IHIは、水素や再生可能エネルギーを活用した地域づくりに取り組んでいます。
その実証・研究拠点の1つが「そうまIHIグリーンエネルギーセンター(SIGC)」。
ここでは、エネルギーの地産地消、地域活性化、防災の観点で、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
今回は、将来の社長が技術開発本部 技術企画部 SIGCグループの中島主幹、岩重主幹に、SIGCの現状、進行中の研究開発、これからの展望について伺いました。
中島さん 岩重さん
将来の社長、よろしくお願いします。
将来の社長
よろしくね!今日は、どんな話を聞けるのかしら?
岩重さん
IHIが運営する福島県相馬市にある「そうまIHIグリーンエネルギーセンター(以下、SIGC)」の現在について紹介します。
将来の社長
ここは前にも取り上げたわよね?
岩重さん
はい。2022年5月にIHIingで紹介してもらいました。
(その時の記事 ⇒ https://www.ihi.co.jp/ihiing/decarbonization/20220509-01.html )
将来の社長
じゃあ、この3年間で、どんな変化があったのかを教えてくれるのね?
中島さん
はい。
いろいろなところで進展があり、新しいことも始めています。
将来の社長
いいわねぇ!
改めて聞くけれど、SIGCは何をする場所なの?
岩重さん
震災の被災地として「未来志向型の復興を目指す」相馬市と「脱炭素社会をつくっていく」というIHIの思いが合わさって、「水素を使ってCO₂を出さない循環型地域社会をつくる」ための実験や研究を行う場所として、2018年4月にできました。
将来の社長
SIGCには、コンセプトがあるのよね?
岩重さん
はい。
「再生可能エネルギーの地産地消」「地域活性化」「防災機能の充実」の3つのコンセプトで運営しています。
将来の社長
「エネルギーの地産地消」って、おもしろいわね。
岩重さん
「再生可能エネルギー」というのは、太陽や風、水の力みたいに使ってもなくならない自然エネルギーのことです。
「地産地消」は、そのエネルギーを遠くから運んで来るのではなく、地元でつくって、地元の人たちが利用することを意味しています。
将来の社長
とれたての電気を、つくった地域の中で使う。
朝取った新鮮な野菜を、遠くの場所へ運ぶと別のエネルギーを使うので、その地域の人がそのままいただくようなことね。
岩重さん
そうですね。
将来の社長
つくった電気は使いきれなかったら、どうなるの?そのまま消えちゃうの?
岩重さん
良い質問ですね。
SIGCでは、使いきれずに余った電気もムダにしません。
バッテリーに貯めたり、水素や熱というカタチに変えて活用しています。
将来の社長
へえ~!電気を水素に変えちゃうの!?
余った電気をカタチを変えて活かすなんて、イカすじゃない!
岩重さん
............。
将来の社長
つれないわね。
愛想笑いだとしても、笑ってくれるのが大人の対応ってもんでしょ?
岩重さん
ワハハハ...
将来の社長
遅いわよ!
中島さん
話を戻しても、よろしいでしょうか?
SIGCでは、太陽の光から生まれたエネルギーをムダなく地元で使い切る。
使いきれなかった分は、カタチを変えて地元で活かすことで、エネルギーを地元内で循環させているんです。
将来の社長
エネルギーの循環ね...。
日常生活の中では、そういうことにはなかなか気づかないわよね。
岩重さん
そうなんですよ。
今、自分が使っているエネルギーが、地元でつくられたエネルギーだということを意外と知らない人も多くて...。
「SIGCで生み出されたエネルギーは、地元の暮らしで使われている」ってことを、この機会に知ってもらいたいです。
将来の社長
野菜みたいに産地表示や生産者の顔が出せたら良いのにね!
岩重さん
おもしろい発想ですね。
それができたら、エネルギーを消費することに対する人々の意識も変わると思います。
将来の社長
つくった人のことが見えると、大事に使おうと思うのよね。
人間って不思議よね。
中島さん
ここSIGCでは、再生可能エネルギーからつくった電気を使う、余ったエネルギーをムダなく使い切ることで、地域が出すCO₂排出量を大きく削減しています。
将来の社長
ここでは、世界に称賛された日本の「もったいない精神」が生きてるのね。
SIGCの2つ目のコンセプト「地域活性化」って、どういうことしているの?
中島さん
それについては、いろんな話題がありますので、次回、お話をします。
将来の社長
活性化は、続きかっ!
(中編につづく)