「脱CO2・炭素循環型社会」の実現には、人間社会生活を営む上で出てしまう「CO2」を水素と反応させて「価値あるものに変える」カーボンリサイクル技術が必要不可欠です。IHIグループは、CO2から都市ガスの原料メタンガスをつくる「メタネーション技術」や、プラスチックの原料となる低級オレフィンをつくる「オレフィン化技術」を開発しています。
しかし、現状では、「排ガスから高濃度のCO2を回収するコスト」と「水素の供給コスト」が高く、カーボンリサイクルでつくる原料は、従来より大幅に割高になります。だから、カーボンリサイクル技術の普及には、運用コストの低減が不可欠なのです。
IHIグループは、「CO2回収技術」と「カーボンリサイクル技術」を融合させることで、コスト問題の解決を試みています。
「CO2の回収」は、特殊な吸収液で排ガスからCO2を吸収。その吸収液を加熱してCO2を気化させ、取り出します。この加熱に必要なエネルギーコストが、全体コストの約半分を占めています。
そこでIHIは、吸収液からCO2を取り出す際に、カーボンリサイクルで発生する「熱」を利用することを考案。例えば、メタネーションでCO2と水素を反応させる時に発生する熱をCO2回収に利用すれば、コスト削減につながります。
さらに、IHIは加熱でのエネルギー低減技術も開発し、パイロットプラントではエネルギーコストの約40%低減を実証。この技術を使えば、新たに外部からの熱エネルギーを必要としないので、大幅なコスト削減が可能になります。
また、水素製造の場面でも熱は発生するため、「CO2回収」「水素製造」「カーボンリサイクル」の全体プロセスの中で熱を効率的に利用すれば、さらなる低コスト化も期待できます。
「脱CO2・炭素循環型社会」の実現を加速させるために、
IHIは今日も、カーボンリサイクルの運用コスト削減技術を開発しています。
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【CO2回収技術とCO2有価転化技術の融合】