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第53巻 第4号(平成25年12月発行)ジェットエンジン特集号

1.巻頭言

巻頭言

常務執行役員 航空宇宙事業本部長 満岡次郎

2.寄稿

寄稿

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授 渡辺紀徳

3.見えない資産

見えない資産1

株式会社IHI

見えない資産2

呉第二工場生産技術部 多賀宣昌

見えない資産3

相馬第一工場技術グループ 古川 崇

見えない資産4

瑞穂工場生産技術部 菅谷 諭

4.我が社のいち押し技術

我が社のいち押し技術1

株式会社IHI

航空エンジン,そして航空機の大幅な軽量化につながる新しい材料,チタンアルミ.数百枚もあるタービン翼を正確に,そして安く大量に作るための生産技術が,鋳造という古来の手法の最先端「ネットシェイプ精密鋳造」であり,ここにさらに革新的な溶解技術を適用することでチタンアルミ翼の量産が可能となる.

我が社のいち押し技術2

株式会社IHI

ジェットエンジンのシャフトの塗装工程は,従来,熟練工による手作業に頼っていた.熟練技能者の確保が困難になりつつある状況下で,世界で初めてエンジンシャフトの自働塗装装置を実用化した.これによって,塗装品質の向上を実現するとともに,今後の需要増加にも対応できる体制が整えられた.

5.こんなビジネスが面白い

こんなビジネスが面白い

株式会社IHI

東日本大震災後に驚異的な速さで復旧,生産を再開した相馬事業所では,震災復旧フェーズから発展フェーズへ移行し,震災の教訓を活かしたさまざまな取り組みを行っている.その最初の大きなアクションがBCP(事業継続計画)と節電対策として導入したPV(太陽光発電)システムである.そこには再生可能エネルギー活用の新しいモデルがある.

6.箸休め

箸休め

技術開発本部 船渡川 治

7.技術論文および解説

技術論文および解説1

佐藤 篤,今村満勇,藤村哲司

PW1100G-JMエンジンは,エアバス社が開発中のA320neo (New Engine Option) の搭載エンジンの一つに選定された次世代エンジンであり,当社は一般財団法人日本航空機エンジン協会 (JAEC) のもとプログラムに参加し,開発を開始した.本エンジンは,先進ギヤシステムを適用したGTF (Geared Turbo Fan) 形態を採用して高い推進効率を実現し,かつ先進複合材技術や最新要素技術を組み合わせ,燃料消費率・排気ガス・騒音レベルの改善を図っている.本稿ではPW1100G-JMエンジンのプログラムと技術を紹介する.

技術論文および解説2

中村武志,岡 尚志,今成邦之,篠原健一,石崎雅人

近年,原油価格の値上がりなどによって燃費の良い航空機エンジンが求められており,軽量で耐熱性の高い新しい材料が望まれている.セラミックスはその候補であるが,もろさを克服できずに広範囲には用いられていない.そこでセラミック繊維で強靭化するセラミック基複合材料 (Ceramic Matrix Composites:CMC) が開発されている.CMCは20年の研究を経て実用化の時期に近づいており,当社ではタービン翼への適用研究を主に行っている.これらの研究を通しCMC部品を試作し,回転試験や疲労試験などによる評価をつうじて良好な結果を得た.

技術論文および解説3

森岡典子,竹内道也,大依 仁

航空機・エンジンの全電動化システム (AEA:All-Electric Aircraft system) の研究開発に向けてシステム構想検討を行っている.AEAでは,従来用いられている油空圧・機械駆動を用いた機体システムを電動化すると同時に,電力マネジメントおよびサーマルマネジメントの統合化によって航空機のエネルギーとパワーのマネジメントを最適化することを目指している.
本稿では,効率向上による燃費改善,整備性向上および環境負荷物質の削減を可能にし,人と地球にやさしい航空機の実現に貢献するAEAの概要について述べる.

技術論文および解説4

黒木博史,根﨑孝二,若林 元,中村賢治

航空エンジンでは,燃費向上・軽量化を目的として翼とディスクを一体化したブリスクを採用する事例が増えている.ブリスクの製造には,鍛造材から削り出す方法が使われてきたが,切粉となる素材のロスが大きい.このため線形摩擦接合 (Linear Friction Welding:LFW) を利用したブリスク製造方法の開発を進めている.LFWは,接合界面を往復運動でこすり合わせることによって生じる摩擦熱を利用し,溶かさずに接合する技術である.本稿では,接合による組織の変化や継手の機械的特性,実物大ブリスクの試作結果について報告する.

技術論文および解説5

池田修治,佐藤茂征,津野展康,吉野内敬史,佐竹雅之

金属粉末射出成形とはMetal Injection Molding (MIM) とも呼ばれ,プラスチックの射出成形と同様な形状自由度を保ちつつ鍛造材に迫る材料強度をもつネットシェイプ(最終形状)部品が得られる製造方法である.当社はジェットエンジンの高圧圧縮機静翼の製造を低コスト化するため,MIM技術の開発を進めてきた.これまで実施してきた材料試験では良好な強度データが得られており,試作した高圧圧縮機静翼の寸法精度も良い結果が得られている.本稿では当社における高圧圧縮機静翼のMIM製造技術開発状況について紹介する.

技術論文および解説6

加藤 大,パロ ギョーム,杉原晶雄,青塚瑞穂

航空用ターボファンエンジンの低燃費化のため,その主要構成要素である高圧圧縮機には,高圧力比化と高効率化,さらにはエンジンの高バイパス比化と高全体圧力比化に伴うコア部の小型化への対応が求められる.これらの要請に応えるため開発してきた軸流型の高圧圧縮機の空力設計技術と,要素性能試験による実証結果について概説する.また,空力性能を設計意図どおり発揮させる,あるいはさらに向上させるために必要な構造設計・解析技術として,可変静翼の角度精度向上,翼先端隙間の低減,翼振動応答予測精度向上の研究成果を紹介する.

技術論文および解説7

村上 務,盛田英夫,及川和喜

複合材ファンシステム研究開発プロジェクトでは,次世代民間エンジンへの適用を目指して複合材構造部品の開発に取り組んできた.これまでに本研究開発を通して複合材ファンケースおよび複合材SGVの技術実証が完了し,Airbus A320neoに搭載されるPW1100G-JMエンジンへの適用が決定している. 本稿では両部品の開発の概要について述べる.

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