ビジネスプロセス
官公庁や民間資本から発注される国内外の橋梁・水門などの建設・改修や大規模改築・更新などの工事を受注し、長年国内外で培った設計・調達・製造・建設・補修の技術を駆使し工事を完成させ、社会資本の整備や国際社会の発展に貢献しています。
将来ビジョン
新たなビジネスモデルの確立に向けて
橋梁事業は、昨今、急速に進歩を遂げているBIM／CIMなどICT技術を積極的に取り込み、工事の合理化・自動化を進めています。
水門事業においては、昨今の大雨による災害に対してダム・堰の機能アップなどの水門設備工事のみでなく、センシング技術を活用して水門設備の遠隔監視操作など制御情報システムにおける治水・利水設備の維持管理・整備をビジネスとして捉え、事業の拡大を目指します。海外インフラ事業は、単に橋梁や水門を製作・建設するだけではありません。設計・建設から運営管理までを含めたコンセッション事業に参画できる会社となるべく、事業基盤を強化し、さらに事業を拡大させていきます
みなさんの周りにある橋梁や水門で、
IHIインフラシステム・
IHIインフラ建設が携わったものがたくさんあります。
地震・津波・台風といった自然災害が多発する日本
IHIインフラシステム・IHIインフラ建設は、高い技術力によってインフラの強靭化に貢献してきました
IHIインフラシステム・IHIインフラ建設の事業は日本国内だけにとどまりません
これまで多くの海外大型プロジェクトに携わってきました
SDGs
（Sustainable Development Goals）
SDGsは、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
IHIインフラシステム・IHIインフラ建設では、自然と技術が調和する社会を目指し、強靱なインフラ構築に日々取り組んでいます。詳しいSDGsへの取り組みはこちらで紹介しております。
明石海峡大橋
発注者
本州四国連絡橋公団
形式
3径間2ヒンジ補剛トラス吊り橋
架設工法
ケーブル直吊り工法
施工年度
1997年
所在地
兵庫県
1997年に着工から約12年かけて完成したこの橋は、最大支間長が1,991mを誇る世界最大級の吊り橋です。主塔の高さは海面上約300mもあり、毎秒80mで吹く暴風にも耐えられる高い精度が求められました。IHIインフラシステムでは100分の1の全橋模型を作成して、大型施設での試験を繰り返すことでこの期待に応えました。現在では四国と本州をつなぐ、重要な交通インフラとして人々の生活を支えています。
八ツ場ダム
発注者
関東地方整備局
形式
高圧ラジアルゲート（主ゲート）
寸法
幅4.85m×高さ4.85m
完成年
2020年
所在地
群馬県
利根川流域の支流の一つ吾妻川（あがつまがわ）の中流に建設された多目的ダムです。また幾度かの計画見直しに伴って、吾妻川の流量維持や水力発電の目的も加わっています。2019年に関東地方を直撃した大型の台風19号は、当時まだ試験湛水を始めたばかりだった八ッ場ダムの水かさを一夜にして約54m（7500万m3=25mプール約20万杯分）も上昇させました。ダムの下流では氾濫危険水位まであと1mほどに迫っていた地域もあり、八ッ場ダムがこれだけの水を貯水していなければ、台風による被害がさらに拡大していた可能性がありました。ダムの治水機能が改めて見直された事例です。 ※試験湛水：実験的に水を溜めること
横浜ベイブリッジ
発注者
首都高速道路公団
橋梁形式
3径間連続トラス斜張橋
架設工法
ＦＣ一括架設＋キャンチレバー工法
施工年度
1989年
所在地
神奈川県
横浜湾のシンボルであり、横浜市内の渋滞を緩和する目的で建設された日本有数の斜張橋です。上層に首都高速道路、下層には国道357号線が通る2層構造になっています。夜にはライトアップがされ、時間帯によって異なる色が横浜の夜を彩ります。
※斜張橋：塔から斜めに張ったケーブルを支えとして利用した吊り橋。
一ツ瀬ダム
発注者
九州電力株式会社
形式
直線多段式ゲート
寸法
幅14m
完成年
1974年
所在地
宮崎県西都市
西都市に造られた九州最大級の規模のアーチ式ダム。貯水だけでなく水力発電の役割も担い、人々の生活を支えています。魚釣りやの観光名所でもあり、訪れるとその迫力に圧倒されることでしょう。
戎橋
発注者
大阪市
形式
単純鋼床鈑桁橋
概要
橋長：26.0m 鋼重：188t
竣工年
2008年
所在地
大阪府大阪市
戎橋は商売繁盛の神様で有名な今宮戎神社への参道にあたると言われており、大阪の中心部である心斎橋筋と戎橋筋の間を流れる道頓堀川に架かる人道橋で平成19年に架け替えられました。大阪のシンボルとして観光客も多く訪れる橋梁です。
岩淵水門
発注者
関東地方整備局 荒川上流河川事務所
形式
鋼製ローラーゲート
概要
幅20m×高さ16m 3門
竣工年
1982年
所在地
東京都北区
荒川（荒川放水路）と隅田川の分派点にある旧岩淵水門（赤水門）は、隅田川の氾濫を防止するために1924年（大正13年）に建設された。現在、その役目は旧岩淵水門から岩淵水門（青水門）へ引き継がれ、合わせて約100年余りの間、大都市・東京を守り続けている。令和元年東日本台風では、岩淵水門を12年ぶりに閉鎖し、隅田川の洪水氾濫を防止した。
百間川河口水門
発注者
中国地方整備局 岡山河川事務所
形式
①シェル構造ローラゲート 6門
②ライジングセクタゲート 3門
概要
①昭和水門（呉造船所）
②平成水門（IHIインフラシステム）
竣工年
①1967年
②2014年
所在地
岡山市
百間川（ひゃっけんがわ）は岡山県岡山市南部にある人工河川で旭川放水路とも呼ばれております。その最下流に位置する百間河口水門には昭和水門・平成水門がありますが、前者は呉造船所、後者はIHIインフラシステムが施工に携わっており、IHIグループにとって大変ゆかりの深い水門となっております。
小赤川橋
（2021年むつ市・風間浦村豪雨災害）
発注者
東北地方整備局 青森河川国道事務所
形式
応急組立橋（トライアス）
※東北技術事務所保有（IIK納入）
寸法
橋長：40m 幅員：4m
施工年度
2021年
所在地
青森県むつ市
むつ市大畑町の小赤橋が崩落し、道路が寸断された。橋の崩落により、人流、物流がストップした。国土交通省東北地方整備局は、崩落した小赤川橋の仮橋設置に着手する。着工からわずか3日で完成した。その早さと技術力にむつ市の市長は「しもきた国土交通三日橋」と命名した。
気仙川水門
（2011年東日本大震災復興事業）
発注者
岩手県
形式
シェル構造サーニットゲート
寸法
幅34.2m×高さ6.0m
完成年
2020年
所在地
岩手県陸前高田市
2011年3月11日に東日本を襲った大津波は、気仙川にも大きな被害をもたらしました。被災後、堤防設備の導入が決定し、景観・生活環境への影響が比較的小さく、短い工期でコストを抑えられる水門式の堤防が採用されました。東日本大震災の際には、水門・陸こうの閉鎖を担当していた作業員が被災したことから、新たに「水門・陸こう自動閉鎖システム」が導入されました。このシステムでは気象庁が発令するJアラートを受信すると、自動で水門・陸こうが閉鎖されます。震災での被災経験を生かして、より地域の安全性を高めることに寄与しています。
※陸こう（陸閘）：堤防を切って設けられた河川への出入り口を閉鎖する門。洪水の際に陸閘を閉めると堤防としての役割を果たす。
関西空港連絡橋
（2018年台風21号復旧工事）
発注者
関西国際空港株式会社
橋梁形式
連続トラス橋
架設工法
トラッククレーンベント工法＋FC一括架設
施工年度
1993年
所在地
大阪府
復旧工事の中でも特に短期かつ高い技術力が求められたのが、関西国際空港連絡橋の修復工事です。2018年9月に近畿地方に上陸した台風21号によって、大型タンカーが連絡橋に激突し、橋が大きく損傷しました。 関西空港と陸地を結ぶ唯一の橋が損傷したことで、一時は通行止め、さらには半年以上にわたり対面通行のみの状態が続きました。橋の架設に携わっていたことや今までの実績と技術力が評価され、この復旧工事の依頼が国から直々にIHIインフラシステムに舞い込みました。通常なら1年以上かかる復旧工事を8か月という短期で完了させるため、多くの社員が一丸となって対応にあたりました。その甲斐あって、当初の計画よりさらに短い約7か月で完全復旧を成し遂げました。
淀川陸閘
（陸閘訓練時点検）
発注者
近畿地方整備局 淀川河川事務所
構造
180度回転式
径間（幅）
24m
完成年
1993年※180度回転式に構造変更
所在地
大阪府
「陸閘(りっこう)」とは、鋼製のゲート等で堤防より低い部分を塞いで、暫定的に堤防の役割を果たすものです。国道2号淀川大橋に設置された陸閘では、全国で唯一の180°回転式のゲートを採用しています。国道2号淀川大橋、国道43号伝法大橋、阪神なんば線淀川橋梁等は車両等が通行する橋面の高さが堤防より低く、堤防が欠損した状態となっています。そのため、洪水・高潮等により沿川地域へ浸水被害が出ないよう不足した堤防の高さを補う防潮鉄扉を設置し、沿川地域を洪水の被害から守っています。
新阿蘇大橋
（2021年熊本地震）
発注者
九州地方整備局 熊本復興事務所
形式
上部工：PC3径間連続ラーメン箱桁橋
寸法
橋長：345m（最大支間：165m）
全幅員：10.5m
竣工年
2021年
所在地
熊本県阿蘇郡
国道325号阿蘇大橋は、熊本県と大分県を結ぶ国道57号から宮崎県高千穂町につながる国小津325号が分岐する地点にあり、物流や観光等のネットワークの重要な役割をになっていました。しかし、熊本地震により落橋し全面通行止めとなったため、国小津325号線阿蘇大橋を新設し復興させる工事でした。
オスマン・ガーズィー橋
発注者
トルコ共和国 運輸海事通信省 道路総局
橋梁形式
吊り橋
架設工法
ケーブル直吊り工法
施工年度
2016年
所在地
トルコ共和国 イズミット湾
トルコの最大都市であるイスタンブールとトルコ第3の都市であるイズミル市を結ぶ高速道路プロジェクトの一部で、イズミット湾を縦断する巨大吊り橋です。施工期間は約3年6か月、建設担当会社はIHIインフラシステムの単独受注となり、IHIインフラシステムの技術力が大いに試された海外の大型プロジェクトでした。橋の全長が2,682メートル、中央径間は1,550メートル、完成当初は世界第4位の吊り橋でした。この橋が開通したことで、イズミット湾の縦断が従来の1時間から約6分に短縮され、地域の交通利便性が格段に向上しました。地域活性化及び経済発展がより一層期待されています。
ナムニアップ1ダム
発注者
NAM NGIEP 1 POWER COMPANY LTD
形式
クレストラジアルゲート
寸法
幅12.25m×高さ14.71m
完成年
2019年
所在地
ラオス
ラオスの首都から北東に約150㎞離れたボリカン群にあるナムニアップ川（メコン川の支流）に建設された水力発電所です。IHIインフラシステムでは初めてラオスでの水門鉄管工事となり、主にダムのゲートや水圧鉄管の製作・輸送・据付などを担当しました。この水力発電で発電した電力の多くは隣国のタイに輸出されるなど、豊富な水資源の活用を通して、ラオスの経済発展に貢献するプロジェクトです。
ニャッタン橋
（日越友好橋）
発注者
ベトナム社会主義共和国
交通運輸省 PMU85
橋梁形式
6径間連続合成斜張橋
架設工法
クローラークレーン＋バランシング張出工法
施工年度
2014年
所在地
ベトナム社会主義共和国 ハノイ市
ベトナムの首都ハノイを横断する紅河に架かる橋です。首都と主要空港であるノイバイ空港を結ぶ斜張橋でもあります。この橋が架かるまでハノイ市内には車が集中し交通渋滞が常態化していました。本橋の完成によって、市内の通渋滞緩和とさらなる経済発展への期待が込められています。この工事に合わせてIHIインフラシステムではベトナムのハイフォンに工場を設立しました。現地で橋桁を製造することで、ベトナムへの技術の伝承を図ることに成功しています。ニャッタン橋はハノイ市遷都1000周年を記念して、日本の円借款を利用して建設されました。そのため、日本とベトナムの友好のシンボルとなることを込めて「日越友好橋」とも呼ばれることがあります。
