宇宙太陽光発電
マイクロ波無線電力伝送地上試験実用化実証(受電部)(C)JAXA
宇宙太陽光発電システム(SSPS:Space Solar Power System)は、宇宙空間において太陽光により発電し、そのエネルギーを地上へ送電して、地上において電力として利用する新しいエネルギーシステムです。 環境にやさしい自然エネルギーを利用した低CO2発電システムであり、地上における太陽光 発電に比べ昼夜・天候に左右されず、安定的に発電が可能であり、約10倍の電力を得ることが可能です。 IHIエアロスペースでは、SSPSの実現に向け、キー技術であるマイクロ波電力伝送技術の開発に取り組んでいます。SSPSでは衛星軌道上から電力を送電するため、高出力化・高効率化・軽量化といった技術課題があり、それらに対して着実に研究を進めています。
発送電一体型パネル 地上評価モデル
発送電一体型パネル(PGTP)とは、将来のSSPSとして提案されているUSEF2006モデルの、中核を成すコンポーネントであり、太陽電池と、その発電電力をマイクロ波に変換して送電する送電装置がパネル状に一体となったものを指します。 2019~2023年度にかけ、PGTP地上評価モデルの開発と評価を行いました。その評価の結果、所定の機能を有すること、また太陽光により発電した電力のみで送電可能なことなどが確認され、当初に予定していた開発目標を達成しました。

本開発は経済産業省事業「宇宙太陽光発電における無線送受電技術高効率化等研究開発事業」の一環として一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構より受託し、株式会社IHIエアロスペースが実施したものです。