第58巻 第1号(平成30年3月発行)社会インフラ特集号
巻頭言
巻頭言
代表取締役副社長 社会基盤・海洋事業領域長
寺井一郎
解説
解説
理事 社会基盤・海洋事業領域 副事業領域長 企画管理部長
石原 進
我が社の看板娘
我が社の看板娘1
JIMテクノロジー株式会社
トンネル工事に用いられるシールド工法.そのトンネル構築に用いられるシールドマシンは,複雑化する都市の地上や地下空間の条件下で施工する技術の開発,および工期短縮・コスト削減といった社会的ニーズの高まりに応えるための進化を続けている.
我が社の看板娘2
リブコンエンジニアリング株式会社
コンクリートの品質を安定・改善させるために水を分割して投入.材料を投入するタイミング,順序,練り混ぜる時間によりコンクリートの品質は大きく左右される.
我が社のいち押し技術
我が社のいち押し技術1
株式会社IHI建材工業
エレメント(鋼管)でトンネルの外殻を構築し,構造的に完成させてから一気に内部を掘削して仕上げ,トンネルを完成させる.安全で工期が短く経済的なうえ,交通を妨げない理想的なトンネル施工法を紹介する.
我が社のいち押し技術2
株式会社IHI建材工業
既存のトンネルを内側から高性能なPCL(Precast Concrete Lining)版で補強するとトンネル径が小さくなってしまう.そこで,株式会社IHI建材工業は,PCL版を部分的に高強度,薄肉化することにより,トンネルの盤下げを行うことなくそのままトンネルを補強できる工法を開発した.
我が社のいち押し技術3
株式会社IHI
近年,水門設備にステンレス鋼が用いられることが多くなっているが,部位によっては腐食が起こる箇所もある.このため,耐食性の向上を目的とし,工場および現場での施工が可能で環境負荷が小さい不動態処理方法を開発し,実機での有効性を確認した.
箸休め
箸休め
技術開発本部
桑原 一
論文
論文1
山田晃司,山口隆一,小林一博,荒井 孝
都市部などの大深度での施工によって高土水圧を受けるシールドトンネル工事において,薄肉幅広化が可能になる合成セグメント(ICセグメント)の開発を行った.鋼殻とコンクリートを鉄筋を介して一体化させた合成構造であり,薄型化や工期短縮による経済性に加え,優れた止水性が期待できる.載荷試験を実施し,解析値と近似した挙動を示すことや,十分な強度,変形性能を有していることを確認した.
論文2
島 宜範,川上剛司,柳原正浩,工藤光弘,村田眞司
株式会社IHIインフラシステムは,世界第4位となる中央径間1550mを有する「イズミット湾横断橋」の設計から建設までを一括で請け負った.施工に際しては,BOT(Build-Operate-Transfer)事業の一部であることから,短工期の確実な達成を最重要課題とされるなか,上下部工一括EPC(Engineering, Procurement and Construction)契約の特長を活かし,さまざまな工種を並行して実施・管理することで,キャットウォーク事故の復旧期間を含めて42か月という短期間での交通開放を達成した.本稿では,上下部工それぞれにおける,工期短縮を達成するための工夫について紹介する.
論文3
杉村 誠,中山真明,牟田口拓泉,杉山直也,井谷達哉
長大吊橋は,国の経済活動を支える重要な社会インフラであるが,近年,建設から30年以上経過した吊橋において,老朽化が原因で各部位に生じた損傷による耐力低下が懸念されている.吊橋の架替えには膨大な費用が掛かるため,通常は損傷箇所の補修や補強によって吊橋の延命を図るのが合理的である.このような状況を背景として,長寿命化を目的とした吊橋の補修・補強工事が増加しつつある.本稿では,近年株式会社IHIインフラシステムで実施した国内外の吊橋の大規模な補修・補強工事を3例紹介する.
論文4
山内一徳,福島憲明,田村洋満
近年のインフラ整備では,既存ストックを有効活用することが求められ,治水・利水の分野においては,ダム再生のプロジェクトが多く計画・実施されている.株式会社IHIインフラシステムも,幾つかのダム再生に参画しており,以降に続くプロジェクトの参考とするため,ダム再生特有の課題に対する技術的な対応事例について紹介する.
論文5
梶間健史,宮田 明
国内インフラの老朽化問題への関心が高まっている.300kmを超えるネットワークの首都高速道路は,重交通による過酷な使用環境と高齢化によって,多種多数の損傷が発見され,その損傷対策が進められている.株式会社IHIインフラシステム(以下,IIS)は,その首都高速道路の維持修繕・改築を含む保全工事に継続的に取組み,経験・実績を重ね技術の研鑽に励んできた.本稿ではIISが携わった首都高速道路の保全工事における取組みと事例の一部を紹介する.