MSCoating は、寸法・形状を修復するための肉盛り技術としても考えられます。
以下に、肉盛り補修をした場合に、どのような性能を持つかのデータを示します。
大気溶射で生成した皮膜の引張強度を100%とした時の、MSCoating層の引張強度を示します。
引張強度比較
試験片
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引張強度比較
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大気溶射(基準)
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100%
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Co 100% MSCoating
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100% - 114%
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MSCoating で肉盛りした試験片に転削加工を行い、加工した際に剥がれ等が起きないことを確認しました。
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液体窒素(−196℃)に30秒間浸して冷却後、直ちに、95℃(±5℃)の熱湯に30秒間浸して加熱します。このサイクルを10回繰り返して、熱衝撃試験を行いました。
試験後、境界部を観察して、剥離の有無を確認しました。
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さらにミクロ観察を実施した結果、剥離等の異常は認められませんでした。
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MSCoating によりCo100%の肉盛をした試験片に対して低サイクル疲労試験を実施しました。その結果、破断サイクルとしては6割程度でしたが、コーティングに剥離等の異常は認められませんでした。
また、肉盛をせずに切り欠きだけを入れた試験片では、切り欠きの底部(応力集中部)から破断していました。MSCoating で肉盛した試験片では、肉盛の表面から破断した結果となりました。
LCF試験結果
試験片
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破断したサイクル数
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切り欠きのみの丸棒(基準)
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9300 - 10700
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Co 100% MSCoating
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5100 - 6800
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試験片外観
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破断面
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切欠きのみ
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Co 100% MSCoating
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