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オスマン・ガーズィー橋の施工

施工の様子を動画でご覧いただけます。

世界第4位,トルコ最大の吊橋となる「オスマン・ガーズィー橋」は42ヵ月という短い期間で建設されました。これは本四架橋や海外案件で数多くの実績を重ねてきたIHIグループの技術力を結集して達成したものです。

その建設は大きく5つに分類されます。①北岸・南岸でのアンカレッジ工事,②主塔基礎工事,③主塔の製作・架設,④ケーブル架設,⑤補剛桁(車が走る部分)の製作・架設,です。

① ケーブルを地面に固定するアンカレッジは,南北とも重力式のコンクリート構造物です。北岸は地盤が強固なため,地面を掘削して直接コンクリートを施工しました。南岸は遠浅で軟弱な地盤を埋め立て,周りを地中連続壁で囲んだコンクリート躯体を採用しました。
② 主塔基礎は経済性と安全性を両立する構造として,内部を海水で満たしたコンクリートケーソンと鋼・コンクリート合成シャフトからなる構造を採用しました。下半分を陸上で,上半分を海上で製作した後,海水を注入することで設計位置に沈めて,海底面に敷いた砕石層の上に設置しました。これは吊橋として世界初の免震機構となっています。
③ 海外の吊橋ではコンクリート製主塔が一般的ですが,工期短縮のため,主塔基礎の施工と並行してブロックの製作ができる鋼製主塔を採用しました。ブロック製作はトルコ国内の鋼構造物工場で行いました。主塔の下半分は1,200t吊の起重機船(FC)によるブロックごとの架設,上半分は下段水平梁に設置したジブクライミングクレーンによるパネルごとの架設を行い,わずか6ヵ月間で南北2本の主塔を完成させました。
④ ケーブル架設は空中足場となるキャットウォークを建設し,この上で作業を行いました。本工事では短工期を実現できるPPWS工法(工場製作平行線ストランド,工場で予めある程度の大きさに束ねた鋼製ワイヤ(ストランド)を現場で南北に渡し,太いケーブルを形成する方法)を採用しました。
⑤ 補剛桁は風による振動の影響を受けにくくした,鋼製の平たい六角形断面をしています。主塔付近など一部は1,200t吊の起重機船によるブロック架設とし,大部分のブロックはケーブル上に設置した吊上げ装置によって,バージから直接吊上げて架設しました。南北2ヵ所ずつの計4カ所で同時に作業を進めた結果,約2kmの補剛桁をわずか3週間で架設完了しました。さらに舗装工事・照明柱の設置など,さまざまな工事を並行して実施,管理することで,2ヵ月後に交通開放するという記録的な早さを達成しました。

この橋の建設はトルコ国内でも注目されており,大統領をはじめとする政府高官が現場視察を行うなど,期待がありました。開通前夜に行われた開通式典では,困難な工事を完遂した労をねぎらっていただくことができました。

日本では本四架橋以来15年以上長大吊橋の建設が無く,技術の伝承が危惧されていましたが,当時を知る技術者と日本の若手技術者・トルコ人技術者とが一緒になって工事を進める中で,技術の世代継承とトルコへの技術移転に大いに貢献することができました。

工事概要

発注者 トルコ共和国 運輸海事通信省 道路総局
所在地 トルコ共和国 イズミット湾
完成年 2016年
橋長 2,682m
鋼重 70,490t(主塔、橋桁、ケーブル)
特長 トルコ最大の都市であるイスタンブールと第3の都市であるイズミルを結ぶ全長420kmの高速道路の一部として建設された、世界第4位の中央経間長1550mを有する3経間連続長大吊橋。

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