開催:平成21年5月13日~7月22日(水・土曜日開館)
2009年は、石川島ブラジル造船所(略称:イシブラス)が設立されて50年にあたります。
1958(昭和33)年1月、石川島重工業社長の土光敏夫は、ブラジル リオ・デ・ジャネイロに現地政府当局との合弁による造船所の設立を決め、議定書に調印しました。
日本からブラジルまでの距離はおよそ20,000km。船では太平洋を渡り、パナマ運河を通過しての40日、飛行機でもプロペラ機を乗り継いで4日間にわたる長い旅です。日本企業の海外進出がまだ盛んでなかったにもかかわらず、“地球の反対側の遥かなる国”への進出は、土光にとっては当然の挑戦でした。
1959(昭和34)年1月、リオ・デ・ジャネイロに現地政府当局とIHIの出資による日本・ブラジル合弁の造船・重工業会社「Ishikawajima do Brasil-Estaleiros S.A.」(石川島ブラジル造船所:略称“イシブラス”)が設立されました。
その後イシブラスは、中南米最大、随一の造船・重工業会社として発展し、35年の歴史の中で、各種船舶や海洋構造物、大型舶用ディーゼルエンジン、そして高炉、圧延機、水門、クレーンなどの陸上機械を、ブラジル国内のみならず周辺各国に提供してきました。
ブラジル経済の悪化により、1994(平成6)年イシブラスは現地の大手造船会社エマキ・ベロルメ社と合併し、インダストリア・ベロルメ・イシブラスとなりましたが、イシブラスは日本企業による海外進出のパイオニアとして大きな足跡を残すものであり、日本とブラジルの交流に大きな貢献を果たしてきました。
特別展では、資料や映像で、イシブラスがブラジルに残した足跡をたどります。是非ご来館ください。