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CO₂が航空機燃料に変わる!?(前編)

IHIグループは、脱炭素技術で地球温暖化を防ぐ、いろいろな取り組みを進めています。今回は、CO₂から持続可能な航空機燃料(SAF)をつくる技術について、IHI ASIA PACIFIC PTE.LTD Business Development Division所属の佐藤さんと辻川さんに話を伺います。

将来の社長
佐藤さん、辻川さん、今日は、「SAF」について教えてください。読み方は「サフ」で合ってる?

佐藤さん
合ってます。SAFは、「Sustainable Aviation Fuel」の略称で、直訳すると「持続可能な航空機燃料」です。これまでの航空機燃料は石油から精製されていましたが、化石燃料である石油は将来枯渇すると予想されています。だから、枯渇しない、持続可能な生産ができる燃料が必要とされています。

将来の社長
石油に代わる持続可能な燃料ができるなんて、夢のような話ね!「バイオエタノール」とは違うのよね?

辻川さん
「CO₂の排出を減らす」という目的、「燃料」という用途に関しては、バイオエタノールに似ていますが、SAFの場合は航空機に用いるため、通常のバイオエタノールよりも高い品質が求められます。

将来の社長
CO₂から燃料をつくるって、減らしたいものを減らして、役に立つものができるって、一石二鳥じゃない! そういうの好き! どうやって作ってるの?

佐藤さん
SAFの作り方はいくつかあります。例えば、バイオエタノールと同じように、植物から得た糖を微生物発酵させて作る方法、使用済みの食用油、廃棄油などを高圧下で水素化分解・還元してつくる方法、バイオマスや都市ゴミなどをガスに変えた後に、液体化するなどの方法があります。

将来の社長
あなたたちのグループは、CO₂からつくってるから違う方法なのよね?

佐藤さん
そうです。私たちがCO₂を使うのは、植物や都市ゴミを原料とする方法では、将来的に仕入れられる量に限界が来ると予測しているからです。

将来の社長
なるほど。いろんな会社がバイオエタノールの生産に取り組んでいるし、原材料の取り合いになったら値段が上がっちゃうわね。

辻川さん
そうなんです。そこで我々が選んだSAFの原材料、それがCO₂です。代表的な温室効果ガスであるCO₂は、減らせば減らすほど地球温暖化対策になるわけですし、無尽蔵に存在します。

将来の社長
無尽蔵...いい響き!足りなくなる心配がないのね。

辻川さん
我々が取り組んでいる液体燃料合成技術PTL(Power to Liquid)という方法では、CO₂を水素と化学反応させて作ります。CO₂は工場の排気から、水素は再生可能エネルギーを用いて水から生産することで、トータルで見たCO₂排出は従来に比べて大幅な減少が見込まれます。空気中から直接CO₂を回収する方法も研究しており、実質的に原材料が不足することはありません。

IHIが提案するSAFの構想 IHIが提案するSAFの構想

将来の社長
でも、CO₂って気体でしょ? 液体の燃料に変えるだけでも大変そうなのに、大量につくるとなると、相当難しいんじゃないの?

佐藤さん
鋭い!さすがは将来の社長。後編では、そのあたりについて説明します。

将来の社長
早く知りた〜い!

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