幼き日の夢を実現する
仕事に就く喜び
M.F.株式会社IHIエアロスペース
経営企画部 事業開発グループ グループ長
学部生時代は機械工学を学び、修士では熱流体を研究しました。修士修了後は日産自動車に入社し、宇宙航空事業部に配属。2000年の日産自動車宇宙航空部門の事業譲渡にともないIHIへ転籍し、IHIエアロスペースへ出向しました。入社後は宇宙ステーションきぼう補給部曝露区の熱設計や飛行中のロケットにおける外部や内部のガスの流れを解くCFD解析を担当しました。現在は経営企画部内の事業開発グループに所属し、IHIエアロスペースの3本柱である航空機複合材事業、防衛事業、宇宙事業の事業開発を行っています。
社会人になってから現在まで、私のキャリアは常に宇宙と共にありました。大学、大学院と進んだ理由は、小さな頃から「ロケットを作りたい」という思いを抱き続けていたから。小学生の頃に夜空に輝く星を見て「あそこに行ってみたい」と願い、図書館で宇宙について調べるほどに強まった思いが、私の背中を押し続けてくれました。「いつか自分の手でロケットを作りたい」という私の夢を友達に話したときには無理だと言われましたが、私の思いは消えることはありませんでした。あれから長い時間が経ちましたが、今も私の夢は変わりません。現在はものづくりの現場を離れ、事業開発の分野で働いていますが、立場が変わっても常に宇宙開発の一翼を担っているという実感があります。そんな毎日を過ごせるIHIは、私にとって最高の場所であると感じています。
私が携わる事業開発という仕事は、会社の未来を創ることがミッションです。会社が持っているノウハウや技術をベースに、5年後10年後に形になるような新しい事業を探すことが求められています。航空、防衛、宇宙ビジネスは、長期的な取り組みが求められます。材料調達に1年以上の時間がかかることもありますし、さらに開発や試験に複数年を費やすことも珍しくありません。
こうした長期的なビジネスを成功に導くためには、常に新しい情報を幅広い領域で収集しながら、関わる人々と充実したコミュニケーションをとり続ける必要があります。将来お客様になるであろう方たちのニーズを探りつつ、数年後に必要になるものを先読みする作業は決して簡単なものではありません。しかし、だからこそ未来を切り拓いているという手応えを感じられるのと同時に、私自身の夢である宇宙へ繋がるものづくりができているという実感を得ることができます。今日の私の仕事が、5年後10年後の会社の未来に繋がるという事実は緊張感を伴いますが、同時に宇宙へ近づいているという手応えにいつもワクワクを感じています。
今、宇宙を取り巻くビジネスは大きな変動の時期を迎えています。従来の宇宙ビジネスは主に NASAやJAXAといった政府機関が中心となり、大規模な予算とリソースを投入して宇宙開発を進めてきましたが、「ニュースペース」と呼ばれる民間の宇宙ベンチャー企業が続々と参入し、業界の常識がどんどんと塗り替えられているのは間違いありません。いつどこで新たな可能性の種が見つかるのかはわかりません。IHIエアロスペースは、そんな時代に対応し、新しい発想をもたらしてくれる人財が活躍できる場所になるよう変化を続けています。
新しい発想をもたらしてくれるのはどのような人財なのか。それは自分ならではの軸を持っている人に他ならないと感じています。宇宙ビジネスだからといって、宇宙工学の専門家ばかりが集まる集団は、いずれ行き詰まりの時を迎えるでしょう。5年後10年後に繋がるビジネスに大切なのは、熱量と多角的な視点です。技術的には必ずしも航空宇宙を専門にしている必要はありませんし、技術以外にも、法律やマーケティングなど、多様な専門性と新たな価値創出への情熱が、次世代のビジネス創出の原動力となります。宇宙とは直接繋がらないように見える専門性が、これまで見えていなかった新しい可能性を見出し、新しい世界を切り開いてくれることを期待しています。
IHIという会社は、あらゆるステージでさまざまなスキルを活かせる場所。ロケットを飛ばす事業においても、あらゆる専門家の力が必要です。もし心の片隅に宇宙への憧れを抱いているなら、ぜひあなたの専門性を貸してください。ご自身の力を存分に奮って活躍したい方のご参加を心よりお待ちしています。