ON TAMIYA
田宮 温
生産センター 鋳造部 技術グループ
2025年入社
材料系学科出身で大学院では鋳造を中心に学ぶ。現在は、生産センターの鋳造技術グループにて、研修の傍ら、製品の設計図面を基に鋳造作業に落とし込むための鋳造の方案作成を担当している。
就活をはじめた時、まず決めたのは働く場所でした。全国各地ランダムに配属されるより、地元である新潟が良いなと思い、新潟県内の企業を探していました。大学で材料系学科で鋳造を専門に学んでいたこともあり、業界は製造業に絞り、その中でも、自分が学んでいた分野と関わりのある企業を探していたところ、見つけたのがIHI原動機でした。 就活中様々な企業を見ていて、半導体の素材を作って販売する、あるいは鉄を部品にして販売する。など、製造フローの一部分のみを担っている企業が多かったんです。 ですが、IHI原動機は、部品を組み立てて、実際に試運転を行い、エンジンの製品化までを行う。製造フローの全体を担う会社だったところが興味深いなと思いました。
そして、大きい製品作りに携われることは楽しそうだなと思ったんです。小さいものを作っているよりかは、サイズの大きなものを作る方が作っているという実感があると思いました。このような実感が、将来仕事を続けていくモチベーションにもなるはず。いつまでも楽しみながら仕事をしていたい、そう考えてこの会社を選びました。 実は、私が応募しようとしたとき、すでにマイナビのサイトでエントリー受付が終了していたんです。ですが、何もしないよりは一応聞いてみようと思い、総務部にメールをしてまだ応募が可能かを問い合わせました。結果的に受け入れてくださり、入社につながりました。
鋳造技術グループは、私を含め5人程度のチームです。主な業務は、設計者が書いた図面を、実際に鋳造するための具体的な手順を示す鋳造方案を作成することです。他にも古い図面を参照して鋳造用に図面を書き換えたり、現場で発生した問題の改善活動を行ったりしています。
入社後、最初に任されたのは、型の図面を書く作業でした。半世紀前ほどに作られた古い木型を再製作するプロジェクトに携わり、実際の木型を見ながら、鋳造を行うために図面を書き換える作業を担当しました。図面を書く時は、完成した図面から、削って加工する前の状態を逆算し、「削りしろ」などを追加して書く必要があります。大学で鋳造を勉強していたものの、図面の書き方は少し学んだ程度でした。そのため、図面をまともに読めない状態から始まり、現在も先輩方に教えてもらいながら日々業務に取り組んでいます。
入社してから成長を感じるのは、分からないことをそのままにせず、自分から動けるようになったことです。学生の頃は教えてもらうのを待つことが多かったのですが、今は疑問があればすぐに先輩や上司に相談し、課題に取り組むようになりました。
鋳造の仕事では、「これが正解」というものがありません。問題解決の方法は一つではなく、条件によって最適解が変わる。そこが鋳造の面白さだと思います。 型を作り、金属を流し込んで製品ができる。そのプロセスに立ち会うことで、自分の修正や工夫が目にみえる形で現れます。だからこそ、図面を直した部分が製品の仕上がりに反映できた時は、本当に嬉しかったです。
当面の目標は、先輩に教えてもらっている業務を、一通り自分だけでとりあえず完遂する、一人前になりたいと考えています。また、鋳造の際に発生する欠陥(不具合)を見た時に、その原因を追求して、すぐに対策を立てられるようなスキルを身につけていきたいです。
さらに先に見据えているのは、鋳造現場に残る「職人気質」を改善することです。今の業務の中には、経験や勘に頼る部分や、明文化されていない部分がまだ多くあり、ベテランの方の知識が引退などで失われてしまうこともあります。そのような状況を防ぐために、知識をしっかり体系化し、誰もが安全かつ効率よく作業できる環境づくりに貢献していきたいなと思っています。
IHI原動機の最前線で、ものづくりに挑むエンジニアたち。
熱い思いをもって一人ひとりが個性とスキルを活かしています。