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研究開発・IT 金属・材料系

柳原有紗

技術開発本部 生産技術センター
生産基盤技術部 検査・計測グループ
2008年入社
理工学部 物質開発工学科 卒

柳原有紗

「検査技術」の側面からIHI製品の品質向上に寄与する。

柳原有紗

見えない内部を外から見る非破壊検査の研究開発。

生産技術センターでは、IHIグループのモノづくりに欠かせない溶接や加工、塗装・防食、検査・計測に関する研究開発を行っています。その中で私は入社以来、検査・計測のグループに所属し、非破壊検査技術の研究開発と、新技術を展開する際の現場支援を担当しています。非破壊検査とは名称の通り、対象物を壊さず、物理現象を応用して表面や内部の状態を調べる技術。よく知られたところでは、光による果物の糖度測定、叩いた時の音の違いから判断する打音検査、空港の手荷物検査で使われているX線検査などがあり、私は主に超音波を用いた非破壊検査の研究開発に取り組んでいます。橋梁や発電プラント、航空機などの製造時における製品検査、供用中の製品の定期検査などで超音波検査がすでに広く使われている中で、精度や使い勝手をより一層高めるとともに用途を拡大するための努力を続けています。
この仕事の醍醐味は、見えないものを相手にするところ。「何をしたらどんな反応が返ってくるか?」「それはなぜか?」を考えるのは非常に面白くて、有効な検査技術を確立できた時の達成感はこの上ありません。検査を行うにあたり対象物の材料に関する知識は必須であり、大学時代に培った知識が役立っています。電気系の人なら信号処理の方法などで専門知識を活かすことができ、さまざまなバックグラウンドの人が活躍できるのもこの仕事の魅力だと感じます。

開発技術を現場に適用する、難しさとやりがいを実感。

入社3〜4年目の頃、橋梁の鋼-コンクリート合成床版のコンクリート充填確認に対して、超音波による検査技術を適用した仕事は貴重な経験になりました。床版とは道路のアスファルト面の下に設けられる構造物で、主にコンクリートもしくは鋼でつくられます。これを鋼の枠の中にコンクリートを流して一体化させてつくるのが鋼-コンクリート合成床版。通常のコンクリート構造物ならコンクリートを流した後に木の型枠を外すため目視で充填状態を確認できますが、合成床版ではそれができず、非破壊検査の導入が求められていたのです。
この時は高速道路の橋梁で、高所での屋外作業は実験室とは全く異なる環境なので、そのような環境の違いを考慮した装置の改良などによる効率のよい検査が求められました。ぎりぎりまで小型化したつもりでも、重量や使い勝手でさまざまな課題が出ることや、お客さまへ開発技術の概要をわかりやすくご説明することなど、新たな技術を現場に適用する難しさを実感するとともに、それを乗り越えるやりがいを改めて知りました。

柳原有紗

柳原有紗

事業部門や工場などの横の連携を活発化していく。

複合材の採用など、IHIの製品に使われる材料は今まで以上に多様化・高度化しています。そうした製品の進化にも的確に対応する検査技術を生み出していくのが、私たちの大きな使命。そして、新製品にも非破壊検査の適用を広げ、IHI製品の品質向上に広く貢献したいと考えています。また、既に確立した検査技術を新製品に応用する、実機適用の際に現場で得た情報を設計や工場に伝えるなど、部門・部署を超えた横の連携にも積極的に取り組んでいくつもりです。そのためには私自身のスキルアップも重要になるため、海外の機関との共同研究や留学なども経験したいと思っています。部署の上司や先輩の多くも留学や海外長期出張に出ており、そう遠くない将来に実現できるように意識して日々の業務に取り組んでいます。

就活中の学生へのメッセージ

私自身の経験から、就職活動は「自分が本当にやりたいことは何か」を見つめ直す格好の機会だと思っています。実際に会社に入ってからでなければわからないことはたくさんあるので、働く前の想像で「これはできない」と制限をかけてしまうのは本当にもったいないこと。まずは自分のやりたいことに正直に向き合って答えを見つけ、訪問先の企業にもそれをしっかり伝えることで、望む道は自ずと拓かれるのではないでしょうか。

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