技術開発本部
生産技術センター 溶接技術部 基礎グループ
2002年入社
工学研究科 生産加工専攻 修了
技術アタッシェとしてロンドンのIELに出向していた2年はあっという間でした。ヨーロッパの様々な研究機関やメーカーと関係を築き、その後の欧州アタッシェたちに引き継げたのは大きな成果だったと感じています。そしてロンドンから赴任前に所属していたグループに戻ると、自分の立場が大きく変わることになりました。部内構成の変更と先輩の異動により、溶接技術部基礎グループ内の界面チーム(界面接合現象の研究を担当。基礎グループはこの他に冶金、構造のチームで構成)のリーダーを任されることになったのです。
溶接・接合技術は古くからある技術で、成熟した技術領域と思われる方もいるかもしれません。IHIも長年取り組んできた領域であり豊富な知見を蓄積しています。しかし近年富に、材料や溶接・接合装置、解析技術等が大きく進化し、溶接・接合技術により新たな可能性が広がってきていると感じています。この流れに対応し先行すべくIHIも研究開発体制の拡充を進める中で、界面チームのリーダーを私が務めることになったのです。
私が入社した当時、固相(界面)接合は用途が限られる特殊な技術で、先輩と私の2人で地道に取り組んでいたような状況でした。それが今では適用範囲が広がり、何人もの技術者を擁するチームになり、そのチームリーダーを務めることになるなど想像もしていませんでした。
帰国してすぐから固相接合技術が必要になる新事業の立ち上げに加わり、忙しさが増してきました。管理職にもなり、自分の研究に専念できない悩みを抱えつつも、私の判断で各メンバーの研究が進むチーム運営や、プロジェクトでの様々な部署との調整など、これまで経験したことのない重責にやり甲斐を感じています。
私は新卒で生産技術センターに配属された初めての女性社員ですが、研究開発部門という特性もあり、入社以来、男女の差を感じたことはありません。時どきによって変わった研究テーマも、今の管理職としての役割も、自分の希望や経験から自然に託されたものだと思います。実は半年ほど前に結婚したのですが、夫は仕事の関係で関西に単身赴任中。普段の暮らしは独身時代と何も変わらなくて、しばらくは仕事中心の生活が続きそうです。
「ポジティブアクション」とは、女性に対しての積極的改善措置(女性の活躍や格差解消)のことで、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取り組みです。IHIは、「ポジティブ・アクション情報ポータルサイト」を通じて女性活躍推進支援のために積極的にPRしていきます。