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「新丸山ダム」で初の取り組みに挑戦。技術と叡智のバトンをつなげ!(第4話)

現在建設中の新丸山ダムでは、IHI初、高圧ラジアルゲートの4門同時の製作に挑戦。技術の伝承を目的に幅広い世代が関わったから気づけたことについて、将来の社長が、IHIインフラシステムの橋村さん、尾田さん、中村さん、山村さんにお話を伺いました。

将来の社長
4門連続製作の過程では、チームとして、どんな変化があったの?

尾田さん
例えば、計画チームと現場とのやり取りは、1門目の製作時は14回でした。
2門目では46回に増えました。

将来の社長
それは、なぜ?

橋村さん
普段、計画チームは事務所にいることが多いのですが、2門目からは製作現場に常駐して、「何度でも確認して良いんだな」「どんなに小さなことでも聞いて良いんだな」という環境をつくりました。
若い世代への技術の伝承を意識してのことでしたが、事務所にいたら気付けなかったであろう違和感、小さな問題を早めにキャッチできるようにもなりました。

中村さん
細かなことでも先輩たちと確認して、現場に戻ることで、精度が高まりました。
コミュニケーションが増えたことで、見えていなかったことに気づけるようになったんだと思います。

将来の社長
コミュニケーションって、質も大事だけど、回数も大事よね。
「コミュニケーションの数が品質を上げる」とも言えるわね!

橋村さん
まさにその通りです!私も尾田も、八ッ場ダムのゲート製作時に現場のリーダーとして携わっていました。
それから10年以上が経ち、今度はその経験を後輩たちへ伝える立場になったと考えていました。
だから、今回は「次の世代への技術の伝承」を意識して、若手を中心としたチーム編成でプロジェクトを進めました。

将来の社長
橋やダム、大きなインフラをつくる技術を伝承していくって、そんなに意識しないと難しいの?

尾田さん
そうなんです。
我々の仕事は、毎回毎回、オーダーメイドで異なるものをつくっているので、類似形式のゲートは10年ぶりに製作するということも起きます。
前のプロジェクトのベテラン技術者は、次の時にはすでに定年退職していて、直接、教えを乞うことができないことがあり得るんです。

橋村さん
今回、体系だったマニュアルがなかったので、私も必要な時には引退した師匠に電話して確認しました。
「このままでは大事な技術が途絶えてしまう」という危機感がありました。

将来の社長
ちょっとちょっと...。技術の残し方を真剣に考えないと、10年後の新しいプロジェクトの時に、できる人がいなくなっちゃうんじゃない?

中村さん
そうならないように、我々20~30代が中心になって作業マニュアルをゼロからつくりあげました。
次のプロジェクトで新加入の人が見ても、伝わるように、1つ1つの工程を整理して、気をつけることなどを書き残し、体系化しました。

尾田さん
今回、若手の彼らがいろいろな経験をして、たくさんの技術を覚えました。
自分のものにしたと言って良いと思います。次のプロジェクトでは、彼らがリーダーの世代になります。
今回のノウハウは次の製作へ、次の世代へつながると思います。

橋村さん
「技術を継承できる体制」が整いつつあると実感できたことが、今回の4門連続して製作した良かった点でもあります。

将来の社長
ダムの主ゲートをつくる技術って、いろんな技術を持った人が集まって、初めて可能になることがよ~く分かったわ。
それで、この後、新丸山ダムの仕事はどうなっていくの?

橋村さん
まずは、進行中の左岸工事をしっかり完了させることが最優先です。
ここで製作した主ゲート4門を現地に据え付けする工事も我々が担当しますので。

出典:国土交通省 中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所ホームページ(一部加工)

将来の社長
そうなの?じゃあ、完璧に完了させて、右岸工事も私たちが手がけましょ!

尾田さん
我々もそれを切に願っています!
しかし、右岸工事は、これから行われる入札で決まるため、我々が担当できるとは限りません。
とはいえ、今回の製作で得られた経験や知見をしっかりと活かせる体制は整っていますので、それを有利に働かせたいと考えています。

将来の社長
右岸の工事って、何年くらい先なの?

橋村さん
そうですね。右岸工事が完了するのは、まだ時間がかかると思います。
その時は、今回の20~30代のメンバーが、現場の中心としてチームを引っ張っていくことになります。

尾田さん
だから、今回の製作で積み上げた経験や技術を、今の内に次の世代に引き継いでいくことが必要だったんです。
そして難題が起きる現場で、いろんな技術を磨いていく。
それが、技術と叡智をつなげていくということだと思っています。

新丸山ダム画像 出典:国土交通省 中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所ホームページ

将来の社長
IHIの技術は、受け継がれるだけじゃなく、磨かれていくもの!
将来、私が本当の社長になった時に、どんな技術が磨かれて残っているのか、見るのが楽しみよ!

中村さん 山村さん
はい。先輩たちが受け継ぎ、磨いてきたものを、私たちがさらに磨いて、もっと良い仕事をしていきます!
将来の社長、30年後の現場で再会できるのを楽しみにしています!

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