肉盛補修機能

MSCoating は、寸法・形状を修復するための肉盛り技術としても考えられます。

以下に、肉盛り補修をした場合に、どのような性能を持つかのデータを示します。

1.引張強度比較

  大気溶射で生成した皮膜の引張強度を100%とした時の、MSCoating層の引張強度を示します。

              引張強度比較

試験片
引張強度比較
大気溶射(基準)
100%
Co 100% MSCoating
100% - 114%

 

2.機械加工性

  MSCoating で肉盛りした試験片に転削加工を行い、加工した際に剥がれ等が起きないことを確認しました。

   

 

3.熱衝撃試験

 液体窒素(−196℃)に30秒間浸して冷却後、直ちに、95℃(±5℃)の熱湯に30秒間浸して加熱します。このサイクルを10回繰り返して、熱衝撃試験を行いました。

 試験後、境界部を観察して、剥離の有無を確認しました。

   

 さらにミクロ観察を実施した結果、剥離等の異常は認められませんでした。

   

 

4.LCF(低サイクル疲労)試験

 MSCoating によりCo100%の肉盛をした試験片に対して低サイクル疲労試験を実施しました。その結果、破断サイクルとしては6割程度でしたが、コーティングに剥離等の異常は認められませんでした。

 また、肉盛をせずに切り欠きだけを入れた試験片では、切り欠きの底部(応力集中部)から破断していました。MSCoating で肉盛した試験片では、肉盛の表面から破断した結果となりました。

                 LCF試験結果

試験片
破断したサイクル数
切り欠きのみの丸棒(基準)
9300 - 10700
Co 100% MSCoating
5100 - 6800

 

 
試験片外観
破断面
切欠きのみ
Co 100% MSCoating