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航空・宇宙・防衛 金属・材料系

押野宏誠

航空宇宙事業本部 技術開発センター
材料技術部
2002年入社
工学部 材料加工学科
材料システム工学専攻 修了

押野宏誠

新素材へのチャレンジが、次世代エンジンの可能性を広げる。

押野宏誠

新素材の性能を見えるようにする技術支援が役割。

『テクノロジーの塊』と言われるジェットエンジンにおいて、軽量化・高効率化は大きな課題だ。その課題に応えるのが、今までにない性能・特質を備えた新素材料の適用と言えるだろう。しかし、第一に安全性・安定性が求められる航空業界のハードルは高い。十分な検討と評価を重ね、製造工程における問題をクリアし、厳格な基準のある航空局の認可を受け、初めて実用化が可能になるからだ。新材料・新素材の適用に尽力する押野は言う。
「新材料は、製造時に想定外のトラブル発生をすることが往々にあります。それを未然に防ぎ、材料が要求する品質・安定性を満たしているか評価し、問題がある場合は設計と製造元の間に立つインターフェイスの役割もします」
設計者が介入できない材料領域で、求められる性能を維持しながら加工しやすい形状を提案したり、製造元と共に高精度な材料を実現する製造方法を検討をしたりする。ボーイング787に搭載されるGEnxの開発時から積み上げてきた押野の努力は着実に実を結んでいるという。
「当時は非常に開発期間が短く、しかも複雑な製品形状が要求され技術的な課題も多かった。製造上の技術的課題を解決するために、製造元と設計の双方に最適な方法を模索する日々が続きました。何度も続けるうちに徐々に課題がクリアされ、製造側のエンジニアが喜ぶ姿を目にした時は、良かったと思いましたね」
材料技術のもう一つの役割は、エンジン設計に使用する素材製造技術・材料の強度データの取得や管理だ。
「エンジン設計の際に、その材料が持つ性能を数値化し、製造時の品質や強度のバラつきもデータ化して提供します。バラつきが最少となるように工程確立を図っても、どうしても避けられない製造上のバラつきがあり、それを踏まえて設計する必要があるからです」
新素材は、確立された工程で製造された素材を使って膨大なデータを取得することで、初めて適用可能と認めてもらえるのだ。押野の技術支援が次世代エンジンの開発を支えている。

新素材を世界中の空に。

現在、民間航空機用のエンジン開発では国際共同開発を行うことが一般的である。押野の目標は、IHIが取り仕切るカタチでエンジン開発に関わることだという。
「IHIでは現在、高強度のディスク・シャフト材や単結晶材料などの金属材料、CMC、繊維強化セラミックといった新しい複合材の開発など、より軽くて高温に耐えられる材料へのチャレンジを積極的に進めています。こうした新材料を実用化できれば、競争力のある独自エンジンの開発も可能だと考えています。そうしたら、IHIという冠をつけた航空エンジンが世界の空を飛ぶ日も夢ではないと思います」
押野の想いが届く日は、そう遠くないのかもしれない。

押野宏誠

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