ロケットシステム・宇宙利用
IHIは日本の宇宙開発に当初から参画し、IHIが誇る極低温ポンプ技術・高速回転機械技術などをもとに、ロケットエンジンの心臓部となるターボポンプや、ガスジェット装置の開発、生産に取り組んできました。さらに2000年には固体燃料ロケットで大きな実績を持つ日産自動車の宇宙航空事業部を統合し、その活動範囲を拡大してきました。また宇宙ステーションの建設では、日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォームなどの開発、生産を担当し重要な役割を担うとともに、宇宙環境利用の分野では各種国際共同実験に主要な実験システムを供給しています。
ロケット
ロケット推進用機器
H-ⅡAロケット・LE-7Aエンジン用液体酸素ターボポンプ

ロケットエンジンの燃料となる水素の燃焼用に液体酸素を送り込むポンプ。液体水素ポンプと並んでロケットの心臓部を構成しています。
H-ⅡAロケット・LE-7Aエンジン用液体水素ターボポンプ

ロケットの燃料となる液体水素を送り込むポンプ。ロケットの心臓部にあたる装置です。第1段のLE-7Aエンジン、第2段のLE-5Bエンジンの各ターボポンプともIHI製です。
人工衛星推進用機器
IHIグループが開発する500N級の推力を有するアポジエンジンは、世界最高性能を有しており、22Nスラスターとともに、海外顧客からも高い評価を得ています。
人工衛星搭載機器
宇宙ステーション関連機器
国際宇宙ステーションで日本が開発を担当した実験棟「きぼう」は、2009年に完成した日本ではじめての有人施設です。IHIグループは「きぼう」の船外実験プラットフォームおよび船外パレットの他に船内実験室に設置された実験ラックや実験装置の開発を担当しました。
提供:JAXA
提供:JAXA
HTVは宇宙ステーションへの物資の輸送、廃棄品の回収を行うもので、IHIグループはHTV推進系を含む各種衛星推進系の開発を行っています。2009年のHTV1号機打上げ以降、高い信頼性と厳しい安全要求を満たしミッションを達成しています。
提供:JAXA/NASA
提供:JAXA/NASA
地上試験設備
地上試験設備

LNGエンジン燃焼試験設備を始め、人工衛星推進用機器や制御用機器の試験設備を保有しています。
回収カプセル他
小惑星探査機「はやぶさ」は2003年にM-Vロケット5号機で打ち上げられ2010年にオーストラリアのウーメラ砂漠でカプセルが回収されました。IHIグループは、大気圏突入時の過酷な空力加熱に耐える耐熱材(CFRP)の設計・製造技術を有しており、その耐熱材は今後の惑星探査カプセルに順次適用されていく予定です。
提供:JAXA
提供:JAXA
再突入観測システム i-Ball

i-BallはIHIグループが開発した再突入データ収集装置です。こうのとり(HTV)など大気圏に再突入して燃え尽きる宇宙機に搭載され、再突入時の破壊の様子を撮影するとともに搭載されている各種センサで温度や加速度、位置などの計測を行います。2012年9月こうのとり3号機(HTV3)に搭載されたi-Ballは画像をはじめ各種再突入データの計測に成功しました。
USERSはUSEF(現:JSS)がH-IIAロケット3号機で打ち上げた次世代型無人宇宙実験システムです。IHIグループはその回収カプセル部分(REM)とREMに搭載された超電導材料製造実験装置(SGHF)の設計・開発を担当すると共に、帰還運用、探索回収作業を担当し、2003年5月に小笠原東方の太平洋上で、わが国初の軌道からの帰還・回収に成功しました。
提供:JSS
提供:JSS