情熱と泥臭さで、
国産ジェットエンジンの
設計に挑む
航空・宇宙・防衛事業領域
防衛システム事業部 航空エンジン技術部
技術グループS.S.
前職では環境科学系の大学院で、昆虫の羽の空力特性を活用した超小型風力発電などの研究開発に携わっていました。指導教官は企業から来ていた方で、研究室の研究成果を社会に必ず還元するという熱い思いを持たれていました。私自身、子供の頃は自宅近くにあった福岡空港で航空機をよく見ていたこともあり、いつか航空機関係の職業に就いて知識を活用したいと考えていたんです。
航空機と一口に言っても選択肢は広く、機体の設計・開発に携わる可能性もあったと思います。しかし、何百トンもある航空機を飛ばすエンジンの圧倒的なパワーに惹かれた幼少期の感動が原体験としてあったのか、転職活動を進める中で「エンジン開発がしたい」という思いはどんどん強くなりました。IHIの航空事業は民間だけでなく国防にも関わっており、IHIを知れば知るほど、自分の力で航空機を飛ばせる可能性を感じ、強く魅力を感じるようになっていきました。
入社後は開発チームに配属。その後異動があり、現在は防衛システム事業部の航空エンジン技術部において、ブルーインパルスや練習機のT4に搭載するF3エンジンの維持設計に携わっています。
F3エンジンは信頼性が高い優秀なエンジンですが、使い続ければいずれ壊れてしまいます。そうした中で、壊れにくく長く使える状態を保ち、不調時にも即修理できる環境を整えるのが維持設計の役割です。こうしたジェットエンジンの設計は、大量の部品と大勢の専門家が必要とされています。設計者はあらゆる専門家の知見と、それぞれの役割をもつ部品の取りまとめのような役割です。質の高い設計を行うには、あらゆる部品の特性を理解し、専門家と渡り合えるだけの広い知識が必要となります。IHIにおいては、そういった知識を自ら得ようと動けばいくらでも学べる環境があります。動けば動くほどその行動が伝播し、また新たな知識がもたらされる。知ろうと思ったことを全部知ることができ、それを仕事に活かせる日々は、非常にやりがいを感じます。
将来は、さらに深くエンジンに関わっていけるようになりたいと考えています。エンジンを何のために開発し、どのような設計にするのか。今あるエンジンに手を加える役割ではなく、ゼロから作り上げるプロジェクトを率いるプロジェクトマネージャーとなるのが現在の目標です。もっと上流からエンジン開発に携わりたい。多くの知識を身につけ、あらゆる専門家をまとめる力を磨いていけば、自ずとその時はやってくると思います。
業務においては目標となる大きな計画があり、その中で設計者は比較的自由な業務の裁量が認められています。一方で仕事に自由に取り組めるだけ、キャリア採用に掛けられている期待があると感じます。課題に対するキャッチアップの速度、高い技術力やチームを率いる統率力。そうした期待に応えるためには、どんどん自分から動いていく泥臭さと情熱が必要不可欠であると考えています。IHIには非常に能力の高い人が多く集まっています。みなさん高い知識とバイタリティをお持ちですので、質問にはいくらでも答えてくれ、さらに大きな期待を掛けてくれます。仕事に対して情熱を傾け、泥臭く食らいついていこうと思う人にとっては、大きな手応えを感じられる環境であると思います。