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世界初の実用化レベル液体窒素冷却超電導モータを開発 ~高温超電導(*1)モータ搭載のポッド推進装置実用検証機が完成~

-2005年1月20日-

プレスリリース

 石川島播磨重工(IHI)を取りまとめとする産学グループ(**A)は、世界で初めてビスマス系高温超電導線材(*1)(電線)を液体窒素で冷却する実用化レベルの超電導同期モータを開発し、本モータを内蔵したポッド型(*2)推進装置を完成させました。

 現在、IHI横浜事業所技術開発本部水理実験場では、推進装置の水中稼動試験が続けられています。ポッドの大きさは、幅0.8m x 長さ2mで、直径1mの推進プロペラを毎分0回転から100回転(*3)の範囲で正回転・逆回転を自由に制御する事ができ実機化への見通しがつきました。(弊社で調査した限りでは、液体窒素冷却の超電導同期モータを内蔵したポッド型推進装置は、世界初です。)

 試験の結果、設計値どおり「モータのうなり音」と「モータからの漏れ磁束」は共に計測限界以下の成績が得られており、色々な用途に使える事が確認されました。産学グループでは、出力500kW、回転数毎分220回転同期電動機実機化の見通しを既に持っており、受注体制を整えつつあります。

 今回産学グループが開発した超電導モータは、量産が可能な高温超電導線材を、従来は困難であった液体窒素を冷媒に用いて、全て産学グループの特許技術で製作を可能としています。
 高温超電導線材に流すことのできる電流は、それに鎖交する磁束と温度により大きく影響されます。従来の技術では、液体窒素を冷媒とした場合、大容量モータに必要な界磁磁束密度を得ることは困難でした。産学グループでは、高温超電導線材に鎖交する磁束を小さくして、界磁磁束密度を大きくする方策として、「フラックスコレクタ(商標登録出願中)」を採用し、この課題を解決しました。
 「フラックスコレクタ」は、界磁コイルの中心に高透磁材料を配置して、磁束を集中通過させるもので、これにより、液体窒素温度でも大電流を流すことができ、その結果大きな界磁磁束密度が得られるため、従来の電動機の1/10の大きさで、かつ大出力の超電導モータの製造が可能となりました。

 このモータの特徴(**B)を最もよく生かす製品として船舶用ポッド型推進装置を試作しました。ポッド型推進装置は、推進装置が船体外部に装備されるため、船内のスペ-スを有効利用でき、船内騒音も少なくなり、船の操縦性能も高くなる(従来の半分程度の距離で船の旋回が可能)などの利点から、欧米を中心に客船などで採用されていますが、大型(大出力)ポッド推進装置に従来のモータや永久磁石モータを内蔵するのでは、ポッド推進装置外径が大きくなり非実用的なため、実用範囲拡大のためには、小型・大容量の超電導モータの開発が望まれていました。産学グループが開発した超電導モータは、画期的な小型化を実現したため、ポッド推進装置の外径を従来の1/2程度にすることができ、ポッド推進装置そのものの推進効率が3~5%向上するので、モータ自身の効率向上に加え、省エネルギーで自然にやさしいモータとなっています。
 そのような特長から、今後は、いろいろな用途(**C)が期待されます。

 さらに、産学グループでは、本年3月までに、欧米や韓国に先駆けて本超電導モータを全超電導化した「全超電導同期モータ」(*4)の実用検証機を完成させる計画です。

(**A)
 <産学グループ(五十音順)>
 石川島播磨重工業(株)、住友電気工業(株)、大陽日酸(株)、ナカシマプロペラ(株)、新潟原動機(株)、(株)日立製作所、国立大学法人福井大学杉本英彦教授、富士電機システムズ(株)
 各産学の開発分担は、補足説明資料を参照してください。

(**B)
 <超電導同期モータの特長>
 1.従来困難とされていた「安価・取り扱い容易な液体窒素による冷却」で使用可能。
 2.従来のモータよりも小型・軽量化(容積は1/10、重量は1/5)(5000kWモータの場合)。
 3.キロメータ単位で製造可能な量産化された超電導線材(電線)を使用。
 4.モータのうなり音、モータからの漏れ磁束が、ほとんどない。
 5.モータ内部は極低温でも、モータ表面は常温なので、使用場所(水中も)を選ばない。
 6.モータの超電導コイルがユニット化(500kW単位)されているので、容易に出力アップが可能である他、1ユニットが故障しても残りのユニットで運転が継続できるので高信頼性が得られる。

(**C)
 <本モータの主な用途>
 1.船舶用電気推進装置用モータ(特に、ポッド型推進装置)
 2.鉄道用モータ
 3.風力発電装置用発電機(同期モータは、外部動力で軸を回転させると発電機としても利用可能)
 4.その他の大容量用途モータ(鉄鋼圧延装置、ブロア装置等)

※ 1 高温超電導:マイナス200℃(付近)以上の温度で物資の電気抵抗がなくなる現象を言います。
 ビスマス系高温超電導線材:高温超電導材料を電線化したもので、従来の電線の100倍以上の電流を流す事ができます。
 
 ※ 2 ポッド型推進装置:船舶船底に装備する推進装置で、その形状が(えんどう豆の)さや(POD)に似ていることからポッド型と呼ばれます。
 
 ※ 3 設計値は、液体窒素温度66Kで、定格12.5kW(過負荷62.5kW)、回転数毎分100回転ですが、負荷設備の大きさやインバータ電源容量の制約から出力を落として実験しています。電動機の能力は、回転トルクで決まるため、この電動機は回転数毎分1500回転、937kWと同じトルクを持っています。
 
 ※ 4 全超電導同期モータ:全超電導同期モータは、今回開発した超電導同期モータを更に進化させたもので、界磁部(本検証機でも超電導)に加えて電機子部(本検証機では超電導ではない)も超電導化したモータです。すべて超電導線材(電線)を使用するため、モータからの発熱がほとんどゼロとなり、更なる小型化が可能になるだけではなく、従来必要だったモータ冷却用外部付帯設備(水冷冷却や空冷冷却用付帯設備)が不要になり、船内スペースの更なる有効利用が可能となります。懸念される超電導冷却設備の追加ですが、超電導線材(電線)からの発熱がほぼゼロの為、今回開発したモータ用液体窒素冷却装置からの追加等は必要ありません。




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