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官民共同で過酸化水素の使用量を大幅低減した新滅菌法を開発 ~再生医療分野での低温滅菌において,世界初エンドトキシンを99.9%以上不活化に成功~

-2019年03月19日-

プレスリリース

 株式会社IHI(所在地:東京都江東区,社長:満岡次郎,以下「IHI」)は,国立医薬品食品衛生研究所(所在地:神奈川県川崎市,所長:奥田晴宏氏,以下「国立衛研」)と共同で,医薬,医療の分野で使用できる,促進酸化法を用いた新たなガス滅菌法を開発しました。
 新滅菌法は,再生医療分野等で使用される器材の滅菌において,従来の滅菌法では十分に不活化できなかった菌の死骸に含まれるエンドトキシンと呼ばれる発熱性物質を,滅菌と同時に99.9%以上不活化することが可能な,画期的な技術です。

 本開発は,大学や研究機関などの研究支援・環境整備を行う国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称:AMED,所在地:東京都千代田区,理事長:末松誠氏)の医療研究開発推進事業である「創薬基盤推進研究事業 医薬品・医療機器の実用化促進のための官民共同研究」(※1)により,2014年から,国立衛研衛生微生物部,医療機器部とIHIとが共同研究を行ってきたものです。

 従来の低温ガス滅菌では,ホルマリンやエチレンオキシドなどの薬剤が使用されてきましたが,近年では過酸化水素を使った滅菌法が普及し始めています。

 今回開発した新滅菌法では,過酸化水素に少量のオゾンガスを添加する IHI 独自の促進酸化技術によって,滅菌に寄与するとされる活性酸素を効率よく生成し,滅菌効果を保持したまま,過酸化水素の使用量を大幅に低減することを可能にしました。したがって,作業従事者や被滅菌物に優しい新たな滅菌法といえます。(図1)

 また,従来の滅菌法や過酸化水素の単独処理では不活化できなかったエンドトキシンを,IHI独自の促進酸化技術による新滅菌法で,無菌医薬品の製造管理規定を満たす99.9%以上の不活化に成功しました。(図2)

 エンドトキシンとは,大腸菌などの細胞壁に約20%含まれる発熱性の毒素で,医療器材などを介して血中に入ると,急な発熱や多臓器不全等を誘発します。そのため,各国の薬局方(医薬品の規格基準書)では,医療機器や無菌医薬品等の製造工程における管理基準値が定められていますが,エンドトキシンを確実に不活化する方法は乾熱滅菌法(250℃×30分)以外になく,被滅菌物は耐熱性の物に限られていました。

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図1 混合ガスの滅菌効果 図2 エンドトキシン不活化効果確認試験

 再生医療においては,細胞培養過程に極微量のエンドトキシンが混入することで,細胞が異常増殖することが報告されています。また,生殖補助医療(難治性不妊症に対する不妊治療)でも,エンドトキシンが混入した培養液で作成した受精卵は維持妊娠率が大幅に低下するとの報告があります。
今後,再生医療や生殖補助医療のような先端医療の発展に伴い,エンドトキシンの高レベルでの不活化は,不可欠となります。

 新滅菌法の特徴は以下のとおりです。
IHI独自の促進酸化技術により,処理時間および過酸化水素の使用量を従来法と比べ最大1/3にすることができるため,被滅菌物への影響(薬剤残留,薬剤残留による毒性)を最小限に抑えられる。
従来の滅菌法では十分に不活化できなかった発熱性物質であるエンドトキシンを滅菌と同時に99.9%以上不活化できる。

 IHIでは,今回の技術開発を基に,今後,再生医療や生殖補助医療の発展とともに必ず必要になるエンドトキシンの不活化を可能とする滅菌装置の開発を行っていきます。
  
 
国立医薬品食品衛生研究所
所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-26
所 長:奥田 晴宏 氏
役 割:医薬品,食品をはじめ国民生活に密接に関連する化学物質の品質,有効性ならびに安全性の評価に関する試験・研究等を行う機関。

 

※1 「創薬基盤推進研究事業 医薬品・医療機器の実用化促進のための官民共同研究」は,2014年に厚生労働省から「厚生労働科学研究」として公募され採択されたもので,2015年からはAMEDにおいて実施されている。医薬品等の臨床応用を促進するために,医薬品・医療機器の開発あるいは承認申請における技術要件および評価法の検討を行っている官側と,製品開発に豊富な経験を有する産側,技術要件を支える基礎的研究を行っている学側が共同研究体制を組み,技術要件ガイドラインの作成や公的評価法の確立にあたっての基礎データあるいは根拠となるデータ収集を目的としている。

 
 




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