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産業システム・汎用機械 電気・電子系

野武幸輝

産業・ロジスティックスセクター
リチウムイオン電池プロジェクト部
技術・生産グループ
2008年入社
電気電子情報工学科 卒

野武幸輝

世界初を成し遂げ、リチウムイオン電池を先駆する。

野武幸輝

EVバス用リチウムイオン電池システムを担当し、路線運行実用化に成功。

2009年、IHIはアメリカのリチウムイオン電池メーカーであるA123 Systems社との事業提携によりリチウムイオン事業に新規参入しました。私は事業の開始当初からリチウムイオン電池システムの設計・開発に携わっています。事業開始当初からの10ヵ月間は、事業提携先の企業に駐在し、リチウムイオン電池の技術のシステム設計技術を習得しました。アメリカから帰国後、最初の業務として車載用リチウムイオン電池システムの設計・開発を担当。日本国内大手バスメーカーが初めて開発するEVバスに採用され、EVバスによる営業路線運行の実現に大きく貢献しました。現在、東京の墨田区と羽村市、石川県の小松市の3か所で実際に路線バスとして営業されており、現在も毎日運行されています。
IHIでは、これらのEVバスの路線運行に開始当初から、リチウムイオン電池システムに関するデータ解析を実施しています。そのデータをもとに運用の最適化、問題点の洗い出しと改善、お客様と調整しながら次期製品の仕様検討・設計開発を行うのも私の大切な役割です。また、リチウムイオン電池を出荷する際の検査工程の最適化と効率化のため、出荷検査項目の選定とその規格化・自動化・高速化の検討にも取り組んでいます。当然ながら製品の安全性を第一に考えなければならず、実用化には非常にきめ細かい検証・確認作業が求められます。路線運行開始後には毎日の運行を止めないことが最優先であり、トラブルの発生時にはすぐに現場に駆けつけて対応しました。その様な苦労を経験したので、実際に路線を走るEVバスに親にせがんで乗りたがる子どもたちの姿を目にした時はうれしくて感動するとともに、自分の仕事と技術が社会に貢献していることを実感しました。

蓄積データは新たな発見や発明の宝庫。大型リチウムイオン電池の普及を加速させる。

リチウムイオン電池は発明から約25年ほどが経ちますが、EVバス用の様な大型リチウムイオン電池システムは世の中でも未だ確立されていない新技術のため未知の問題に直面することが多々あります。誰かに質問したくても私より詳しい人間がいないという実状であり、自分で勉強するか実験するかしか方法がなくて当初は苦労しました。現在は、実際に運行するEVバスの膨大なデータを解析する中で新たな発見や発明があり、技術者として非常に面白い経験を積んでいます。また、リチウムイオン電池は劣化予測が難しく、世界的にも予測のための研究が行われていますが未だ確立されていません。しかしEVバスは運行コースと時刻表が決まっているため、毎日規則的データが取りやすく、劣化予測のためのデータ収集に向いているというメリットがあります。こうしたデータと知見の蓄積が、IHIの強みにもなりますし、将来の大型リチウムイオン電池の普及に向けた足がかりにもなります。

野武幸輝

野武幸輝

夢は世界で通用するエンジニア。

リチウムイオン電池事業はIHIがゼロから始めた新事業であるためバックグラウンドがなく、事業開始から4年たった今でも技術的な課題は数多く残っています。EVバスは現在の段階では少数生産なので成功していますが将来の量産化にあたっては設計段階から品質管理の手法を検討しておかないと、場合によっては大量の不良品を出してしまうことも考えられます。これらは全て乗り越えていかなければならない壁です。苦難の道というよりも、私自身は楽しみながら挑んでいきたいと考えています。今は経験のある技術者もいないので、活躍できる場所はたくさんあります。難しさはあるが、やりがいもある。そういう部分がこの仕事の魅力だと思います。

就活中の学生へのメッセージ

大学で学んだことを仕事に活かしたいという人は多いと思います。私は大学院で2年間、半導体について研究していたので、「半導体メーカーに就職しないともったいない」と言う人もいました。会社で何十年もやることに比べたら、大学の研究はたった数年間です。大切なのは、大学で研究してきた中身より、勉強をしてきたということ。その過程で得た知識や技術はどの会社でも必ず活かせます。就職活動では、大学での研究に縛られたりせず、自分のやりたいことを基準に会社を選んだほうがいいと思います。

野武幸輝

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