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第51巻 第4号(平成23年9月発行)「安全・安心」特集号

IHI技報

第51巻 第4号(平成23年9月発行)「安全・安心」特集号

1. 巻頭言

巻頭言

取締役 常務執行役員 社会基盤セクター長 井元 泉

2. 報告

報告1

桜井朋樹,佐藤祐二,高梨正祐,岩本浩祐,大豊晃祥

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は,我が国観測史上最大のM9.0のエネルギーをもち,これまでにない規模の津波をも発生させて,甚大な災害をもたらした.当社でも相馬工場の被災をはじめ,多くの製品での被害が報告されている.本調査は,この地震による被害状況について当社製品を中心に調べるとともに,その情報を基に震災復旧・復興,あるいは今後の震災予防に向けた研究開発,製品の信頼性向上へつなげていくことを目的として実施した.実施は,第1次が相馬市周辺を,第2次が仙台塩釜港周辺を中心にと,2回にわたって行った.

報告2

航空宇宙事業本部生産センター 副センター長 松本直士

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震において,震度6の激震を記録した福島県相馬市の北部に位置する航空宇宙事業本部・相馬地区(相馬第一・第二工場,株式会社IHIキャスティングス,株式会社IHIジェットサービス)はIHIグループのなかでも最も甚大な被害を受けた事業所でした.しかしながら,IHIグループが総力をあげて復旧に取り組み,2011年5月半ばには全面復旧を宣言するに至りました.ここでは被災状況と復旧の道のり,震災から得た教訓および復興へ向けた今後の展望などについて報告します.

3. 防ぐ

防ぐ1

小池裕二,今関正典,風間睦広

高層ビルの新しい制振装置を開発した.本装置はリニアガイド上の可動マスをモータで直接制御するもので,吊り機構やコイルばねなどのパッシブ機構をすべて除いたコンパクトで軽量な装置である.本稿では,本装置の構成および性能を,適用例をとおして紹介する.また,制御性能を高度化させるための制御法を提案し,大地震を想定した陸上試験での検証結果を紹介するとともに,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震での実際の作動結果についても言及する.最後に,新技術への取組みとして,電力回生機能を用いた省エネルギー技術について述べる.

防ぐ2

岩本浩祐,佐藤祐二,斉藤 修,酒井英聡,谷田宏次

重要港湾の荷役設備に対するレベル2地震動後の早期復旧の要求から,対応する免震装置の研究開発を進めてきた.これまでに,大変位を想定して基本構造を見直すことで,レベル2地震動に対応する装置設計の見通しを得た.平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震では,地震規模に反して荷役設備に被害が少なかった.この原因について検証した結果,地震動の卓越周期が短かったことが影響しており,卓越周期の長い東海,東南海,南海地震などの大地震対策として,荷役設備の免震化が必要であることが明らかになった.

防ぐ3

内田正宏,藤井 正,稲垣哲彦,須田俊之,藤森俊郎

高圧蒸気配管における爆轟波の影響を調べるため,爆轟試験を実施した.試験では,BWR型原子炉の高圧蒸気配管に蓄積するガスと同等の爆轟圧力・速度が得られる,常温・圧力5MPaの水素・酸素・窒素混合気を使用し,端部が閉止された直管とエルボでの爆轟波の圧力を計測した.試験の結果,直管では閉止端部で爆轟波の反射によって圧力が最大になった.エルボではエルボ外側とエルボ下流の内側で高い圧力が計測された.力積による破断リスクの評価を実施した結果,エルボよりも閉止端部における力積が大きくリスクが高いことが確認された.

防ぐ4

上島秀作,黒田眞一,山内邦博

橋梁や高層ビルなどに作用する風荷重は静荷重としての取扱いのみならず,動的な効果,つまり風速が変動する効果や構造物が振動する効果などを考慮する必要がある.これらは従来,風洞試験を実施して評価されてきたが,数値流体解析(CFD) を用いた評価法についても各機関で研究が進められている.筆者らも二次元CFDを橋梁の耐風設計に適用することを目指して,適用手法について基本的な検討を行った.大型吊橋に作用する動的風荷重の解析的評価を試みた結果,風洞試験結果と整合する結果が得られた.

防ぐ5

河合理文,宮本仁志

エアフィンクーラ(空冷式熱交換器:AFC)は大気を安定した無尽蔵な冷熱源として扱う装置であり,海水,河川水を用いる場合と比較して環境変化に強く,非常時の安全設備として貢献することができる.当社のAFCは,大規模な地震に対する耐震性,厳しい風環境下における熱交換性能について,種々の手法によって十分な検討を行って設備自体の安全性を確保している.本稿では原子力施設向けのAFCについて,耐震設計手法,冷却性能確保のための風洞実験とシミュレーションの概要と実績を紹介する.

防ぐ6

中山 元,榊原洋平

腐食損傷形態と腐食機構の特徴に基づく腐食の分類に基づき,全面腐食型の金属(“さび”型)と不働態・局部腐食型の金属(“ひび”型)に分け,それぞれの腐食の評価の考え方を整理する.さらに,近年精力的に実施しているPWR(加圧水型原子炉)一次系水環境の応力腐食割れ(“ひび”)に対する試験・評価を通して,プラント構成機器材料の長期健全性担保のシナリオを解説する.

防ぐ7

大森拓也,市東素明

東北地方太平洋沖地震で発生した津波は東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらし,沿岸部の津波対策の再考が強く求められている.沿岸構造物に対する津波対策に当たっては津波の数値解析の活用も重要なテーマである.本稿では,メガフロート(超大型浮体)の技術開発において当社が実施した「津波による外力評価法」を中心に津波の数値解析手法について解説する.数値解析手法としては,浅水波理論による推定法,差分法,界面捕獲法,また新しい解析手法として粒子法などを取り上げる.

4. 診る

診る1

山口雄一,田上 稔,小原良和,山中一司

発電プラントの寿命診断においては,応力腐食割れ(SCC)の有害性を評価するため,より高精度な深さ計測技術が望まれている.本稿では高温高圧水環境でステンレス鋼溶接熱影響部にSCCを発生させ,サブハーモニック波を用いた非線形超音波フェーズドアレイ法の有効性をシミュレーションと探傷試験によって確認した.シミュレーションによる検討では,弾性体-振動子モデルによってサブハーモニック波の発生を再現できた.また,本手法によってSCCを画像化させた結果,先端部をより明瞭に画像化することを確認した.

診る2

森田 勝,加藤 明,畠中宏明,熱田美道,荒川敬弘

腐食を防止するために,各種の防食技術が検討されてきている.これらの防食の効果を短期間で適切に評価するには,μm単位での高精度の減肉監視システムが望まれる.耐熱性に優れた高温超音波センサを配管に取り付け,得られた超音波信号をリアルタイムウェーブレットや相互相関処理などの信号処理を用いて高精度に減肉を監視する方法を検討し,高精度減肉連続監視システムを開発した.本システムは,原子力発電所のタービン建屋内配管に設置し,客先で実施中の防食水処理の効果の確認に寄与している.

診る3

長谷川文夫,細矢征史,溝内健太郎,鈴木智広

装置の稼働後もお客さまをしっかりサポートして,お客さまに安全と安心を届けていくことが今まで以上に重要となってきており,装置のライフサイクル全般にわたって装置の状態を監視し,保守していく仕組みが必要である.そこで,IHIグループ内で共通に使えるリモートメンテナンスシステム構築のための共通プラットフォームを開発したので,その内容を報告する.

診る4

関本清英,永田宏一郎,白木 博,兼坂 薫

三次元レーザレーダは,高速な形状認識装置であり,物体の位置と速度をリアルタイムに計測する.物体に直接レーザ光を照射して計測するため,悪環境に強いことを特長とする.当社は,三次元レーザレーダを道路交通分野と鉄道分野に適用し,車両や人を計測する装置として実用化した.現在,我が国で800台以上が稼働しており,今後ますます台数が増加し,交通の安全に貢献していくであろう.

診る5

株式会社IHI検査計測

AE計測技術とは,物が変形,破壊するときに放出される音(弾性波)を捕らえ,健全性を評価する非破壊評価技術である.各種構造物の健全性評価,タンクの腐食調査,航空機の機体など複合材料強度試験時の破壊挙動観測など幅広い分野で利用されている.AE計測技術の特長と適用例を紹介する.

診る6

株式会社IHI

コージェネレーションのツールとして,震災後は非常用電源として,にわかに存在感を増すガスタービンエンジン.電力の不安定要因や政府が打ち出した「節電15%」政策など,シビアな状況で使われることが多くなっていることから,これからはますますの安定的な運転が欠かせない.では安全運転のためにはどうすればいいのか?どう備えればいいか?

5. 創る

創る1

室伏祥子,伊藤隆政,高藤 誠,須田俊之,久保田伸彦

東日本大震災の影響で福島第一原子力発電所から放射性同位体が,海水から土壌まで環境中に広範囲にわたり漏えいした.このなかには,土壌への吸着が強く,半減期が約30年の137Csも含まれ,現状では長期にわたり汚染状態が続くことが予想される.この問題を解決するため,土壌からの放射性同位体除去の方法として植物を用いたファイトレメディエーションの利用および短期間で比較的安全に最終処分ができるプロセスの検討を実施したのでここに報告する.

創る2

株式会社IHI

震災からの復旧・復興の第一歩は被災地の至るところに散乱する瓦礫の処理である.IHIは,浮体の上に焼却プラントを搭載し,仮置き場の近くの港で海上にて廃棄物処理を行う方法を提案する.これは,巨大な浮体上にプラントを搭載し,ブラジルのアマゾン川支流ジャリ河流域まで曳えい航した実績に基づいた提案である

創る3

株式会社IHI

1970年代の二度にわたるオイルショック以降,省エネの有効な手段として登場したコージェネレーションシステム.従来の省エネ対策としてはもちろん近年はCO2削減などの環境対策,工場や大型商業施設など,夏季における電力需要に対する補完システムとして評価されている.ガスタービンなどの自家発電設備を使ったエネルギー供給システムという特性から,震災後は「災害にも強い」仕組みとしてクローズアップされている.

創る4

株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド

電力の安定供給と発電方法の選択肢を増やすことを視野に,再び注目を集める風力発電.大海原にその活路を求め次のステージは洋上へ向い,「陸上」から「洋上」へ,そのなかでも「着床型」から「浮体型」への注目が高まっている.今回,株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (IHIMU) では東京大学との共同研究で洋上風力発電浮体を開発した.これからの風力発電の主力を担う浮体型の技術を紹介する.

6. 支える

支える1

松尾エンジニヤリング株式会社

どんな場所でも簡単に仮設できるトライアスは,あらかじめ,工場で橋桁用のパネルを作り,現地で橋の長さ,幅に合わせて組み上げる橋である.工場で同じ大きさのパネルを作ることで製作手順が統一でき,製作時間が早くかつ,高い品質が得られる.また,コンクリート製の橋と比べて自重が軽いため地盤が軟弱な場所でも設置できる利点がある.災害復旧用の橋があっという間にでき上がり,すばやく生活道路が確保される.

支える2

松尾エンジニヤリング株式会社

これまで,大型構造物を上下させるのは,油圧ジャッキで行うのが当たり前であった.しかし,トルクアップでは,電動ドライバーのボタンを押すだけで大きなものを上げたり,下げたりすることができる.しかも,微妙な高さ調整機能を併せ持っている.

支える3

株式会社IHIシバウラ

飲料水,生活用水は,生活のためには欠かせない.災害や事故などで一度断水が起きると,その重要性を再認識させられる.断水が復旧するまでの間替わって水を供給するのが非常用浄水装置である.ISMでは,飲料水や生活用水を生み出す浄水機を開発した.洗浄できる中空糸膜フィルタによる長寿命,長時間利用を実現,活性炭フィルタと中空糸膜フィルタを組み合わせた装置はコンパクト化,非常時の使用環境を考慮した塩素注入装置の組み込み.独自の発想で,安全・安心を守り続ける.

7. 箸休め

箸休め

株式会社IHI 技術開発本部 小野塚正一

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