WORK STYLEIHIの働き方

可能性を切り開く
キャリアチャレンジ制度。
意欲とポテンシャルで自ら
異動先を選ぶ

PROFILE

キャリアチャレンジ制度で
未来を選択。畑違いでも
自分がやりたい道を選ぶ

両方 私は2014年8月まで産業機械の設計や開発に携わるエンジニアとして働いていました。当時はエンジニアとしての視点からお客様とのタッチポイントを感じてはいたのですが、既存製品を通じた技術提案はできても、既存製品の枠を越えて製品やビジネスを構築するところまでは難しいと感じていました。もっと技術を使ってどうお客様や社会に貢献していくかと考えたときに、次第に「もっとビジネス全体を俯瞰して見てみたい」と考えるようになったんです。ちょうどその頃に当時の社内公募制度において、新しい事業の育成や発掘を行う新事業推進部の募集があったので、抱えていた希望を叶えたいと思い異動を希望しました。

浦野 私も両方さんと同じく社内公募制度を使って異動しました。入社以来2年ごとに細かい異動はありましたが、一貫して事業用ボイラーの設計にエンジニアとして携わっていました。計6年半ほどボイラー事業に携わる中で、もっとシステムで効率化はできないものかという思いを抱くようになりました。ボイラー事業の中で、最後に所属していたのが系統設計の部門。全体のシステム構築や設備構築などに関する情報の量がとにかく多かったんです。その部署の中でシステムの改善を図り効率化するのも不可能ではありませんでしたが、どうしても本業をやりながらだとペースが落ちてしまいますし、スムーズにも進められません。なんとなくもやもやした気持ちを抱えている時に、現在の高度情報マネジメント統括本部の開発グループの社内公募が出まして。もやもやし続けるよりも、いっそシステムを改善する側に移ったほうが建設的であろうと思い、社内公募制度を利用して異動を希望しました。

両方 当時の社内公募制度の募集は年2回くらいでしたよね。

浦野 そうでしたね。年中でているわけではなかったので、特に異動するつもりはなくても募集の時期にはなんとなく掲示板を見ていました。その習慣のおかげで、タイミングよく異動のチャンスをつかめたと思います。谷本さんはキャリアチャレンジ制度を利用したんですよね?

谷本 はい。私は入社から1年10ヵ月目でキャリアチャレンジ制度を使って異動をしました。入社の時点では産業システム・汎用機械事業領域の子会社に出向して小型圧縮機の開発に携わっていたのですが、個人的には既に圧縮機の技術は成熟してきていると感じ、もっと新しい発展的な技術に携わりたいと考えたのです。世間では石炭エネルギーからの脱却やカーボンソリューションといったキーワードが話題になっています。私自身の性格が新しいものへのチャレンジを望むところもあり、そうした環境に配慮した新エネルギーのジャンルで働いてみたいという気持ちが大きくなり、キャリアチャレンジ制度で異動を希望しました。キャリアチャレンジ制度は通年で利用できますので、お二人のように時期を考える必要がなかったのは助かりました。現在は資源・エネルギー・環境事業領域において、火力発電における石炭やバイオマスなどの燃料を粉砕する機械の設計や、カーボンソリューション技術に関する開発に携わっています。

ルールの違いにギャップは
あれど、自分で環境を作り
上げるやりがいに手応えあり

谷本 お二人とも畑違いの職種への異動ですよね。働く上でどんな違いがありましたか?

両方 異動前も改善・改良に対する意識はありましたがエンジニアでしたので、主に製品に対する技術的な改良に向いていました。また、自分が所属するビジネスユニットの競争力や利益といった、割と限られた範囲に主眼がいっていました。しかし、異動後の新事業推進部のミッションは、IHI全体に関わる成長事業の種を見つけること。技術はバリューチェーンのひとつでしかなくて、もっと大きな枠で会社全体の価値を作っていくように意識が変わりました。
また、非常に仕事の自由度が上がった印象があります。各事業部門はある程度部門内の業務プロセスが決まっていて、やるべきことが結構きっちりしています。一方の新事業推進部は発足から数年だったことと、取り扱う案件も多岐に渡るため、事業部門と比べて部内のルールがまだ明確に定まっていない部分も多かったんです。さらに新事業の開拓がミッションですから、IHIが得意な重厚長大な製品だけでなく、デジタルツインへの取り組みや農業、衛生環境など、あらゆるジャンルの知識に触れていく必要がありました。職種によって求められる視点、姿勢が大きく変わるんだなあ、と痛感したのを覚えています。

浦野 私が異動したタイミングも、当時高度情報マネジメント統括本部ができてから1年半くらい。存在していないルールを自分で作っていくくらいのところから仕事が始まりました。また、自由度が高くなってよかったと思う一方で、仕事のスパンが大きく変わって忙しくなりました。ボイラーの事業は、ひとつの発電所をつくるプロジェクトを2~3年で進めるような長期スパンの仕事。しかし異動後は「2週間後にサンプルを持っていくので、データが見られる画面を作っておいて」というように、ひとつひとつの仕事のスパンが非常に短くなりました。回転よく次々と仕事を進めなければいけないため、短期間でいろいろなことを覚え大変でしたが、きっちりしたルールの中だけで仕事を進めるよりも、自分の裁量の中でどんどん新しい知識を身につける働き方は性に合っているなと思います。

両方 谷本さんは近い職種への異動のようですが、違いは感じましたか?

谷本 異動先ではバイオマスやアンモニアなどの新しいエネルギーを主に扱うのかと思っていましたが、石炭火力発電関係の仕事も比較的多いという事実を知り驚きました。一方で、石炭エネルギーから脱却するためのバイオマス関連技術の開発や、石炭火力発電で培った技術を全く別の分野で生かせないかといった既存の枠組みにとらわれない技術の検討などといった、技術の発展に対する意識は非常に高い環境だなと思いますね。「今の時代に合わせて変化しないといけない」という価値観が浸透していて、新しい時代に即した新しい装置、技術をつくるためのスピード感と行動力に、いつも刺激をもらっています。課題解決に向けた新しいアイデアの話も積極的に聞いてもらえますし、なんとしても新しい技術に繋げていこうという気概に満ちあふれているなと思います。

自分で選んだ道だからこその
納得感。モチベーションの
高さはキャリアチャレンジ制度
ならでは

両方 自分でキャリアを選択できる制度を利用して、結果的によかったと思いますか?

谷本 キャリアチャレンジ制度では、希望先の部署でどんな仕事が待っているのか、かなり細かく教えてもらえました。事前に自分が働くイメージが作りやすかったので、異動にもそれほど不安はありませんでしたね。実際に異動先で働き始めてからも、業務内容に大きなギャップを感じることはありません。
また、自分の仕事が社会に影響を及ぼしていると実感できるようになったのもうれしいです。ニュースを見ればどこの発電所で何をした、政府が環境に対してこういう指針を打ち出したなど、エネルギーに関係する情報が飛び込んできます。自分の仕事が巡り巡って社会の動きの一部になっていると思うと、身が引き締まる思いです。毎日刺激があり充実感を感じていますので、今はこのままエネルギーに関わる仕事を続けていきたいと思っています。現在、政府は「2050年カーボンニュートラルの実現」を掲げています。2050年には、自分は仕事をリードする立場でカーボンニュートラルの推進に携わっていると思います。道のりは険しいと思いますが、なんとかカーボンニュートラルを実現させることができたとき、「この結果は自分の仕事でできているんだ」と胸を張って言いたいですね。

浦野 社内公募制度を利用した異動は、会社からの指示で移るわけではなく、自分で希望して異動するので、最初に腹をくくれるのは大きかったですね。今も何かしら大変な事態はありますけれど、最終的には「自分で選んだ道だしな」という納得感はありますので、やらされている感覚は感じずに仕事をできています。また、一般的に全く新しい職種にチャレンジをしようと思うと、会社を辞めて転職しないといけないじゃないですか。その点社内公募制度やキャリアチャレンジ制度は社内で挑戦ができるので、ある意味気楽だったのもよかったと思います。
高度情報マネジメント統括本部が、社内のDXや社外へ提供するサービス業務の改革に向けた情報整備などを推し進める一方、これまでには最終的に実務に落としきれないケースもありました。そういった課題を解決するには、製造・サービスの現場やお客さまへの泥臭いヒアリングのようなデジタル感ゼロの取り組みも必要です。一方で現場の困りごとに着目しすぎてしまっても、本当に事業として困っていること、今後目指していくべきことからそれていってしまう恐れもあります。そういったバランスをうまくとりながら業務を進めていくことで、IHIのライフサイクルビジネス拡大につながる施策を地に足のついた形で実現していきたいと思っています。

両方 私も浦野さんと似ていますが、やはり自分の意思で異動先を決めていますので、モチベーション高く働けていますね。どんなきっかけで異動をしたとしても、大なり小なり不満やギャップは生まれるものです。しかし自分の意思で決めた異動ですので、多少事前の情報やイメージと違っていても、新たに積み上げたものを感じながらやる気を持って仕事に取り組めているのはよい結果だなと思います。
幸い今の部署は性に合っているようで、楽しく仕事に取り組めています。エンジニアからスタートし、社内公募制度を使って新事業の事業企画に異動。現在所属している戦略技術統括本部では、さらに大枠で会社の将来を考える役割を担っています。今後もさらに広い視野と高い視座から、事業戦略の企画・立案・遂行に深く関わっていきたいですね。社内の制度を利用して新しい道を選んだ結果を、しっかりと会社にも還元していきたいと思っています。

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