherical control volume discretization scheme         項  目単 位最小値最大値分解能 軌道高度km 200.0 2 000.0 20.0 赤経度0 359 1.0 赤緯度.90 90 1.0